司祭の静止
そして俺は目の前にいきなり現れた奴を殴った。なんかいろいろ言ってたみたいだけど知ったこっちゃないので一発くらって倒れたところを見下していた。そいつを見ると体の半分が半透明になっていた。これ多分死にかけだな。
ちょっと気になるから魂を調べてみると半分しか残っていなかった。これは完全に死にそうだ。それにしてもなんであんな状態で動けたんだろうと思って調べてみたところすぐに理由が見つかった。それの名前はゴーストだった。
どうりで動くはずよね。でもおかしいことがあるわね。私と同じ状態なのになぜここにいるのかしら。まあ後で本人に聞けばいっか。
それよりも今はあの子をなんとかしましょう。私はまずさっきのことで混乱している少年の元へ向かいました。
すると私が近づいてくるのに気づいたのか体を震わせながらこちらを見てきました。私はこの子の目線に合わせるようにしゃがみ込んで話しかけようとしました。
しかしなぜか涙が出たせいでうまく喋ることができませんでした。だから手を使ってジェスチャーをすることに決めました。
それを初めて見た子はかなり驚いていましたが私のジェスチャーが通じているみたいで何が起こったかを説明してくれました。それはとても不思議なことだったけれどその子が嘘を言っているとは到底思えなかったのですこし信じられない気持ちではありましたが何が起きたかをある程度理解することができました。
おそらくこの子が持っているスキルが関係しているんでしょう。その子が教えてくれた内容はとても驚きのものでしたがそのどれもこれもがこの世界ではとても価値が高いものだったため私はその子を保護することに決めました。
私はその子をおんぶしてこの建物を出て安全な場所へ行くために歩き始めました。この子は結構軽いんだなって思っている内に私の背中で眠り始めてるし。私はこの子にこの世界の常識を教えてあげないとなと思っているうちに意識が遠のいて行きました。
目が覚めると知らない所で寝ていました。周りを見渡すも知らない人達がいるだけでどこなのか全くわかりません。私のことを抱きしめてすやすや眠っている少女も起こし状況を確認しようとすると近くにいた人が慌てふためかしている様子が見て取れたので聞いてみることにします。
「どうかしたんですか?」
はぁはぁ、と息を切らしながら呼吸を整えようとしている男性。
多分この人の年齢は40代後半でしょうか? この人も随分疲れているようです。
「あ、あなた達一体ここで何を・・」
あなた達? ということは僕達に話しかけてるということで合っていますよね? ここはダンジョン。
つまり危険度SSSの大迷宮ですから。
この国の人たちなら知らない人はいないかと思いますけど? どうせまた「冒険者か?!頼む、見逃してくれ!!」だとかいうセリフでも吐くつもりでしょう