第23夜 首ちょんぱ式ダイエット
「あたしこの饅頭大好きなんです!」
そう言いながら、まどかは自分が持ってきた手土産の饅頭をパクパクと平らげる。
既に箱の中身はスカスカだ。
これではもはや誰への手土産か分かったものでは無い。
饅頭を頬張るまどかを見て思う。
これだけ食い意地が張ってると、将来太りそうだなと。
せっかくかわいい顔で生まれてきているのだから、太るのはもったいなく感じるので一言言ってやる事にする。
「太るぞ。太れば魔法少女じゃなく、太った魔法使いとしか見られんぞ?」
ピタッとまどかの動きが止まり、目をウルウルさせながらこちらを見て来る。
「わ、私。家では甘い物とかめったに口にできないんです。私太っちゃいますか?」
「ああ、普段取ってないのか。なら少しぐらいは問題ねーか」
「ほんとですか!やったあ!!」
安心したのかまどかは再び饅頭に手を伸ばす。
しかしこの年頃で普段甘い物を禁止されてるとか、ちょっとしたDVじゃねぇか?
「普段は甘い物禁止なのか?」
「はい、お母さんが太った魔法少女なんか存在するべきじゃないって。太ったら首ちょんぱになっちゃうって…」
首ちょんぱの魔法少女とか、夢も希望もあったもんじゃねーな。
他所様の教育方針に口だすきはねーが、流石に酷くねーか。
「っていうか、お前の母親はお前を本気で魔法少女にする気なのか?」
「はい!少し前までは魔法の当てが無かったので、変わりにアイドルになる予定だったんですけど、先生と出会って道が開けたので!」
開けてねーよ。びっくりするほど全然。
俺自身なんで魔法が使えるのか不思議なぐらいなのに、他人に教えれるわけないだろう。
一応少年に夢の世界での魔法の習得方法を聞いてはきたが、現実でそれが通用するかは甚だ疑問だ。
まあ一応それっぽい事して、お前には才能が無いから諦めろってぽいすれば良いだろう。
毎週毎週ガキンチョの為に、貴重な休みの時間を割くつもりは更々ないからな。
「御馳走様でしたー!グェップ!えへへへへ」
まどかがでかでかとゲップし、照れ隠しのように笑って誤魔化す。
恥じらいを求めるには若すぎるとはいえ、なんとかならんもんだろうか。
この調子だとその内屁迄こきだしそうだ。
「まあいい、食い終わったんなら早速魔法の修行だ」
「やったぁ!!」
やれやれ無邪気な奴だ。
無邪気さと狡賢さを併せ持つ小悪魔の様な少女。
将来こいつには多くの男が泣かされそうな気がするぜ。




