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01:ラドナの春の感謝祭(1)

 

 ラドナ地方は、大陸北部の強国であるエルリオン王国東部に位置する、面積だけは広大な土地だ。土地の広さの割りに、住んでいる人の数はそれほど多くない。

 周囲をぐるりと山に囲まれた自然に恵まれた土地で、一年中温暖な気候をしており、四季の移り変わりも緩やかだ。主な産業は土地を活かした農耕・牧畜、そして果樹の栽培だ。ラドナで採れた自然の恵みと人々の努力の結晶は、加工され、あるいはそのままで、王都近辺にまで出荷されている。

 

 このラドナ地方を治めているのは、王国最古参の貴族のひとつ、アデルイード公爵家だ。

 約800年の歴史をもつこの公爵家は、国内どころか大陸全土においてもかなり特殊な位置にある貴族で、どういうわけだかこのラドナ地方に引きこもって、滅多に王宮に赴かない。

 ほとんどの貴族が参加する晩餐会や舞踏会、はては各貴族の家の当主と国王らが話し合う議会の場にすら、滅多に姿を現さないのだ。それでも全く罰されたりせず、没落していないあたりに、アデルイード公爵家の特殊性がよく分かる。

 そして、現アデルイード公爵は、代々のアデルイード公爵がそうであったように、若干変わり者だ。

 ゆえに、代々変わり者の貴族に治められてきたラドナ地方の人々もまた、変わり者が多い。


 いい土地なのだ。

 王都から離れた田舎ではあるが、800年間、アデルイード公爵が非常によく統治してきたため、ラドナ地方はただの農耕・牧畜・果樹栽培しか取り柄のない土地でありながら、実質的な税収は貿易の盛んな王都近辺の地方とさほど変わらない、かなり裕福な土地だ。 

 そして、ラドナに住まう人々もまた、穏やかで仕事熱心な、まったりとした性格の人が多い。王都のような刺激はないが、のんびりとした老後を過ごすには最適な土地なのだ。

 そう、穏やかに、まったりと過ごせるはずだ。


 「変わり者」な住人たちに慣れることができれば。


 そこまで考えて、リアシア・ティンベルは頭を振り、愚かな考えを頭の中から追い出した。

 

 無理だろう、これ。すぐには慣れないって。

 

 そう思いながら、目の前の光景を見つめる。

 彼女の灰色の瞳が見つめる先には、


「マァチィルゥダァァァァアアアアア!! 好きだぁああああ!!」

「マリアァァァアアア!!! 愛してるぅううう!!」

「セーラァアア――!! 大好きぃ―――――!!!」


 ラドナ地方の中心部にある、領主の館が建っているシュレ区。

 その広場にある、美しい花々で飾られた、ラドナのお祭りの際に特設される大きな舞台。その上に立つ、手に春に咲く花々を豪華に束ねた花束を持ち、頬を上気させ瞳を煌かせながら、大声で力の限り愛を叫ぶ老若男女、その数40人あまり。

 彼らが恥ずかしげもなく愛を叫んでいる相手は、舞台の正面方向にある、大きな噴水。その前に設けられた大きな囲いの中にいる存在――鶏である。

 

 鶏。鶏なのだ。本当に。普通にどこにでもいる、鶏1羽。

 

 しかし、ただの鶏ではない。御年2才になる、メスの鶏。

 彼女はただの鶏でありながら、先頃ラドナの家畜小屋を荒らしまわっていた大型の野犬二頭を退治した、勇猛果敢な鶏なのだ。

 

 だからどうした、とリアシアは思う。

 その鶏が鶏であることに、何ら変わりはない。


 その勇猛果敢な鶏は、元々はラドナ南西部にあるルタ区の村に住んでいた、ジュミニという老人が飼っていた。

 しかし、春の1の月に入ってすぐ、ジュミニ老が亡くなってしまったため、世話をする人がいなくなってしまった。

 ジュミニ老には家族がおらず、近所付き合いもそう盛んではなかった。そういう人の遺産の処理は通常、故人の家がある区の役所が行う。ジュミニ老が飼っていた2頭の驢馬と数羽の鶏はルタ区の住人の中から希望者を募って、彼らに引き取ってもらうことになった。

 そこで最後まで引き取り手が出なかったのが、この鶏だった。

 何故かというと、とても凶暴だったため。

 引き取り希望者の人々の手を突付き、蹴りつけ、威嚇して暴れまわる。希望者たちはそれはもう、悲惨なことになったそうだ。

 とてもじゃないが手に負えない、ということで、この鶏は領主であるアデルイード公爵が貰い受けることになった。公爵は話を聞いて、快く引き取りに来た。


 なんでそこで領主様が出てくるのかな、とリアシアは思う。

 公爵に暴れ鶏を引き取らせる役所の人間、というものが存在していいのか。

 引き取りに来る公爵も公爵だが、役所の人間、それでいいのか。身分は気にしないのか。

 そもそもアデルイード公爵は一応、国内で12家しかない公爵家、それも王国最古参の大貴族の当主だ。そんな方が何故わざわざ鶏1羽を自分で取りに来るのだ。そういうのは本来、召使いの役目ではないのか。


 鶏は、さすがにアデルイード公爵に対しては大人しかった。

 それはそうだろう、何せ相手はアデルイード公爵だ。危機察知の本能が人間よりもきちんと残っている鶏が、彼相手に暴れるはずがない。

 アデルイード公爵は、暫くはその鶏を領主の館にある庭先の小屋で飼育していた。そうして幾日か過ぎた頃、公爵の元に野犬による家畜の被害の報告が入った。ルタ区の村の家が数件、夜中に被害に遭い、鶏を全部で35羽ほど食い殺されてしまったのだ。

 近年、春先に野犬の被害が出たことはなかった。冬の時期に蓄えのない野犬や狼などが村に出現するため、その時点で害獣に対する『狩り』が行われるからだ。今回の事件は恐らく他の土地から移ってきた野犬がルタ区にある山にねぐらを作り、そこから出てきて家畜を襲ったのだろう、という結論に達した。

 大事な家畜を殺された人々の怒りは凄まじかった。

 ルタ区の被害に遭った村の人々や、その他の村の有志が集まり、公爵とルタ区区役所所長の指揮監督の元、山狩りが行われることになった。

 その、山狩り決行日の前日の深夜。庭先に出て月を眺めていたアデルイード公爵は、急遽作られた鶏小屋にいた鶏が、器用にも嘴で小屋の扉を開ける現場を目撃した。

 何をするのかな、と好奇心にかられた公爵は、わざわざ鶏の方へと近寄っていった。鶏は公爵の存在に気がつき、彼を見た。そして、何かを訴えるように、バサバサと羽を暴れだした。

 公爵は少しの間考え込んで、それから鶏を抱き上げると、転移術式を使って――公爵は魔術師なのだ――鶏を、元の飼い主であるルタ区のジュミニ老の家に連れて行った。公爵は、鶏が郷愁の念に駆られたのかな、と思ったそうだ。


 鶏に郷愁の念があるのだろうか、とリアシアは思う。

 あと、鶏小屋に鍵くらいつけろよ、とも。扉を嘴であける鶏も鶏だが。

 

 公爵は、現在は空き家になっている状態の小さな家を、暫し眺めた。と、そこで突然、彼が腕に抱いていた鶏が暴れ出した。

 なんだか地面に降ろせと要求しているようだな、と感じた公爵は、そっと鶏を地面に降ろしてやった。鶏は、一目散にジュミニ老宅の裏へ走っていった。公爵は驚きつつもその後を追った。

 ジュミニ老宅は領地境の山に近く、鶏は山の方に向かって行った。そして、公爵は、ちょうど山から黒い塊が数体下りてくるのを見た。塊は、通常の犬よりもふた回りは大きな犬だった。それが、全部で7体。恐らく、この犬たちが問題の野犬だろう、と公爵はピンときた。

 野犬の被害が出てからというもの、ルタ区の家畜を飼っている家には公爵が簡単な結界を張っているので、そのまま野犬を見過ごしても別に問題はない。しかし、あろうことか、鶏はその野犬たちに猛然と襲いかかったのだ。

 同胞たちを殺された鶏の攻撃は凄まじかった。というか、他の鶏たちが野犬に襲われたことなどは、彼女は知らない筈だ。しかし、鶏の攻撃は止まない。走り、蹴り、激しい突きを行い、野犬を翻弄する。

 アデルイード公爵は、鶏の勇猛果敢な姿にいたく感銘を受けた。そして、鶏に加勢した。公爵が魔術を発動させて、あっという間に5体の野犬を動けない状態にしたとき、既に鶏は2体の野犬の目を突き、蹴り倒して、戦闘不能にしていた。


 むしろ人を呼べ、とリアシアは思う。

 春の穏やかな月夜の晩に、獰猛な野犬と戦う鶏と領主様。奇妙すぎる光景だ。


 騒動を聞きつけてやって来たルタ区の住人たちの手により、野犬は捕縛された。家畜に対して危害を加えた動物や人は、ラドナの決まりでは領主によって裁かれる。そのため、7体の野犬は領主の館に一時収監されることになった。

 そして、2体の野犬を戦闘不能にした勇敢なる鶏。彼女の勇姿に感動した公爵は、この鶏に名前をつけよう、と考えた。しかし、公爵にはあいにくいい名前が思い浮かばない。そこで、執事と相談して、領民から名前を募ろうと考えた。


 別になんでもいいじゃないか、とリアシアは思う。

 所詮、鶏の名前だ。いっそ『野犬殺し』とかでいいんじゃないか。強そうで。


 ラドナに存在する5つの区の区役所全ての掲示板にて公示された、勇猛な鶏の名前の公募に対する応募者の数は、公爵の予想以上に多かった。

 そこで、公爵と公爵家に勤める有能な執事、そして区役所の役人らが厳正に審査した結果、残った約40個の名前を、今日、この日、鶏自信に決めてもらう企画を立ち上げたのだ。

 

 今日、このシュレ区の広場には、ラドナに住まう多くの人々が集まっている。

 今日は春の2の月、15日。ラドナで春の感謝祭が行われる日だ。

 本来ならば、花の女神ジェニーレイに暖かな春の訪れの感謝を捧げる、お祝いの日なのだが。


「……なんで、鶏1羽の名前を決める大会がこんなに白熱してんだ?」


 広場の喧騒から少し離れた場所。

 リアシアの隣で、明るい茶色の髪に赤みがかった青い瞳をした男性が首を傾げつつ、不思議そうに呟いた。

 この男性の名前をアル・ラッドといい、彼はラドナの住人ではないものの、しばしばラドナを訪れている絵描きだ。

 年のころは20代後半、人懐っこい笑顔が目を惹く明るい性格の人物で、リアシアとも親しい。去年ラドナに引っ越してきたばかりのリアシアの、1番最初の友人となったのが彼だ。

 そのアルも、今日のこの広場の異常な熱気には少々引き気味である。

 現在、広場には人がごった返している。ラドナの住人たちは何故か、野犬を倒した鶏に感動して、その名前をつける栄誉を得たいらしく、我こそは! と鶏に愛を叫んでいる。舞台の上にいない人々も、何故か鶏に各々が考えた名前と愛を叫んでいる状態。


「さぁ……。毎年、1番盛り上がるのって、確か『花の女神』を決める大会でしたよね?」

 

 ラドナの春の感謝祭では毎年、『花の女神』と呼ばれる、最も踊りの上手い女性を決める大会が行われる。参加条件は既婚・未婚、年齢を問わず、女性であること。

 『花の女神』は大会に参加していない住人の投票によって選ばれ、見事『花の女神』になった女性には、感謝祭の最後の踊りの時間に、1番最初に踊る相手を選ぶことのできる権利が与えられる。

 ちなみに、ほとんどの場合、『花の女神』は領主様を最初の踊りの相手に指名する。

 いくら領民と仲がよくても、公爵は公爵。馴れ合いはできない。ただの平民にすぎない領民の女性が自分から公爵に親しく接することは、常識的に考えて認められないのだ。

 そのため、ラドナの決まりで「『花の女神』が選ぶ最初の踊りの相手には領主も含まれる」とされているこの日だけが、領民の女性が自分から公爵を踊りの相手に指名することができる日なのだ。

 アデルイード公爵家は、代々絶世の美貌の持ち主を輩出する血族としても有名だ。

 国内屈指の美貌をもつ美しい公爵は、まるで姫君を相手にするかのような優雅さでもって、見事に『花の女神』をエスコートする。それを見て、『花の女神』に選ばれなかった女性たちは、来年こそはと踊りの稽古に精を出すのだ。

 

 しかし、今年はその『花の女神』を決める大会の時間を割いて、何故か鶏の名前を決定する大会が開催され、おまけに『花の女神』の大会よりも遥かに盛り上がっている。歓声も拍手も熱気も何もかも、段違いだ。

 リアシアは去年、ラドナの『花の女神』を決める大会を見て、王都で開催される春の感謝祭とさほど変わらぬその熱気に圧倒されたというのに、今年は鶏の名前を決める、それだけの大会が何故かそれ以上の盛り上がり。

 たかが鶏の名前を決めるのに、何故ここまで盛り上がれるのか。副賞も何もないというのに。リアシアには、ラドナの住人たちの心理がまるで理解できない。


「というか、この状態でどうやって決定するんだ? 鶏の名前。『鶏自身に選んでもらう』って、どういう方法で?」

「さぁ……。でもこの大会、領主様が考えられたんですよね?」

「……多分、脱力するような方法なんだろうな……」


 ラドナの住人ではないが、昔からラドナをよく訪れているアルは、公爵とも顔見知りだ。

 ラドナに引きこもっている公爵に対して、他の土地の様子や噂話を話したりしているらしい。

 そのため、アルはリアシアよりも公爵の人となりをよく知っている。その彼はどこか遠い目をして、「あの領主様が企画してんだからなぁ……」とぼやいている。


 『勇敢なる鶏の功績を称えて、彼女に相応しい名前をつけよう』大会が始まってから、既に2時間近く。広場の熱気は最高潮に達していた。


「さぁ!! それではそろそろ、勇敢なる鶏様に、気に入った名前を選んでいただきましょう!!」

 

 舞台の上の司会者(シュレ区区役所所長・声の大きさはラドナ1番)の言葉に、水を打ったように広場が静まり返る。

 リアシアはなんで鶏に様付けするんだろう、と思いながら、事態を見守った。

 春の感謝祭の実行委員たち(各区の区役所職員たち)が、鶏のいる囲いを取り外す。かなり煩い喧騒の中に2時間近くもいながら、不思議と落ち着いた雰囲気の鶏は、バサバサと羽を何度か動かした。

 そして――鶏は舞台の上に向かって、一目散に走り出した。人々の間をすり抜け、舞台へあがるための階段を駆け上がり、1人の人物の頭めがけて跳躍し、猛烈な突き攻撃を開始する。


「皆さん、決定いたしました!! 鶏様が選んだのは、メノン区ジュタ村在住、ハワードさんです!! 鶏様の名前は、『マリアンヌ』に決定いたしましたぁぁあああ――――!!!」


 司会の大音声と共に、広場中に大歓声と拍手の嵐に沸き起こる。猛然と嘴による攻撃を続けている鶏を抱きかかえて、ハワード氏はそれでも笑顔だ。額からだらだら流血しているのに、笑顔。何かを全力でやり遂げた者の、会心の笑み。

 「何か」――単に鶏の名前を決めただけだが。

  

「……鶏の名前が『マリアンヌ』……」

 えらく優雅な名前だ。どこの貴族の令嬢だ。

 リアシアは首を傾げた。少なくとも、鶏につける名前としては、この上なく似合わないように感じる。『野犬殺し』の方がまだましではないか?

 この瞬間にその鶏は、『野犬殺し』の『マリアンヌ』として、リアシアに認識された。


「なぁ、リアシア。あれさー、俺にはあの鶏が1番気に入らなかった名前を言った人間を攻撃してるように見えるんだけど」

「私にもそう見えますよ……」

「あの鶏ってさ、賢いんだよな、多分。で、その鶏の名前を決めるためにわざわざこんな大会を企画して実行してるここの領主と住人って、賢いのか?馬鹿なのか?」

「答えにくい質問しないでくださいよ……」

「いや、ここの住人がいい人ばっかなのは俺もよく分かってんだけど。

 ラドナ生まれでラドナ育ちじゃねーせいか、こういうとき、どうも雰囲気についていけないんだよなー。なんでこんなに盛り上がってんだろ。さっきリアシアも言ってたけどさ、『花の女神』を決める大会の方が、普通盛り上がるもんじゃないのか? それなのに普段領主様にきゃーきゃー言ってる年頃の娘さんたちですら、鶏の名前決めるのに異様に盛り上がってるのって、どうなの? それでいいのか?」

「知りませんよ、そんなの。私、ここに引っ越してきてまだ1年しか経ってないんですよ」

「……慣れそう? この、たまーにある変な祭りの空気とかに」

「……あと5年くらい待ってください」


 元々はラドナよりも更に田舎の領地の小さな村で生まれ育ち、その後は王都で6年間暮らしたリアシアには、ラドナの住人たちの感性が未だに理解できないことが多々ある。皆、親切で仕事熱心な、非常にいい人ばかりなのだけれど。

 これは慣れだ、慣れるしかないのだ――そう自身に言い聞かせつつも、まだ当分は無理だな、と思うリアシアは、しかし既にラドナに骨を埋めることが決定している。

 

 リアシア・ティンベル。

 今年の夏に20歳になる、薄茶の髪と灰色の瞳を持つ彼女は、死ぬまでこのラドナに縛られ続ける運命にある、ラドナの【塔】の主なのだ。 

 

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