夏目漱石「三四郎」本文と解説
夏目漱石の「三四郎」の本文と解説です。九州の田舎から東京大学に入学するために上京した三四郎が、さまざまな人々と出会い成長して行きます。青春時代には、誰もが彼と同じような経験をするでしょう。恋の行方も気になるところです。
ぜひ、「三四郎」にお付きあい下さい!
ぜひ、「三四郎」にお付きあい下さい!
夏目漱石「三四郎」本文と解説1-1「うとうととして眼が覚めると女は何時の間にか、隣の爺さんと話を始めてゐる」
2024/12/14 16:34
(改)
夏目漱石「三四郎」本文と解説1-2「女の鬢(びん)がふわふわする所が三四郎の眼に這入(はい)つた」
2024/12/15 12:26
夏目漱石「三四郎」本文と解説1-3「例の女が入口から「ちいと流しませうか」と聞いた」
2024/12/18 20:08
夏目漱石「三四郎」本文と解説1-4「女は落付いた調子で、「あなたは余つ程度胸のない方ですね」と云つて、にやりと笑つた」
2024/12/21 15:28
夏目漱石「三四郎」本文と解説1-5「三四郎は二十三頁の前で一応昨夜の御浚(おさらひ)をする気である」
2024/12/23 12:21
夏目漱石「三四郎」本文と解説1-6「髭のある人は、二人の間に水蜜桃を置いて、「食べませんか」と云つた」
2024/12/23 19:18
夏目漱石「三四郎」本文と解説1-7 男は「すると是から大学へ這入るのですね」と如何にも平凡であるかの如くに聞いた
2024/12/24 18:10
夏目漱石「三四郎」本文と解説1-8 三四郎「是からは日本も段々発展するでせう」→男「亡びるね」
2024/12/26 12:17
夏目漱石「三四郎」本文と解説2-1「三四郎が東京で驚ろいたものは沢山ある」
2024/12/27 14:41
夏目漱石「三四郎」本文と解説2-2 「夜に此静かな暗い穴倉で、望遠鏡の中からあの眼玉の様なものを覗くのです」
2024/12/28 07:29
夏目漱石「三四郎」本文と解説2-3 野々宮君は三四郎に「覗いて御覧なさい」と勧めた
2024/12/28 21:20
夏目漱石「三四郎」本文と解説2-4 女は嗅いで居た白い花を三四郎の前へ落して行つた
2024/12/29 09:31
夏目漱石「三四郎」本文と解説2-5 野々宮君は手をポケットへ入れて何か探し出した。はみ出してゐる封筒の上に書いてある字は女の手蹟らしい。
2025/01/06 11:17
夏目漱石「三四郎」本文と解説2-6 野々宮は蝉の羽根の様なリボンをぶら下げて「どうですか」と聞いた
2025/01/06 18:06
夏目漱石「三四郎」本文と解説3-1 学年は九月十一日に始まつた。三四郎は正直に午前十時半頃学校へ行つて見たが、学生は一人も居ない
2025/01/07 00:50
夏目漱石「三四郎」本文と解説3-2 ポンチ画をかいていた男が「大学の講義は詰らんなあ」と云つた
2025/01/07 16:01
夏目漱石「三四郎」本文と解説3-3 「第一彼等の講義を聞いても解るぢやないか。話せるものは一人もゐやしない」
2025/01/08 00:13
夏目漱石「三四郎」本文と解説3-4 「是から先は図書館でなくつちや物足りない」
2025/01/10 19:40
夏目漱石「三四郎」本文と解説3-5 大学図書館は、広く、長く、天井が高く、左右に窓の沢山ある建物であつた
2025/01/11 09:45
夏目漱石「三四郎」本文と解説3-6 「ヘーゲルの講義は、真を体せる人の講義なり。心の講義なり。道の為めの講義なり」
2025/01/11 15:28
夏目漱石「三四郎」本文と解説3-7 野々宮の越した大久保の家は頗る遠い
2025/01/11 20:08
夏目漱石「三四郎」本文と解説3-8 「妹が病気をして、大学の病院に這入つてゐるんですが、すぐ来てくれと云ふんです。なに妹の悪戯でせう。馬鹿だから、よくこんな真似をします」
2025/01/11 23:48
夏目漱石「三四郎」本文と解説3-9 遠い所で「あゝあゝ、もう少しの間だ」と云ふ声がした
2025/01/12 11:13
夏目漱石「三四郎」本文と解説3-10 「轢死ぢやないですか」。三四郎は何か答へやうとしたが一寸声が出なかつた。
2025/01/12 19:13
夏目漱石「三四郎」本文と解説3-11 妹に届けて貰ひたいと袷(あわせ)を一枚病院迄頼まれた三四郎は、大いに嬉しかつた。
2025/01/13 10:03
夏目漱石「三四郎」本文と解説3-12 馴々しいのとは違ふ。初めから古い知り合ひなのだ。
2025/01/13 13:12
夏目漱石「三四郎」本文と解説3-13 長い廊下のはづれが四角に切れて、表の緑が映る上がり口に、池の女が立つてゐる。
2025/01/13 17:17
(改)
夏目漱石「三四郎」本文と解説3-14 女は角を曲らうとする途端に振り返り、にこりと笑つて、此角ですかと云ふ相図をした。
2025/01/14 18:13
(改)
夏目漱石「三四郎」本文と解説4-1 三四郎の魂がふわつき出した。
2025/01/16 03:20
夏目漱石「三四郎」本文と解説4-2 与次郎「君、此辺に貸家はないか。広くて、奇麗な、書生部屋のある」
2025/01/16 15:12
夏目漱石「三四郎」本文と解説4-3 広田「東京はどうです。広いばかりで汚ない所でせう」
2025/01/16 17:29
夏目漱石「三四郎」本文と解説4-4 広田「古い九段の燈明台と階行社と云ふ新式の錬瓦作りを二つ並べて見ると実に馬鹿気てゐる。けれども誰も気が付かない、平気でゐる。是が日本の社会を代表してゐる」
2025/01/16 19:22
夏目漱石「三四郎」本文と解説4-5 与次郎「先月中に越すはづの所をあさつての天長節迄待たしたんだから、どうしたつて明日中に探さなければならない。どこか心当りはないか」
2025/01/16 21:29
夏目漱石「三四郎」本文と解説4-6 与次郎「広田先生の名は萇(ちよう)。くさかんむりが余計だ。妙な名を付けたものだね。昔から今日に至る迄高等学校の先生。もう十二三年になるだらう」
2025/01/17 04:24
夏目漱石「三四郎」本文と解説4-8 三四郎には三つの世界が出来た。
2025/01/17 18:06
夏目漱石「三四郎」本文と解説4-9 庭木戸がすうとあいた。さうして思も寄らぬ池の女が庭の中にあらはれた。
2025/01/18 09:20
夏目漱石「三四郎」本文と解説4-10 美禰子は会釈しながら、三四郎を見詰めてゐる。艶なるあるものを訴へてゐる。見られるものの方が是非媚びたくなる程に残酷な眼付きである。
2025/01/18 16:35
夏目漱石「三四郎」本文と解説4-11 名刺には里見美禰子とあつた。袖の裏から右の手を出して、ぶらつくたもとを肩の上へかつぐと、奇麗な手が二の腕迄出た。袂の端からは美くしい襦袢の袖が見える。
2025/01/18 22:21
夏目漱石「三四郎」本文と解説4-12 美禰子は「雪ぢや詰らないわね」と否定を許さぬ様な調子であつた。「雲は雲でなくつちやいけないわ。かうして遠くから眺めてゐる甲斐がないぢやありませんか」
2025/01/21 16:39
夏目漱石「三四郎」本文と解説4-13 「早いな」と与次郎が先づ声を掛けた。「遅いな」と三四郎が応へた。
2025/01/22 04:39
夏目漱石「三四郎」本文と解説4-14 「人魚(マーメイド)」「人魚(マーメイド)」 頭を擦(す)り付けた二人は同じ事をさゝやいだ。
2025/01/22 20:20
夏目漱石「三四郎」本文と解説4-17 野々宮「あなたの所へ置いて呉れませんか」 美禰子「いつでも置いて上げますわ」 与次郎「宗八さんの方をですか、よし子さんの方をですか」 美禰子「どちらでも」
2025/01/30 08:05
夏目漱石「三四郎」本文と解説5-3 「明日午後一時頃から菊人形を見に参りますから、広田先生のうち迄いらつしやい」(美禰子より)
2025/02/04 02:36
夏目漱石「三四郎」本文と解説5-4 野々宮「そんな事をすれば、地面の上へ落ちて死ぬばかりだ」 美禰子「死んでも、其の方がいいと思ひます」
2025/02/04 20:37
(改)
夏目漱石「三四郎」本文と解説5-6 美禰子は首を延ばして、野々宮のゐる方を見た。野々宮は何か熱心に説明してゐる。美禰子は見物に押されて、さつさと出口の方へ行く。三四郎は美禰子のあとを追つて行つた。
2025/02/06 03:09
夏目漱石「三四郎」本文と解説5-7 三四郎は女の耳へ口を寄せた。「どうかしましたか」 美禰子「こゝはどこでせう。私心持ちが悪くつて……」
2025/02/08 21:33
夏目漱石「三四郎」本文と解説5-9 美禰子「迷子の英訳を教へて上げませうか? 迷へる子(ストレイ、シープ)―解つて?」
2025/02/12 22:09
夏目漱石「三四郎」本文と解説5-10 美禰子「私そんなに生意気に見えますか」
2025/02/13 09:10
夏目漱石「三四郎」本文と解説6-5 三四郎「里見さんを解釈して見ると、周囲に調和して行けるから、落ち付いてゐられるので、何所かに不足があるから、底(そこ)の方が乱暴だと云ふことぢやないか」
2025/02/15 16:07
夏目漱石「三四郎」本文と解説6-6 佐々木「君、女に惚れた事があるか? 女は恐ろしいものだよ」 三四郎「恐ろしいものだ、僕も知つてゐる」 佐々木「知りもしない癖にw」 三四郎「(憮然)」
2025/02/16 02:26
夏目漱石「三四郎」本文と解説6-7 与次郎「ダーター、フアブラ我々新時代の青年は……」 三四郎の筋向に坐つてゐた色の白い品の好い学生「イル アル デイアブル オー コル(悪魔が乗り移つてゐる)w」
2025/02/16 12:53
夏目漱石「三四郎」本文と解説6-8 男1「ダーターフアブラの為に祝盃を挙げやう」 男2「もう一つ。今度は偉大なる暗闇の為に」
2025/02/16 13:00
夏目漱石「三四郎」本文と解説6-11 よし子「絶壁ね。サツフオーでも飛び込みさうな所ぢやありませんか」 美禰子「あなたも飛び込んで御覧なさい」 よし子「私? 飛び込みませうか。でも余り水が汚ないわね」
2025/02/20 03:31
夏目漱石「三四郎」本文と解説6-12 三四郎「よし子さんは兄さんと一所に帰らないんですか」 美禰子「一所に帰らうつたつて帰れないわ。よし子さんは、昨日から私の家にゐるんですもの」 三四郎「(!!)」
2025/02/21 01:35
夏目漱石「三四郎」本文と解説7-1 広田「佐々木は用事が出来る男ぢやない。用事を拵(こしらへ)る男でね。あゝ云ふ馬鹿は少ない」
2025/03/01 04:05
夏目漱石「三四郎」本文と解説7-3 広田「昔の偽善家に対して、今は露悪家ばかりの状態にある。里見といふ女も一種の露悪家で、野々宮の妹はまたあれなりに露悪家だから面白い」
2025/03/01 17:22
夏目漱石「三四郎」本文と解説7-4 広田「此二十世紀になつてから妙なのが流行(はや)る。利他本位の内容を利己本位で充(み)たすと云ふ六づかしい遣口(やりくち)なんだが」
2025/03/05 00:31
夏目漱石「三四郎」本文と解説7-6 母は本当に親切なものであると、つくづく感心した。其晩一時頃迄かゝつて長い返事を母にやつた。其なかには東京はあまり面白い所ではないと云ふ一句があつた。
2025/03/07 03:15
夏目漱石「三四郎」本文と解説8-1 三四郎は昨日母から来たばかりの手紙の中をのぞいて「金はこゝにある」と云つた。与次郎は「ありがたい。親愛なる小川君」と急に元気のいい声で落語家の様な事を云つた。
2025/03/08 07:09
夏目漱石「三四郎」本文と解説8-3 佐々木「文芸家の会は多分上野の西洋軒になるだらう。なに会費なんか、心配しなくつてもいい。無ければ僕が出して置くから」 三四郎はたちまちさきの弐拾円の件を思ひ出した。
2025/03/10 00:41
夏目漱石「三四郎」本文と解説8-5 三四郎が半ば感覚を失つた眼を鏡の中に移すと、鏡の中に美禰子がいつの間にか立つてゐる。美禰子はにこりと笑つた。「とうとういらしつた」
2025/03/11 02:34
夏目漱石「三四郎」本文と解説8-7 三四郎「あなたの肖像を描くとか云つてゐました。本当ですか」。美禰子「えゝ、高等モデルなの」。男は是より以上に気の利いた事が云へないたちで黙つて仕舞つた。
2025/03/12 17:37
夏目漱石「三四郎」本文と解説8-8 三四郎はもう一遍エ゛ニスの堀割を眺め出した。女は、振り返つた。三四郎は自分の方を見てゐない。女は先へ行く足をぴたりととめ、三四郎の横顔を熟視してゐた。
2025/03/13 15:20
夏目漱石「三四郎」本文と解説8-9 美禰子は野々宮を見るや否や、二三歩後戻りをして三四郎のそばへ来た。人に目立たぬ位に、自分の口を三四郎の耳へ近寄せ、何かさゝやいた。
2025/03/16 08:17
夏目漱石「三四郎」本文と解説8-10 美禰子「悪くつて? だつて私、何故だか、あゝしたかつたんですもの。野々宮さんに失礼する積りぢやないんですけれども(あなたの為にした事ぢやありませんか)」
2025/03/21 22:10
夏目漱石「三四郎」本文と解説9-1 与次郎が勧めるので、三四郎はとう/\西洋軒の会へ出た。
2025/04/10 05:11
夏目漱石「三四郎」本文と解説9-2 広田「どうも物理学者は自然派ぢや駄目の様だね」
2025/04/10 07:26
夏目漱石「三四郎」本文と解説9-3 広田「怒らせやうと思つて装置をすると、笑つたり、笑はせやうと目論で掛かると、怒つたり。丸で反対だ。然しどつちにしても人間に違ない」
2025/04/10 12:22
夏目漱石「三四郎」本文と解説9-4 佐々木「己が金を返さなければこそ、君が美禰子さんから金を借りる事が出来た。――君、あの女を愛してゐるんだらう。いつ迄も借りて置いてやれ」
2025/04/13 04:17
夏目漱石「三四郎」本文と解説9-7 野々宮「よし子に縁談の口がある。国へさう云つてやつたら、両親も異存はないと返事をして来た」
2025/04/16 02:13
夏目漱石「三四郎」本文と解説9-8 よし子「だつて仕方がないぢや、ありませんか。知りもしない人の所へ、行くか行かないかつて、聞いたつて。好きでも嫌ひでもないんだから、何にも云ひ様はありやしないわ」
2025/04/17 05:14
夏目漱石「三四郎」本文と解説9-9 佐々木「(美禰子は原口の所に)毎日々々画に描(か)かれに行く。もう余っ程出来たらう」
2025/04/18 12:12
夏目漱石「三四郎」本文と解説10-1 広田先生が病気だと云ふから、三四郎が見舞に来た。
2025/04/19 22:11
夏目漱石「三四郎」本文と解説10-2 三四郎はひとの文章と葬式をよそから見た。もし誰かが、美禰子を余所から見ろと注意したら驚ろいたに違ひない。三四郎は美禰子を余所から見る事が出来なくなっている。
2025/04/20 04:32
夏目漱石「三四郎」本文と解説10-3 美禰子の白い歯
2025/04/21 21:07
夏目漱石「三四郎」本文と解説10-4 原口「女が偉くなると、独身ものが沢山出来て来る。だから社会の原則は、独身ものが出来得ない程度内に於て、女が偉くならなくつちや駄目だね」
2025/04/22 05:17
夏目漱石「三四郎」本文と解説10-6 原口「画工(ゑかき)はね、心を描くんぢやない。心が外へ見世(みせ)を出してゐる所を描くんだ」
2025/04/23 12:33
夏目漱石「三四郎」本文と解説10-7 恋に慣れた女と恋に慣れない男の物語
2025/04/24 21:09