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危ない二人  作者: 玲人
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第二章☆危ない転校生がやって来た!〜 1 〜

『ウォ〜〜めちゃダルイ・・・・満瑠(みちる)の奴・・・思いっきり吸いやがって・・・』


朝のHR。香紫朗(こうしろう)は昨日「Rose Room」で満瑠を怒らせた罰で、“気”を吸い取られた。普通は一晩寝ればダルさは取れるが・・・。


『香紫朗!朝っぱらからダラッとするんじゃない!』


担任の赤ハゲ松平順二(まつだいらじゅんじ)が怒鳴った。「赤ハゲ」いつも顔を真っ赤にしてる上に“ハゲ”てるから付いたあだ名だ。


『おおっと!転校生紹介する!上田!入って来〜〜い!』


赤ハゲは入り口に向かって叫んだ。教室内がどよめく。


『転校生?!聞いてたか??来るって??女か?!』


ザワザワと驚きの声が聞こえてくる。


『お〜〜〜い!どうした!上田?!恥ずかしがらんで入って来ぉ〜〜い!』


クラス全員が入り口に注目する中、戸から転校生が入ってきた。


転校生は“女”だった。

如月高校の制服ではなく、前の高校の制服だろう。トップは白のセーラーで襟の部分に紺のラインが二本線入ってスカートは紺のヒダ。スカーフも同じく紺色だ。


『もっとシャキとしろ!上田!さ!みんなに自己紹介しろ。』


赤ハゲが机に両手をつき上田に促した。


『・・・・・は・初めまして・・・@¥wlg・・・』


初めましては小さい声ながら聞こえたが後が・・・聞こえない。


『聞こえませ〜〜〜ん!もっと大きな声で喋ってくださぁ〜い!』


香四郎が一番後ろの席からイラついた声で言い放った。


『こうちゃん〜!転校生脅すなよ!』


香紫朗の前の席の都筑翔太(つづきしょうた)がニヤ付いた顔で後ろを振りき香紫朗に向かって言った。教室内の所々から笑いが起こってる。


『・・・う・・う・・・上田・・・れ・れ・・・澪・・・・です!』


転校生の名前は上田澪(うえだれい)。身長は150cmあるかないか位だろう、ガリガリにやせ細っている。伸ばしっぱなしの前髪が目を覆い隠し髪の色が・・・光のあて具合でか・・グレイに見える。

クラスのみんなは初め赤ハゲに“転校生”っと聞いて期待していたが・・・一瞬にして落胆した。


『もっと、元気よく自己紹介せんと〜〜!上田!ほれ!香紫朗が上田の事お気に召したようだから!香紫朗の席の隣に座ってよし!』


赤ハゲはニャッと笑い、香紫朗が座っている窓際の一番後ろの席に指差した。


『こうちゃん〜♪良かったね!願いが叶って!』


前から二番目に座っている金井裕子(かないゆうこ)が冷やかした。クラス内のあっちこっちから笑い声が聞こえてくる。


もし、これが・・・この転校生が美人なら・・・女子共は黙ってないだろう。“イケてない”転校生だから安心して冷やかしも出来る事だ。


『うるせぇ〜〜〜!オレは頼んだ覚えないぞ!赤ハゲ!』


香紫朗がしまった!っと言う顔をした・・・

赤ハゲ・・・さらに顔が赤くなった・・・


『ほほぉ〜〜〜!香紫朗・・・・どうやら君は・・・放課後・・私の“お手伝い”を・・・したいようだね。放課後!体操着に着替えて私の所に来るように!以上!HR終わり!』


赤ハゲは問答無用顔で言い、名簿を持って教室から出て行った。


『あ、それと!君のお姫様の校内のご案内も!よろしくな!』


赤ハゲは戸口から真っ赤になった顔だけを覗かせ香紫朗に向かって追い討ちをかけた。隣には上田が下を俯き教科書の準備に取り掛かっていた。上田の顔を覗き込み切なげに言った。


『ですってよ・・・・澪姫・・・・』


香紫朗の一言で教室内が爆笑の渦に巻き込まれた・・・・。

この一言で上田のあだ名が決定した。

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