表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/52

第18夜 風邪薬

「ふぅ…」

「また溜息ですか?」

「少年は良いな。何も悩みが無くて」

「悩みぐらいありますよ。っていうかこのやり取り、昨日もやりましたよね?」


言われて納得する。そういや昨日もやってたな。

もっとも昨日の悩みはすでに解決済みで、今度は別の悩みではあるが。

何が悲しくていい年下おっさんが、他所のガキに悩まされにゃならんのだ。


「というか何で又溶岩地帯なんだ?」


昨日長時間の探索で焔の花を見つけたって言うのに、又溶岩地帯とか……


「二日連続同じとか飽きるんだけど?」

「何言ってるんですか?ここは昨日の場所とは違いますよ」

「同じに見えるぞ?」

「昨日いたのはグラムス火山で、ここはグレイムス火山の火口付近の洞窟です」


グラムスもグレイムスも大して変わんねーだろうに。

どっちにしろ火山帯の洞窟じゃねーか。


「2日連続で真っ赤な溶岩地帯とか気が滅入る。で?ここには何し来たんだ?」

「ここには、フレイムに昨日手に入れた焔の花を渡すために来てるんですよ」


毎度おなじみの質問タイムに、少年がうんざりだという顔で答えてくる。

相変わらず態度の悪い奴だ。


「因みに花はフレイム用の風邪薬みたいなものです」

「うむ、説明御苦労。少年よ、大儀であったぞ」


少年の説明に対し、王者らしく鷹揚に答えて見せる。

これで俺の株も急上昇間違いなしだ。


さて、昨日聞いた話も含めて纏めるとこうだ。


フリーザーとフレイムは恋人同士であり、イチャイチャした結果、フリーザーの冷気に充てられてフレイムが風邪をひいてしまったと。

それに責任を感じたフレイムが、風邪薬となる焔の花の収集と、フレイムへの輸送を俺に頼んだという訳だ。

これでもかと言うぐらい分かり易いお使いクエストだな。


俺は手元にある、魔力の封印に包まれた焔の花を見る。

昨日散々苦労して手に入れた代物だが、只の風邪薬と聞かされて地面に叩きつけたくなってきた。

風邪くらい気合と根性で直せよ!くそが!


「間違っても溶岩に放り投げたりしないでよ?」


俺の剣呑な雰囲気に気づいたのか、アルビダが釘を刺してくる。

アルビダの方を見ると、昨日のままのアダルトバージョンだ。

やはりでっかいって事は良い事だ。何がとは言わないが。


「わかってるよ。せっかくここまで来て破棄するとか、只のあほだからな」

「あんたは平気でそういう馬鹿な事するでしょ?」


もちろんする。


しかし流石アルビダだ。俺の事が良く分かってやがる。

心が通じ合うってのはこういう事だな。

後は体もくっついて、一心同体状態になれば完璧だ。


善は急げ。実行あるのみ。


「アルビダ。この仕事が終わったら二人で飯でも食いに行かないか?」

「勇者様!こんな時に何を言ってるんですか!!」


少年が食ってかかってくるが無視する。

これは子孫繁栄のための一大事業なのだ。

少年如きに構っている場合ではない。


「あら、いいわね。子供の姿でよければいくらでも付き合うわよ」

「よし!先を急ごう!」


ガキンチョに用はねぇ!

それでなくても現実の方でガキに頭を悩まされているのに、夢の中まで子供とデートなど笑えない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ