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第6夜 幕間2

やれやれ、厄介な事になった。

敵の幹部を始末してしまったのはまだいい。

問題はアルビダに逃げられたことだ…


ちらりとポエリを見ると、未だ落ち込んだままだ。

余程アルビダを逃がした事がショックなのだろう。


「いつまでも気にするな。先程も言ったがお前のせいではない」

「で、ですが…」


あの状況下でアルビダが呪いを解いて逃げるなど、誰が想定出来ようか。


呪いを解くにはプリーストとしての能力が必要になる。

つまり、アルビダはプリーストとしての能力を習得していたという事だ、それもかなり高位の…

よもや海族がプリーストの能力を習得しているとはな…全く笑えない話だ。

海賊など、己の欲望を満たす事しか考えない人間が成り果てるもので、信仰からは最も遠い存在だ。

それは世界共通の認識と言っていいだろう。


だからこそ困るのだ。

自力で逃走したと上に報告しても、絶対に信じて貰えないだろう。間違いなくわざと逃がしたと疑われる。

そういう意味では、あいつの行動は正しかったとも言えるな。

死んだ事にした方が、逃げたと報告するより遥かにましだ。


もはや瓦礫の山と化した教会を一瞥する。

証拠隠滅。証拠さえ無ければ、疑いが残ってもそれ以上追及されることはないだろう。

まあ、あいつが全てを理解した上で行動したのかは疑わしくはあるが…


「いいか。アルビダは死んだ。これが全てだ」

「本当にそれでよろしいのですか?ちゃんと報告した方が…」

「二人そろって罰を受けろと?」

「そんな、アルビダを逃がしてしまったのは私です。勇者様に責任はありません!」

「そんな話を上が本気で取り合うと?」

「そ…それは…」

「もう一度だけ言うぞ。アルビダは死んだ。いいな?」

「は…い…」

「では戻るぞ」


ポエリは納得していないようだが、俺を敵に回してまで告げ口をするような真似はしないだろう。

残る問題はアルビダだな…

あの女が何かやらかして捕縛されれば、嘘がばれてしまう事になる。

あいつには悪いが、あの女は始末するしかないか…

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