皇帝の道
その時ふとある考えが過ったがこんな場所で考えてても仕方ないしひとまずこの奥の部屋に行くことにした。
中に入ると色々な鉱石があり壁には地図が描かれているようだった。それを見た後改めて部屋の真ん中にある机の上に目がいった。その机は大理石の柱をくりぬいたようで、その上あるのはやはり何かの資料らしく古びたものが大量に乱雑に置かれていた。
さぁどんな謎かけが俺を待っているのかと思って目を通すとその資料は全て日記の様で色々書かれている。それも日付を見ると三千年ほど前の文字に見えることからおそらくこれが古代文明の文字なのだろうと察しがついた。一番上に一つだけ書かれていたタイトルは『月光』というものらしい……
―――第零章より抜粋 俺は今なぜかここに幽閉されている身だ。
あれからずっと俺はここに閉じ込められてきた。もうどれだけ経ったかなんて数えて無いし分かりゃしないがただ時間だけはしっかり過ぎていったことはわかる。
どうしてこんなことになったかと言うとそれは遡ること数ヶ月前になる……
「なあお前ってなんで外に出ねえの?」
(いきなり失礼な奴だ。人の事を勝手に決めつけるとは)
と言っても今のこいつに何を言っても無駄かと思い質問を無視して窓の外に目をやる。
外と言ってもこの城の中に居ると空と街が見える程度なんだがな。この城には庭は無いが地下に続く扉があるのだ。そこを通ると空の見える所に出ることできる。そう言えば今日はまだ行って無かったか。暇だし久々に行くとするかな。
「おい無視すんなって聞いてんだろ!」
(うるさいなあ。急に大声出すんじゃないよ)何でこんなバカみたいな話し方なのかは知らんし理解不能だがどうせ中身は子供だからしょうがないだろ。
「まあいい!返事くらいしたらどうだ」また大声を出し始める。ほんっといちいち面倒だよ。こういうガキはこれだから嫌いなんだよ。
さっさと済ませれば良かった。もういい加減嫌になって来たし終わらせちまえ。