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第29夜 二人の勇者

「やれやれ、今日は散々な一日だったぜ」


最悪な夢から始まった一日は、やっと終わりを告げようとしていた。

壁を蹴り壊したときはどうしようかと思ったが、幸い隣の住人は出かけた後だったため、さっと魔法で直して事なきを得た。

だが夢で受けたストレスは結局一日中尾を引き、その影響で仕事ではミスを連発。

本当に踏んだり蹴ったりな一日だった。


いい大人が夢に一喜一憂して、実生活にまで影響が出るのは流石に自分でもどうかと思うが。

まあいい。


嫌な事は寝て忘れるに限る。


風呂から上がったばかりの俺は髪を拭くのもそこそこに、パジャマを着てベッドに寝転がる。

頼むから今日は良い夢を見せてくれよな…

そんな事を思いながら目を瞑る。



「ふむ…」


目の前には強大な神殿が建っていた。

辺りを見回すと、大量の魔物たちの死体と、その中に立つ一人の男が目に入る。

その男が視界に入った時、一瞬我が目を疑い何度か見直したが、やはり見間違いではなかった。


そこには俺が居た。

正確には夢の中の俺だ。


なんで俺が目の前に居るんだ?

ていうかこいつが俺なら、俺は誰だってんだ?

まさかキャスト変更!?


前回の夢で大ポカをやらかしたから、勇者を首になって、村人1とか2になったって事か?

自分の着ている服を見て、それは確信に変わる。

だってパジャマ着て突っ立てる勇者なんて聞いた事が無いし。


マジかよ!

勇者から村人って、会社だったら代表取締役から平に転落するレベルだぞ。

俺は村人の夢なんか見たくねぇぞ!


「混乱しているようだな、無理もない。詳しくは話せないが、お前には力を貸して貰いたい」

「は?貸す?力を?村人の俺が?」

「お前は村人ではない。勇者だ」

「え?でも俺パジャマだぞ?それに勇者ならお前だろう」


勇者が俺を勇者だと言ってくる。

だがどう見ても目の前の勇者こそが勇者だ。


「とにかく力を貸してくれ。ポエリとアルビダはこの神殿内に捕らえられている」

「二人がこの中に?」

「ああ、だが二人は邪神に捕らえられている。助けるにはお前の力が必要だ」

「邪神?ひょっとしてあのリッチか?」

「そうだ。お前もあの二人を助けたいだろう?」


確かに、助けられるものなら助けたい。

それにあのリッチ野郎に借りを返したい気持ちもある。


「ほんとに俺は戦えんのか?」

「それは問題ない。安心しろ。」


勇者が俺に予備の剣を投げてよこす。


「それを使え」

「鎧はねぇのかよ?」

「必要か?」


ま、いらねっか。

よくよく考えれば、勇者として着ていた服も大して防御能力は無かった。

まあ剣さえあれば十分だ。


「では行こう」


勇者が神殿に向かって歩き出し、俺はその後に続く。

前を歩かれるのは若干ムカつくが、よくよく考えれば前衛の方が危険なわけだし、奴には精々壁になってもらうとしよう。


「所でここどこ?」

「細かい事は気にするな」


やれやれ、少年ならちゃんと答えてくれるのに。

やっぱ少年は必要だな。

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