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白にひずむ  作者: ふらり
第二章 神さまとともに
12/29

12.願いながら

 バスを降りた後、神さまは1日中、羽野町を案内してくれた。

 ぼくらは巡回バスが通らなかった小路を中心に歩いて回った。

 羽野町は周囲を山に囲まれた自然の豊かな町で、森や林や、畑や田んぼが多く、住宅街はわずかだった。人口も多くないのだろう。たまにしか人の姿を見かけなかった。

 だが午後になると小学生くらいの子供たちと時々すれ違った。

「この道は通学路なんだよ」と神さまが言った。

 途中、小さな公園を通りかかったら子供たちが遊んでいた。ふざけあって体を押し合ったり飛び跳ねたりしている。

 ジェラが立ち止まる。どこか寂しさのこもった熱心な顔で彼らを見つめていた。

「一緒に遊びたいの?」と聞くと

「別にぃ」と顔を横にそむけた。

 ワッと大きな声がした。子供の一人が転んだようだ。両ひざが赤く擦りむけ、顔を伏せ足首をおさえている。他の子供たちが大丈夫?とささやきながら、心配そうに彼を取り囲む。

「お仕事だ」

 そう言って神さまは公園内に入っていく。子供たちの輪に近づき、中心にいる彼の頭に手をかざした。ちょうど雲間から太陽がのぞき公園内は光で満たされた。まぶしさの中、神さまと子供たちのシルエットは、まるで奇跡をおこす預言者とその使徒たちみたいだった。

 転んだ子供が顔をあげる。一瞬、信じられない、とでもいうような呆然とした顔をした後「治った!」と叫んで元気よく立ちあがった。

 彼を囲む子供たちが辺りを見回す。

「神さまかな?」

「多分神さまだよ」

「ありがとう、神さま」

 子供たちは無邪気にはしゃぎながら、帰っていった。


 羽野町を歩き回ってわかったことだが、この町は区画整理が行き届いている。道路や公共施設が必要十分に整備・配置されていて、主要な動線がイメージしやすい。端から端まで把握した、とはいかないけど、神さまの案内が効率的だったおかげで、だいぶ土地勘が働くようになった。

 気づくと日が暮れかけていた。

 河原を歩いて、ぼくらは出発地点の林へ戻ることにした。随分遠くまで来ていたようだ。川は果てしなく伸び、延々と歩き続けた。時々、草が茂り過ぎて人が通れないような場所もあったが、ぼくらには関係なかった。

 緑の匂いと川の音、虫もたくさんいた。神さまは先頭に立って、ぼくらの案内役をしていたが、時々、視線を宙に泳がせた。最初、空を見ているのかと思ったが「何を見ているの?」と聞いたら「あの山」と指さした。

 山の稜線が光に淡く縁どられ空を切り取っていた。きれいだが、そんなに何度も見るほどだろうか。ぼくらと違って神さまにとっては見慣れた景色のはずなのに。

「気になるの?」と尋ねる。

 一拍の間のあと

「昔、宝石が採れたんだって」神さまはため息交じりに言った。

「町の人がね、神さまが採れるようにしてくれないかなって噂してた。でも私、どうすればいいかわからなくて。それからずっとあの山が気になるんだ」

 神さまがぼくらと似た存在なら、人の痛みを消すことはできても、宝石の量産はできない。町の人のこの神頼みは叶わないだろう、と考えながら、ふと、あるアイディアを思いつく。神さまに伝えようとしたら、

「あ、橋だ、橋が見えたぞ」とジェラが嬉しそうに飛び跳ねた。「バスから見えた橋だろ?ってことはもうすぐだよな?」

 神さまが言った。

「あれは東羽橋。バスから見えたのは羽野橋。まだまだ先だよ」

「えー、まじかよー、遠いよー」

 話がそれて、ぼくは自分のアイディアを神さまに伝えそびれた。でも良かったのかもしれない。不確実だし、神さまが無邪気にその気になって失敗したら悪い。


 どれくらい歩いただろう。

 ようやく羽野橋が見える頃には、辺りは真っ暗だった。

 出発地点の林に戻るとすっかり夜だった。

 神さまは大あくびをした。

「今日は疲れたからおうちで寝るね、一緒に来る?」

 ぼくとジェラは眠らないので大丈夫だと答える。

「今日はありがとう」

 とお礼を言うと神さまは照れたように笑って、おやすみー、と手を振って廃神社のある方角へ去っていった。

 ぼくとジェラは広場で二人きりになる。

「コトリ、いなかったな」

 ジェラが言う。目的をしっかり覚えていたようだ。

「早く探して皆で戻りたいぜぇ。ばあちゃんのこと心配だしさぁ。帰ったら死んでたとか洒落になんねぇよ」

「ジェラが存在してるってことは、未華子は生きてるよ」

「そっか、そうだよな」

 ほっとしたようにジェラは目を細める。

 ぼくはジェラの隣に座り背中を撫でる。

「だいぶ生え揃ってきたね」

「んー、まぁなぁ、だけど戻ったら」

 言いかけてジェラはだまりこむ。

「戻ったら、またはげる?」

 掌の下でジェラがピクリと身じろぎする。

 ぼくらはしばらく何も言わずにいる。頭上でフクロウが鳴いている。枝から枝に羽音が渡っていく。ざわめきに混じる密やかな気配を探りながジェラの次の言葉を待つ。

 ジェラが話さないなら、これ以上聞くつもりはない。でも話してもいいと思うなら、あるいは吐き出したいと思うなら、いくらでも聞くつもりだった。

「俺ってさぁ、ばぁちゃんの孫と飼い猫がモデルらしいんだよね」

 未華子の経歴は遊理に教えてもらったことがある。その時は未華子のことだと知らなかったが、研究室に来ることになった理由は衝撃的でよく覚えていた。

「ジェラは何で未華子が研究室に来たか知ってるの?」

 聞かずにいられなかった。

「ばあちゃん、孫と遊園地に行ってる時に捕まったんだってさ。元々あまり隠すつもりもなくてアビリティは普段から使ってたし、覚悟はできてたらしいぜぇ」

 遊理から聞いた通りだった。でも重要なことが省かれている。

「だけどさぁ、実際に研究室に来て孫にも猫にも二度と会えないって思ったら寂しくてたまらなかったんだって。で、ある朝、起きると左足のあたりがやけに重くて、見てみたら俺が乗っていた。家で飼い猫がよくそうしていたし、俺、外見はその猫そっくりだから夢かと思った、夢でもいいって抱きしめた。そしたら俺が孫と同じ声で喋りだしたから、驚いたやら嬉しいやらで涙が止まらなくなった。俺も、この時のこと覚えててさ。ばあちゃんが顔をくっしゃくしゃにして泣いてて、やたらめったら頭やら背中やら撫でられて。訳わかんなかったけど、嬉しくて安心で喉がゴロゴロ鳴った。俺の最初の記憶」

「孫がいるってことは未華子には子供もいるはずだよね?」

「そういやばあちゃん、子供のことはあまり話さなかったな」

 ぼくはジェラが何も知らないことを確信する。

 未華子には一人娘がいた。母子家庭だった。

 研究室の調査部は、彼女のことをAと呼んでレポートしていた。周囲への聞き込みを元にした人物評によれば、Aは“真面目で我慢強く、調和を重んじる性格”だったらしい。

「あー、そういえば、なんか娘とは気が合わなかったみたいなこと言ってたような」

 Aは中学を卒業後、未華子の元を離れた。家を出て、アルバイトと奨学金で大学まで卒業した。未華子からの連絡や援助は一切なかった。

 やがてAは夫と出会い息子のJが生まれた。Jの誕生をきっかけに、夫はAに未華子と連絡をとることをすすめた。Aは迷ったが、未華子に連絡をとった。

 孫ができたことを知った未華子は歓喜し、Aと未華子の関係は修復された。

 だがあることをきっかけに未華子とAは再び決別する。

「なんか、娘は終わったことをいつまでも根に持ってグチグチ怒るし、人の目ばっか気にしてるし、性格的に合わなかったんだってさ」

「未華子とは違うタイプだったんだね」

 何度かあった事があるが、未華子はよく笑う明るい人間だった。ざっくばらんな雰囲気と裏表を感じさせない率直さが魅力的だった。自分が何をしたいか、どうすれば叶えられるかを知っているタイプだった。

「俺、ばあちゃんがイライラしたり、怒ってんのなんか見たことないぜぇ。ま、俺がいい子ってのもあるけどな」

 AはJが未華子に会うことを禁じた。Jと会えなくなった未華子は悲しんだ。

 そしてJの8回目の誕生日に、未華子は彼を誘拐した。遊園地に連れだし、当日の夕方に逮捕された。

 “最後に思い出が作りたかった”

 未華子は、悪びれない笑顔で言った。

 Aの夫は調査部のインタビューに

 “知らなかったんです‘’と焦点の定まらない目で答えた。

 “なぜ連絡を取れなんて言ってしまったのか、もし知っていたら絶対に言わなかった”

 Jを誘拐する前に、未華子はAを自宅に呼び出して殺害していた。絞殺だった。前日にJへの誕生日プレゼントと一緒にロープを購入していた。計画的だった。

 “だって邪魔されると思ったから”

 未華子とAの確執の原因は、Aが匿名でSNSに書いていた日記で明らかになった。

 Aは幼いころから、未華子に虐待を受けていた。

 未華子は日常的に、Aをつねったり叩いたり髪の毛をひっぱったりしていた。悪いことをして叱られて、というわけでもなく、それはなんの脈絡もなく、手軽に気まぐれに行われた。食後に、おはようの挨拶の後に、明るい笑顔を浮かべながら無邪気に。強い力ではなかった。だから傷後も証拠も残らなかった。

 未華子はよき母親として周囲に認識されていた。実際、Aに対しても普段は優しかった。栄養バランスを考えた美味しい食事を作り、休みの日は遊びに連れて行ってくれた。

 そんな母親に不意にいたぶらる衝撃。

 物理的な痛みよりもAの心は混乱と不安で徐々に削られていき、中学を卒業する頃には耐えられなくなり逃げ出した。

 だが時が経ち、Jが生まれ、夫に未華子に会うようにすすめられ迷いが生まれた。

 子育ての大変さを知ったAは、当時の自分にはわからない葛藤が未華子にもあったのではないか、と考えた。

 同時に優しかった未華子の記憶があふれ出した。怖い夢を見た時に抱きしめてくれたこと、迷子になった時に必死で探してくれたこと、美味しい手料理を毎日作ってくれたこと。

 すると、そもそも虐待が現実にあったことなのか、わからなくなった。自分が何か勘違いしていたのかも知れないと思え始めた。

 だが間違いだった。未華子はJにも同じことをしていた。

 ある時、Jは半泣きで“ばぁちゃんのこと好きだけど怖いよ”とAに打ち明けた。

 Aは未華子にJと二度と会わせない旨を告げた。だが、どうしても謝りたい、秘密にしていたことがある、相談したい、助けてほしい、と言われ心が揺らいだ。

 母親は病気なのかもしれない、救えるのは家族の自分だけなのかもしれない、見捨てていいのか、病気なら支えるべきじゃないのか。

 迷いぬいた末、Aは最後に一度だけ未華子に会いに行くことに決める。

 Aの日記はここで終わる。

 “この秘密、とは?”

 後日、調査室の人間が未華子にたずねると、

 “アビリティ保有者だとばれて、もうすぐ捕まる、という件ですね”

 とさらりと答えた。

 “捕まることを知っていたんですか?”

 “ついうっかり学校で子供たちに派手なの見せちゃったから。今年、町内の花火大会が雨で中止になったんですよ、だからね、ドーンと教室に打ち上げてみたんです。皆、すごい喜んでくれて。かわいかったなぁ。家でも興奮して親に話したんでしょうね。それで親の誰かが通報したんです。でも、私、保護者からも結構人気があるんですよ。だから別の親が教えてくれて知ってたんです”

 “あなたはずいぶん以前から人前でアビリティを使っていたそうですね”

 “隠したことなんてないですよ。小さい頃、Aにも見せたし学校でもたまに使っていたし。でも私のって、子供にしか見えないから。親たちは自分が見ないからよくわかんなかったんでしょうね。手品かホログラムかなんかだと思われていたみたいです”

 “Aさんを殺害した件ですが……。あなたは自分がアビリティ保有者だから、一時的に警察に捕まっても、その後は研究室へ移送される知っていてと実行したんですか?”

 “えぇ、もちろん。だって刑務所になんて行きたくないですから”

 “だけどAさんには捕まりそうだから助けてほしいと言ったんですよね?逃げるつもりだったんですか?”

 “まさか。逃げられるわけないでしょう?こんな管理社会でどこに隠れようと無駄ですよ”

 “では何から助けて欲しかったんですか?”

 一瞬、未華子は意味がわからないという顔をした後、ふっと笑い、

 “最後にJの誕生日をお祝いしたかったんです。それを邪魔するやつからです”

 といたずらっぽく答えた。

 研究室の調査員は海千山千の猛者が揃っている。だが『それを邪魔するやつ』がAを指しているということに気づいた時、全身に鳥肌がたった。

 呆然とする調査員を前に未華子は饒舌に話し続けた。

 “あの子、私と全然性格が違うから、昔から気が合わなかったんですよね”

 幼いAをつねって叩いて髪をひっぱったのも未華子にとっては“気が合わない”からだったのだろうか。いや、違う、Jにも同じことをしたのだから。

 “Aも子供の頃はかわいかったんですよ。あぁ、そうじゃない、子供だったから、かわいかったのかな。私、子供大好きなんです”

 感情を乱された調査員は、未華子に予定外の問いかけをした。

 “あなたが過去に教師として赴任した小学校で、子供たちの不審死が起きていますね。これも子供が好きだからなんですか?”

 それは内部情報で答えが返ってきても意味のない事だった。アビリティ保有者として保護された以上、未華子は罪を償うこともないし、遺族が真実を知ることもないのだから。だが調査員は確かめずにはいられなかった。これが結果的に未華子の虐待の動機を引き出した。

 “どれのことかわからないけど、私が関わったことなら全部そうですよ”

 未華子は毅然とした態度と表情で答えた。

 “私は子供たちの喜びだけじゃなく、悲しみ、苦しみ、痛み、全てが成長の証だと考えています。見ていて本当に楽しくて、教師をしていて良かったと、いつも心から思っていましたから”

 レポートはこのあと未華子の虐待を『教師として子供の成長を喜ぶ気持ちが変質、サディズム化して云々』という論評を付記している。でもそれは未華子が適当に取り繕った答えに乗せられただけだ。なぜなら子供の成長とは無関係に未華子は楽しみを追求し続けている。

 最近、体調を崩した未華子はストレス解消のために楽しみを求める回数が増えていた。

 ジェラは何度もつねられ、叩かれ、体毛をむしられていた。

 ぼくがそれに気づいたのは、ジェラの体毛が中々生えそろわなかったからだ。ホストの想いをうつしたぼくらは、外部からの刺激で一時的に姿形が変化しても、すぐに元の姿に戻る。もし元の姿に中々戻らない時は、特殊な理由がある。たとえばホスト自らが刺激を与えていて、変形後の姿でいることを自然だと思っている時などだ。

 ぼくは穴ぼこだらけのジェラの背中を撫でる。未華子と離れた途端、穴の数は増えなくなった。体毛も徐々に生えそろって穴は浅くなってきている。

「リグルぅ、急に黙ってどうしたんだよぉ」

 ジェラが話さないことを無理に聞くつもりはない。でも友達として、いつか話してくれたらとも思ってしまう。

「でもさ、神さま、すげーよな、ケガとか病気とか治しちゃうんだぜぇ?もしこの世界が幻覚じゃなかったら、ばぁちゃんの寿命も延ばしてくれるかもだな」

「無理だよ」

 ついにべもなく否定する。未華子にどれだけ傷つけられても、ジェラが無邪気に未華子を慕っている様子に苛立った。

 いや、ジェラに、というよりは、ぼくたちがホストに何をされてもホストを憎めない、そのサガに苛立ったのかもしれない。

「なんでさぁ?わかんないだろ、神さまなんだぞ」

「神さまはケガも病気も治してなんかない」

「んんん?いや、だって、今日何度も見たじゃんかよぉ」

「神さまは一時的に痛みを取り除いているだけだ」

「なんでわかるんだよ?」

「病院で、神さまが通ってるのはホスピス病棟だ。それに“遅くなってごめん”と言っていた。毎日、あるいは定期的に行ってるってことだよ。根本的に治せるなら何度も行く必要なんてない。子供の足も、すり傷は残ったままだった」

「じゃぁ、ばあちゃんの寿命を延ばすのは無理ってことか?」

「無理だね」

「でもさ、痛くなくなるのはいいことだよな」

「死を待つしかない人間にとっては救いだろうね。だけどそれ以外は危険だ」

「なんでさぁ?」

「痛みはダメージのシグナルだ。痛みがないと、患部に負荷をかけて悪化させるかもしれない。必要な治療をせず感染症にかかるかもしれない。軽症が致命傷になりうるんだよ」

「ふぅん?」

「先天的に痛みを感じない無痛症の人たちは短命で成人まで生きられないことも多い。痛みは人間が生き延びるために、必要なものなんだ」

 ジェラは、わかったようなわからないような顔をしていた。

 以前、ジェラは痛覚がないと言っていた。痛みを知らなければ、痛みが死に結びつくものであり、同時に死を回避するものだという実感を持つのは難しいだろう。

 ぼくは一応、痛覚を知っている。だから痛みが必要だという理屈に納得できる。痛みは嫌なものだ。嫌なものは避けようとする。避けることは自分を守ることだ。

「神さまの“お仕事”は、緩和ケアを除けば、対症療法ですらなくむしろ有害だよ」

 ジェラが困惑の変顔をする。

「有害って、そんなの神さまじゃねーじゃん!」

「神さまが無害だとは限らない。神は人間に恩恵だけではなく罰や祟りも与える存在だし」

「そういうもんなの?」

「ぼくの知る限り大抵の宗教でもそうだよ」

「ふぇー」

 ただふつうは罰には罪がセットだ。じゃなきゃそれは神の御業ではなくただの災害だ。

 病み衰えた老人が壮絶に苦しむ姿と神さまの笑い声がフラッシュバックする。あの罰には、見合うだけの罪があったのだろうか?

 ジェラが言った。「なー、アレさぁ、今夜もでるのかな」

 例の黒い影のことだろう。

「多分、まだ大丈夫」

 ぼくは立ち上がる。

「行こう」

「へ?」

「行きたいところがあるんだ」

「でも林の外には出られないだろ?」

「多分、行ける」

「多分、多分ってなんなんだよぉ」

「予測は予測でしかない。不確実性を埋められるのは行動とその結果だけだよ。というわけで背中に乗っていい?」

「よくわかんないけど乗れよぉ」

「昨日と同じルートで走って」

 ぼくはジェラの背中にまたがる。


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