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あの頃の風景  作者: ミクマリ
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邂逅

通りゃんせ 通りゃんせ

 ここはどこの 細道じゃ

 天神さまの 細道じゃ

 ちっと通して 下しゃんせ

 御用のないもの 通しゃせぬ

 この子の七つの お祝いに

 お札を納めに まいります

 行きはよいよい 帰りはこわい

 こわいながらも

 通りゃんせ 通りゃんせ






9時53分、JR新幹線のぞみ300号新大阪行き

改札に切符を通しプラットフォームへ通じるエスカレーターに乗ると、優希は漸くほっとした

流石に新幹線乗り場では外気と比べて僅かだが冷房は効いており身体に籠った不愉快な熱も汗と共に引いてくるような感じがした。山手線車内の温度は湿度と共に密集した人間の体温でも上昇する。電車に乗る度に思う事だがつくづく東京は人間の住む所では無いと考える。8月の新幹線東京駅乗り場では朝でも小さな子供を連れた親子連れとカップルらしき人達とサラリーマン姿の人達が溢れており人口密集度が高い

夏休み時期なので特に子供連れの人達が多いのだろう。優希と麻衣も今から一泊二日で大阪まで行きユニバに遊びに行く。予定通りなら新幹線に乗る前に珈琲でも飲んでゆっくり出来たスケジュールなのに

ここに着くまでに走らなければいけなかった。

だいたい待ち合わせの時間通りに麻衣が来ていたらこんなにも慌てずに済んだのだ

事前に優希が二人分の指定切符を購入しているのだから約束通りの時間に来るのが常識である

麻衣の性格を知っているのだから朝LINEすればよかったのだと優希は理不尽な後悔をしていた。

9時40分、フォームにて新幹線を待つ優希の隣で麻衣が愚痴る「もう~暑いよ、冷房効いてんの!」

急いで走るからこうなったのにと優希はうんざりしながら話しを合わせた「ホントよね、暑過ぎ!」

優希は自分でも損な性格だと認識している。臆病だし不器用だし口下手で生真面目な性格、だから麻衣のようなおおらかで社交的な子に憧れるし正反対だから友達にも成れた。

優希も麻衣も同じ大学の2回生、同じ美術サークルで麻衣と出会った。最初出会った時から麻衣には華があり当然のように男子は麻衣の周りに集まってきた。優希にも声をかけてくる男子がいたが軽薄な感じの人でしつこく強引だったので困っていたところ、何故か麻衣が優希のボディガードみたいな感じで二人一緒に行動を共にするようになり結果的に男から優希を守ってくれるようになった。

今回大阪に一泊二日でユニバに遊びに行こうと提案したのも麻衣だったが大阪で泊まるホテルの予約も新幹線に指定切符購入も優希がした。麻衣が思いつきで行動し優希が後から細かい手続きをしてついていく

「やっと電車来たね、早く座りたいよね」麻衣が嬉しそうに笑顔で言った











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