〜 4 〜
目に見えない波動が満瑠の身体に伝わってくる。
香紫朗は満瑠が“喰った”“不味い物”を陽のパワーで吹き飛ばしている。
目の色の輝きが段々と落ち着き、かざした手を下ろした。
『あんま、不味いもんばっか喰ってると・・・寿命が縮むぜ?たまには美味いもんでも喰え!ただでさえ・・・ひょろっちぃ身体してんのによ。』
香紫朗はコンタクトを着けながら呟くように言った。
『・・・仕方ないだろ。こうちゃんみたいにケンカ強ければ何も好んで不味いもん喰わないよ。』
満瑠はイスの背もたれにドサッともたれ掛かりながら香紫朗の顔を見た。目は紫色に変わってニヤニヤと笑ってる。
『ケンカなら、オレが教えるって言ってるだろう。手取り足取りみっちり!教えてやるよ♪』
『無理。』
即答。
『こうちゃん・・・人には向き・不向きっていうのがあるんだよ?僕にはケンカは向いてないよ。好きじゃないし、面倒。』
フゥッとため息をつき、前髪にハラッとかかった細く柔らかい髪をかき上げた。
『わぁ〜った!おめぇ〜は!趣味の盆栽でも弄ってりゃ〜いいよ』
ポケットからタバコを取り出し、口にくわえて火を点けた。
『こうちゃんこそ!いい加減タバコ止めないと・・・寿命が縮むよ?』
満瑠は香紫朗の目を見つめ薄く目を細めクスクスと笑った。
『オレからタバコを取り上げんなっ!それこそ身体の毒だぜ。』
吸い込んだタバコの煙を満瑠に向かって吐き出した。
『香紫朗。』
満瑠の目がグレイに変わった。
『Rose Room』に香紫朗の悲鳴が鳴り響いた・・・・・。