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あの頃の風景  作者: ミクマリ
10/11

因果

「マリ、大丈夫か?」

裕也の腕の中でマリはぐったりしていた

今までマリは霊に憑依されてたんだな

だから人格が分離していた

これからはよくなる。

俺はマリを幸せにする、一生守っていく

「マリ、愛してるよ」

死んだように身体が重くなっていたマリの手がピクッと動いた

そして全身が痙攣し始めて突然裕也の首に手をかけてきた

マリは目を瞑ったまま裕也の首をぐいぐい締めてきた

「マリ、どうして、、」

マリの目がかっと見開かれた

殺意を持っている憎悪の目

「俺はお前を忘れていない」

麻衣達はその異変に気付いた

あの親子達は成仏したのに何故?

麻衣は混乱した

横の優希は不安気な顔で麻衣を見つめた

悦子はまだ放心状態のままその光景を見ている

マリは裕也の首を絞めながら麻衣の方を見て言った

「俺だけがまだ成仏できてない、俺も成仏させてくれ!」

マリの中に居たのは圭太という男だった

圭太はマリの祖父

昭和20年終戦時に圭太は裕也の爺さんに強盗され殺されてこの川に沈められた

因果応報、祖父の悪行で二人の命が奪われ

その報いが孫にくるとは、なんて哀れな事だ

マリの中にいた圭太の怨念が沙和子の霊を呼び寄せた

マリも裕也にも何も落ち度は無い

麻衣は涙を流しながら手印を結び祝詞を唱えた

「ノウマク・サンマンダボダナン・アビラウンケン」

「オン・バザラ・ダト・バン」

大日剣印、智拳印を結び空に手刀を切った

「圭太よ、其方の居場所はここでは無い。帰るべき場所は天上界

 孫の身体に憑依している所は其方が居るべき場所では無い」

「帰りなさい」麻衣は圭太の霊に引導を渡した



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