辞表
東南アジアの奥地にタチカカ族という部族がいるらしい。そんなことを先週末のテレビで見た。男は狩りをし、女は家事をするありがちな部族だ。そして、先進国に住む我々はそういった生活に新鮮味を感じ、興味をそそられる。しかし、テレビ番組というのは面白さとわかり易さを優先させ、事実を曲げて伝えることがある。インターネットの世界に置いても言えることだ。つまり、こんなに情報網が発達している21世紀においてもそれが存在する事実なのか否かは自分の目で見るまで完全に信じることは危うい。そんなことを考え、私はタチカカ族に逢いに行くことにした。
私は32歳で家庭を持っていない男だ。サラリーマンだ。趣味はないが金はある。新卒で就職した時に景気づけで購入した宝くじが当たり、今は貯金が4億円程ある。投資には触れなかった。私はタチカカ族に逢いに行く計画を立てる前に辞表を書き始めた。
東南アジアには島が多い。そのため、独自の文化が形成される。タチカカ族はイシドンネアに含まれる島に住んでいる。無論、彼らはイシドンネアに住んでいるという意識は無いだろうが。
少し怪訝そうな顔をされると思ったが辞表は案外、簡単に受諾された。人員不足に困ってないからなのか、私がいてもいなくてもいい存在だったのか分からないが前触れもなく出した辞表を受け取ってくれたのは今の私にとっては喜ばしい。私はイシドンネア行きの航空券を買った。
後先考えず好きなように書いていきますね。