【特別企画】 覇姫エレクシア探検隊 ~ 密林に潜む未開の婚約破棄部族を追え!
【春休み特別企画】
覇姫エレクシア探検隊
~密林の婚約破棄部族を追え!!
テーマソング
『ゆけ!ゆけ!覇姫エレクシア』
♪ディッディッディッディ ♪ ディッディッディッディ
♪覇姫エレクシアが 密林に入る。
♪四天王と 先遣隊の 後に入る。
♪密林の中には 白骨が転がる。
♪何かで磨いた 様なピカピカの 石像が佇む。
♪すると突然 茂みの中から
♪呪いの毒蛇が 襲ってくる。
♪ヒャッハー汚物は消毒だ
♪全て焼き払う。
♪ヘビの攻撃乗り切ると
♪次には毒蜘蛛の群れが落ちてくる
♪毒蜘蛛の次は恐竜だ!
♪エレクシアは素手で殴り倒す。
♪ゆけ ゆけ 覇姫エレクシア♪
♪ゆけ ゆけ 覇天軍女子♪
♪ゆけ ゆけ 乙女のために♪
♪密林の奥へ!
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――覇姫エレクシア探検隊。
彼女たちは今、人跡未踏といわれる密林の奥地へ足を踏み入れていた。
この密林のどこかに、婚約破棄を繰り返す謎の未開の部族が存在するという――。
それは果たして伝説なのか。
それとも恐るべき事実なのか。
それを確かめるべく密林の奥へと進むエレクシア隊長率いる探検隊。
巨大な樹木が空を覆い、陽の光はわずかしか届かない。
湿った空気、鳴き続ける見知らぬ怪鳥。
草むらの奥で何かが動く気配、人の行く手を阻む蔦。
まさに未開の世界である。
そのとき――
先遣隊の足が、ふいに止まった!
松明の光が照らし出したのは、
密林の地面に転がる無数の白骨であった。
白骨が、あちこちに横たわっている。
この場所で多くの人間が命を落としたのだ――。
そのとき。
エレクシア隊長が静かに歩み寄った。
そして慈愛に満ちた手で、優しく白骨に手をかざす。
発動したのは、過去を読み取る特殊スキル。
そしてこの白骨の正体が明らかになった。
それは――
かつて婚約破棄された、一人の令嬢の骸であった……。
彼女はすべてを失い、この密林へと流れ着いたという。
ここでカフェを開き、静かなスローライフを送る。
そんな夢を抱いていたらしい。
だが。
現実はあまりにも残酷であった。
なぜなら、この密林は安らぎのオアシスなどでは決してないのだから。
エレクシア隊長は静かに目を閉じ、手を合わせた。
密林の奥には、 まだいくつもの白骨が転がっている。
隊員たちが、その白骨をひとりひとり丁寧に埋葬する。
理不尽に婚約破棄をされ、
夢を追い、そして力尽きた令嬢たち。
リリアーナが小さく呟いた。
「……夢追いの密林、というわけですか……」
これが、
婚約破棄された者の末路だというのか。
あるいは――
これは、自分たちの姿だったのかもしれない。
同じ境遇を経験した隊員たちの表情は、
わずかに暗くなっていた。
そのとき――
エレクシア隊長が、
突然、手を上げた!
「待て」
一行が足を止める。
奇妙なことに、白骨のそばには石像が立っていた。
苔むした密林の中で、何かで磨いたようなピカピカの石像が佇んでいた。
一体これは何なのか。
未開の密林の奥地で発見された謎の石像。
この地には、まだ誰も知らない秘密が隠されているのかもしれない。
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先を進むエレクシア探検隊一行。
――そのときであった。
密林の茂みが、ざわりと揺れた。
次の瞬間――
無数の影が、草むらから一斉に飛び出したのである!
それはこの密林に棲む恐るべき魔獣、その名は――
【呪蛇ヘルヴァイパー】
全身は禍々しい黒紫色。
その牙には、凶悪な呪毒が宿る。
ひとたび噛まれれば体内に恐ろしい呪いが流れ込み、命を蝕み続けるという。
しかもその呪いは、高位の神官ですら
完全に浄化することが困難だといわれている。
まさに密林の死神。
そう、この毒蛇こそ――
スローライフを夢見て、この密林に足を踏み入れた
多くの令嬢たちの命を奪ってきた恐るべき存在なのである。
覇姫エレクシア探検隊に
最大の危機が迫る!!(一回目)
だが――
探検隊の淑女の一人が、静かに前へと歩み出た。
その手に握られていたのは――
巨大な火炎放射器。
「汚物は消毒しますわ」
ゴオオオオオオオオオオ!!
凄まじい炎が密林の茂みごと、蛇の群れを焼き尽くした!
邪悪な蛇共に逃げ場はない。
死神【呪蛇ヘルヴァイラス】たちは炎の海の中で暴れ回るが――
やがてすべてが黒い灰へと変わっていく。
その炎は――
この密林で恐怖に震えながら命を落とした少女たちの、
無念を晴らす炎でもあった。
――最大の危機を乗り越えた探検隊。
そして次になんと一行は、
スキル《アイテムボックス》から
テーブルや椅子を取り出し並べ始めたのである。
エレクシア隊長が、ふと顔を上げた。
そして、給仕役をしていた隊員へと声をかける。
「給仕、この店のおすすめをくれ」
突然の言葉に、周囲の隊員たちは一瞬だけ沈黙する。
しかし――
給仕役の隊員はすぐに小さく一礼した。
「かしこまりました、お嬢様」
「当店のおすすめは、カフェラテでございます」
彼女は手際よく道具を並べる。
ミルクを温め、香り高いコーヒーを注ぎ、
丁寧に泡立てたミルクを重ねていく。
まるで本物の喫茶店のように。
やがてカップがエレクシアの前へと置かれた。
「お客様お待たせいたしました。
カフェラテでございます」
エレクシア隊長はカップを手に取り、
一口だけ静かに口をつける。
密林の奥深く。
白骨の眠る魔の森のど真ん中で。
探検隊の淑女たちは、
まるでそこが本当に小さな喫茶店であるかのように
振る舞っていた。
そう――
ここは魔の密林にある小さなカフェテリア。
理不尽に婚約破棄され、
それでも折れずにスローライフを夢見、
この地へ辿り着いた若き令嬢たち。
彼女たちは皆、この密林のどこかで
小さな喫茶店を開くことを夢見ていた。
静かな森でゆったりと流れる時間。
香り高い珈琲。
そんな穏やかな日々を、思い描いていたのである。
だからこそ――
せめて今だけは……
だがここは魔の森。
この死の森は、そんな穏やかな時間など許しはしない。
突然、頭上の樹々がざわめいた!
不気味な音とともに、
黒い影が空から降り注ぐ。
次の瞬間――
無数の蜘蛛が降ってきたのである!
人を喰らう殺人蜘蛛、その名は――
【魔毒紫蛛ヴェノミア】
密林の生態系の頂点に君臨する凶悪な捕食者である。
全身は毒々しい紫色、鋭く光る八つの目。
そして獲物の命を奪う、恐怖の牙。
ひとたび刺されれば、わずか数秒で体内の血が暴れ狂い、
全身の毛穴という毛穴から血を吹き出して絶命するという――。
まさに密林の悪魔。
その数――
数百、いや数千。
紫の悪夢が探検隊に降り注ぐ!
覇姫エレクシア探検隊に
最大の危機が迫る!!(二回目)
四天王セラフィーナが静かに手を掲げた。
空間が歪み、無数の光が現れる。
数千の鋼鉄の槍。
それらは一斉に放たれ、空から降り注ぐ紫蜘蛛を
次々と撃ち落としていく。
しかし、それでも数が多すぎる。
地面に落ちた蜘蛛たちがなおも探検隊へと迫る!
そのとき――
醜姫ブスが前へ出た。
彼女が静かに手を掲げると、周囲の空間がゆっくりと歪み始め、
大地から濃密な闇が広がった。
それは彼女の奥義――
醜を纏うものだけが操る醜の陣。
広がる闇はまるで生き物のようにうごめき、
地面を這う恐ろしき紫蜘蛛たちを次々と飲み込んでいく。
邪悪な蜘蛛共に逃げ場はない。
暴れ、もがく【魔毒紫蛛ヴェノレリア】
だが闇は容赦なくすべてを包み込み――
やがて密林は再び静寂に包まれた。
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――最大の危機を乗り越えた探検隊。
恐ろしい人喰い蜘蛛の脅威を退けた覇姫エレクシア探検隊の進軍は、
止まらない。
しかし――
この死の密林には、まだ恐るべき存在が潜んでいた!
探検隊が進んだ先で、
大地が突然、震え始めたのである。
ゴゴゴゴゴゴ……。
密林の木々が揺れ、鳥たちが一斉に飛び立つ。
次の瞬間――
地面が割れ、巨大な影が密林の奥から姿を現す!
それは――
太古よりこの密林に君臨する食物連鎖の頂点。
全長数十メートルからなる巨大竜!
山のような巨体。
そして何より恐ろしいのは、その全身を覆う鱗である。
鋼鉄よりも硬いといわれるその鱗は――
槍も通さず、剣も通さず、毒牙すら刺さることがない。
まさに絶対防御を持つ太古の怪物。
この化け物が一匹現れるだけで、
大都市ひとつが滅びるとさえ恐れられているのだ。
動くもの全てを喰らう密林の王、その名は――
【古代邪竜バルザギラス】
その巨大な顎が開き、探検隊を喰らい尽くそうと襲いかかってくる。
覇姫エレクシア探検隊に
最大の危機が迫る!!(三回目)
だが――エレクシア隊長は動じない。
静かに前へ歩み出、拳を握る。
それだけで空気が震えた。
エレクシア隊長の闘気が密林を揺るがす。
「覇天撃竜拳!!」
天を突き上げるような一撃が放たれた。
凄まじい拳が巨大竜の顎を直撃する。
衝撃波が密林の木々をなぎ倒す。
そして――
密林の王と恐れられた巨大竜は、
その巨体を震わせながら地面へと崩れ落ちた。
食物連鎖の頂点。
魔の森の支配者【暗黒神竜ゼルヴァディア】
一撃撃破。
こうして密林最大の脅威すら
打ち倒した覇姫エレクシア探検隊。
しかし――
彼女たちの目的はまだ達成されていない。
この密林の奥地には、婚約破棄を繰り返すという謎の未開部族がいる。
そして――
すべての発端とも言われる呪いの蛇の伝説。
果たしてそれらの謎は解き明かされるのか。
覇姫エレクシア探検隊の冒険はまだ終わらない。
密林の奥にはさらなる驚異と、恐るべき秘密が待ち受けている。
覇姫エレクシア探検隊――
次回、
ついに未開の婚約破棄部族を発見か!?
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この番組に一切のヤラセはない。
すべては覇姫エレクシア探検隊による、
命懸けの真実の記録である。
これは――
漢たちの魂を賭けた探検ドキュメンタリーなのだ。
撮影後、楽しそうに森を走り回るエレクシア隊長
『シーン3 密林の古代遺跡』
何かで磨かれたように光る髑髏を素手で持ち上げ、
しばし思いにふけるエレクシア隊長。
NG 理由:隊長の表情が固い
※撮影やり直し(3/14)
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――覇天撃竜拳 (はてんげきりゅうけん)
古来より伝わるとされる対竜戦闘拳法のひとつ。
この拳法は、はるか古代――
竜族が大地を支配していた時代、その討伐を生業としていた
「竜殺しの一族」
によって編み出されたと伝えられる。
竜は巨体を誇り、その鱗は鋼鉄をも弾く。
通常の武器では傷ひとつつけることができない。
だが竜には唯一の弱点が存在する。
それが下顎の付け根である。
竜が咆哮を上げる瞬間、わずかに開くその隙を突き、
全身の闘気を拳へ集中させ下方から上方へ突き上げる。
この打撃によって竜の頭蓋は内部から破壊され、
巨体は大地へと崩れ落ちるという。
この技を修得するためには、幼き頃より
巨石殴打、鉄柱突き、鎖吊り鍛錬
などの過酷な修行が課される。
その衝撃は竜の骨格すら砕く威力を持つため、
未熟な者が使えば自らの腕の骨が砕け散るとも言われている。
なお伝承によれば、かつて一人の勇者が
世界を恐怖に陥れた竜王を前にした際、剣も魔法も用いず、この拳法ただ一撃で竜王を打ち倒したという逸話が残る。
現在この拳法はその継承者が途絶えたとされ、幻の技とされていた。
しかし――
今、再びその拳が密林の地で放たれたのである。
(成楼書房刊『古代拳法秘録』より)




