表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

86/90

関ヶ原では勝った。が……-その2-

黒田長政(以下長政):「……痛ててて。あのクソ力野郎が……。」

井伊直政(以下直政):「(毛利)秀元にしてやられましたな。」

長政:「危うく大坂まで人質として運ばれることになるかと思いましたよ。全く……。」

直政:「あんなのを相手にせずに戦いを終えることが出来て、なによりでありました。」

長政:「ところで直政殿。鉄砲の傷は如何ほどでありますか。」

直政:「……良くはないぞ……。」

長政:「そんな直政殿のところに……。」

直政:「三成方諸将から主君・家康へのとりなし依頼が殺到しておるわ……。」

長政:「よりによって直政殿に傷を負わせた張本人である……。」

直政:「島津からも届いておる。」

長政:「引き受けられるのですか?」

直政:「ほかの連中が、まだ信濃の国境付近を彷徨っている上、

仮に今。奴らが到着したところで

先に出発したにも関わらず遅参。

と言う失態を演じたことに対する

自らに対する殿の怒りを収めるだけで手いっぱい。

ヨソの家のことなんか気に掛ける余裕も無いであろうからな。」

長政:「それで悪化させてしまっては……。」

直政:「いくさの中で起こったことは仕方ない……。

それに殿はワシが重症患者であることを承知の上で……。」

長政:「佐和山攻めの監視役の任に当たらせるのでありますからな……。」

直政:「自ら先鋒を名乗り出た秀秋には……。」

長政:「内府(家康)殿も終生。遠慮しなければならぬ存在となりましたな……。」

直政:「それはそうと(吉川)広家殿の件……。」

長政:「さすがに内府殿の独り勝ちの状況で。

現状維持は難しいことを心配しているのでありましょう。」

直政:「で。殿は……。」

長政:「まだ秀頼様が輝元殿の手元にある以上。無用に刺激を与えるのは得策では無い。と……。」

直政:「御咎め無し。と言うことになるのでしょうか……。」

長政:「福島と連署で認めてはおるのであるが……。」

「首尾よく内府殿が大坂城を取り戻したあとどうなるかは……。」

直政:「殿は吾妻鏡を参考にされていますからな……。」

長政:「頼朝と内府殿御自身との境遇を重ね合わせられているのであれば……。」

直政:「……こればかりはそれがしにはわかりませぬ。」

長政:「もしかすると今の私を見て、亡き太閤殿下は……。」

直政:「信長の指示通りそなたを……。と思われているのかもしれませぬな……。」

長政:「立場上。内府殿も三成も秀頼様の命を受けてでありますので。

少なくとも私は、豊臣家を蔑ろにしようとしての行動ではありませぬぞ……。」

直政:「あとのことはともかく。」

長政:「今は広家殿の政治力に期待して待つことにしますか……。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ