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淀みにうち捨てられるページ  作者: 春雨ソラト
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恋人は裂かれて

もうそんなの聞かないですよ。お腹いっぱいです。

というわけでいつものように通り過ぎようとするのですが・・・その女性は僕の目の前に来て止まりました。



何ですか?というか失礼にも程があるのでやめていただきたい。

僕はあなたの道に立ち塞がれるようなことはしていないはずなのですが?


そうですっ 今から家に帰る所だったんですぅ~!!


邪魔しないで下さいっ!! それに、よく見たらあの時助けた女の子じゃないですかッ!!!忘れ物があったって何のこと? そんなこと言われてもぉ・・・ごめんなさぁいっ 私知らないですぅ~


(泣きまね)

(えぇーあのとき僕が助けたのは、たまたまであって別にあなたを助けたかったわけではないのだけど。まあ、いいか。じゃあ帰りましょうか)



あっちょっと待ったっ!!!君の名前を聞いてなかったよね!?


教えてくれない??それならまだ引き止めようもあるんだけどさ!ね?いいでしょっ☆名前は?早く教わんないと帰っちゃうよ~ほれほーれ。



はあっ分かりましたぁ、教えるから離れて欲しいのですけど。


(よし、言ったな。言っとかないと離してくれないもんなこの子。これからは少し気をつけよう。さて、教えていただこうかな。この子の名はなんだろう?)



はい……わたくしの名前はセレスティーナと言いますけど。


それが何か……? やっぱりそうなのねっ☆!


嬉しいなっ♪やっと名前を聞くことができたなんてっ笑 よろしくね、セラちゃん!私のこと覚えてるかしら?私が命を救った少女Aなのだけれど。いやーあの頃はまだ幼くて分からなかったでしょうけど、大人になったものだし一目見てすぐ分かるはずよね


っ!…………ごめんなさい。あなたには会ったことすらなくって、全く思い当たらないです。そんなことを言われても困ります。申し訳ありません。今日はその件でここに来たのですか?


そういえば最近この街では誘拐事件が多発しているみたいじゃないっ!私たちが出会ったようなことがまた起こるかもしれないから注意して欲しいって言いたかったのだけれども〜。


もし私が悪い人に捕まってたら大変だしね!だからお願いよ!!あともう少しだけ話し相手にでもなってくれないかしら? はい?いえ、それはいいですけど。どうせ買い物に行く途中ですし、少しくらいお付き合いしますよ。


ただでさえ人通りの多い道で立ち止まってちゃ通行の邪魔になってしまうので、とりあえず歩きながらにしましょうか?……えぇ、大丈夫よ。ふむふむ、それで先ほどの続きなのだけれどね。


あの時貴方がまだ赤ちゃんだったから私の命で助けたわけじゃなくて、これは本当に偶然の事故だったみたいなの。


当時私はちょうど旅行をしていたのだけれど目的地の街まで遠出した帰りで結構危険な状態に陥っていたらしくって。


馬車が崖から滑落したときに下敷きになって死んでもいいように身を固めていたんだけどなぜかそのまま気がつけば地面に埋まっていて意識ははっきりしているものの起き上がれなくなっていたのよ。


しかも不思議なことに体中痛めつけられているということもなくてまるで眠りにつく直前のような快調な目覚め?そしてその日から私の体はずっと地面の中にいるかのように自由に動けるようになったの

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