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異世界と嫉妬


「じゃ、遠慮なく聞いていくぞ」




理一による質問攻め大会が始まった。





ーーーーーーーーーーーー。


ちょうど日が暮れてきたところだ。壊れた窓からは夕焼けが差し込み辺りを暖かい空気に包んでくれる。



さて、



これから話すことは私のちっぽけな脳みそでこの異世界で生きていくためにどのような知識が必要か、どのようなことを聞いておかなければならないか、を元に考え、ふくだんちょーさんに聞いた話だ。

一応、前置きしておくが私はこのサバイバルのような今の状況を身で体験するのは初めてである。あのご時世、逆に何かあったらすごいんだがな。なのでまだまだこの異世界で生きるための知識は少なく、足りないだろう。

だがしかししょうがない。ちっぽけな私の脳みそで考えた案なのだ。


よし、今から話すぞ。めんどくさいと思う人は飛ばしてくれても構わない。





今私がいる国の名前は東西南北の地図に表すと北西らへんにあるらしい。名前は『セッヴェルトゥ大国たいこく』。なんとも言いにくい名前だろう。

そしてセッヴェルト大国は大きな大陸の上にある。

その大陸の名を『アルドゥマ大陸』という。そしてこのアルドゥマ大陸の他にも大陸はあるようだ。しかし今の私には関係ないと判断をしカッツアイした。

そしてアルドゥマ大陸にはセッヴェルトゥ大国の他に二つの大国があるとのこと。セッヴェルト大国の東側にある『マテルビィ大国』。南側にいる『ラランザ大国』だ。セッヴェルト大国はこの二つの大国と友好関係にあるらしい。

ちなみに、すべての国に『大国』という称号がつくのでは無いとのことだ。

簡単に説明すると、

○ 広大な土地を持っていて活気があり自給自足が可能な国を『大国たいこく』

○他国からの多少の援助がありながらも栄えて暮らしている国を『国こく』

○援助あり、借金ありながらも栄えている国を『小国しょうこく』

○これら以外の条件で国を作っているものたちを『下国げこく』


…正直、小国と下国は名乗りたくない。

そのためかそのような国は国こくか大国に吸収されるかしてもらうらしい。

ごく稀に一部で下国を名乗る国もあるのだとか。でもほんとに稀らしい。


そしてこの世界にはやはり『魔法』もある。これぞみんなの憧れ、夢にまでみたことのあるだろう、『剣と魔法の世界ファンタジー』。

ファンタジーの定番、『魔物』なるものが存在しているとのこと。国の栄えには魔物の発生率も関係してくるんだそうだ。


先ほどファンタジーの話が出た。

ふくだんちょーさんに魔法の話を聞くとやはり『詠唱』は必要らしい。

私が詠唱もなくバリアを出現させたことについて大変驚いていた。ちなみに詠唱は1文、2文、3文、4文とあるのだとか。ふくだんちょーさんは一文の詠唱文だったそうだ。

一文の詠唱は大変難しいらしい。ふくだんちょーさんは「俺はファイアーボールだけ一文でできるだけなんだけどな」とか言ってた。

成功させるには『コツ』と『センス』と生まれたときに持っている『魔力量』、あと豊かな『想像力』が必要らしい。案外簡単にできそうで聞いている時マジで笑い死にしそうだった。

まぁ、国家騎士団副団長さんが言うんだから間違いないんだろうけどさ。



魔物の数ははっきり言って1000を越えるらしい。また未確認の魔物もいるだろう。

種類も多く、何がどこに生息するかなんて今聞いても覚えられないしそんなんやってたら日が暮れてしまう。

聞いたところによるとセッヴェルト大国の城の近くに大きな図書館があるんだとか。この世界では紙は貴重で平民など位の低い人たちには手が出せないんだそう。だからそこの図書館で本を借りたり(有料)して勉強するらしい。しかしそれでも値段が高いとのこと。

紙がないのでふくだんちょーさんにこの世界の文字が習えない。そうなると図書館で勉強をするしかないだろうな。


そうなったら金を稼ぐしかない。

この異世界にはまたまたファンタジー定番『ギルド』なるものがあるらしい。

主に活躍しているのが『冒険者ギルド』、『商業ギルド』、『建築ギルド』というものたち。


私は是非冒険者になりたいので今回は冒険者ギルドについて説明しよう。


冒険者ギルドへ、冒険者になりたいと申請すれば冒険者になれる。

ランクは上から

SS、SA、S、A、B、C、D、E、Fとあるらしい。入ったときはFランクで、ランクに合う依頼をある程度をこなしたらEに上がれるとのこと。

ランクのことだがAランクから『少しすごい人』という評価らしい。Sランクは憧れられる存在、実力もそれなりだ。SAとSSはあまりいないと言うが、まぁ一言で言うと素晴らしくヤバイ人物達らしい。

是非ともその素晴らしくヤバイ人物たちに一回は会ってみたいものだ。


よし次は、お金の種類と価値のお話だ。

この世界には多くの種類の貨幣がある。金額と共に説明したらこうだ。


銭貨=五円

鉄貨=百円

銅貨=五百円

小銀貨=千円

銀貨=五千円

大銀貨=一万円

小金貨=十万円

金貨=百万円

大金貨=一億円

白金貨=五億円

赤金貨=一兆円

黒金貨=三兆円


日本風に表すとこんな感じ。


これは勿論ひとつのコインでの計算である。

最後らへんの数字は日本生まれ凡人育ちの私には恐ろしい数字である。

大金貨からは主に国の発展の費用として使われるから一般人はほとんど持っている人はいないそうな。


そして気になるのが私がこの世界に捨て投げられたとき兵士が銅のコインを差し出したやつだ。やはりあれは銅貨だったらしい。そしてそのあとに私を追い出した兵士が安い宿でも何日かは泊まれる、と言ったことだ。ふくだんちょーさんにその事を聞いてみた。そしたら「あるにはあるが馬小屋みたいなところでボロいベッドに寝て、くそ不味い飯が出てくるぞ」とのことだった。

私はそんなことに貴重な金は使いたくない。ここに来る途中森みたいなところがあってその木に変な実がなっていたからそれをもぎ取って食って、何処かまだ崩れていない家にお邪魔させてもらってそこで寝ればいいと思う。












そしてここでひとつ言わせてほしい。


私がふくだんちょーさんと話して三分ぐらいがたった頃ぐらいだったか。

右から少しだけ圧を感じたんすよ。



そしたらね。聞いてください。







女性が私の事を少し恨めしそうに見てました。




………多分私とふくだんちょーさんが仲良く?話しているのが気に入らなかったんでしょう。でもそのふくだんちょーさんはあなたを襲おうとした人なんですよ?何でこんなことになってるの?警戒心という文字は貴方にはないの?脳みそ大丈B?と。


そして私はそんな女性を無視しました。











欲しいもんがあったら拳で精神。





とか言ってみたが…どうやら完全に私は中学生の時の環境が性格に来ているらしい。


まぁそりゃそうか、三年間も総長してたし。

まじヤンキー!フゥーー!!


…と、まぁ下らねぇ茶番は置いといて、この世界で生きていくための知識は聞けたかな。でもこれからが私の本番と言っていい問題だ。ここに来させられた理由、私はなぜ今こんなにも苦労しているのか。なぜこの状況になったか、をたどればそれは、そう、『勇者召喚』というものがあったからだ。なぜ勇者召喚なるものを行ったのか、それを聞かなければならない。もしこの世界が平和であったなら『勇者』など召喚しなくてもいいし、する必要もない。




「それにしても…ヒガリーイはなぜこんな事を聞くんだ?知っていて当然な知識だぞ」


と、ふくだんちょーさんは聞いてくる。しょうがない、本当の事を言うしかなさそうだな。嘘をついても疑問を持たれて変な気を起こされるのは嫌だし。まぁ副団長だし国に使えているのだから口は固いだろう、そう賭けたい。


「ねぇ、ふくだんちょーさんひとつ、いや、いくつか質問してもいいか?」


「はぁあ!!???まだあるのか…!もう俺は疲れたぞ、何回質問に答えなければならないんだ俺は…!!!……はぁ、まぁいい、何だ」


お世話かけますわ。でも副団長さん、皆をまとめるだけあって器が広い。



「『勇者召喚』って知ってるか?」



すると、ふくだんちょーさんは急に立ち上がり顔つきを変えてこちらを睨んできた。



「お前…!その情報をどこから…!」



ふくだんちょーさんの目は私を捕らえて離さない。背後からは熱気が溢れてきてくるような感覚が肌に伝わってくる。


「まだ市民はおろか貴族も知っていないような情報だぞ!!知っているのはそれなりに地位がある機関だけだ!!」


さすがはふくだんちょーさん。国に使えようとする忠誠心は大いに高い。国に害をなす恐れがあるものは潰す、良いことだ。

…だがそれが今の私にとっては邪魔だ。


「うるさい、少し声のトーンを下げてくれ、耳が痛い」


「これが黙っていられるか…!…っ!!さてはお前、他国からのスパイか!?ここらでは見ない服装もしている、そしてここの国の事について疎い、その可能性は十分にあるぞ!」


おいおい、変な気を起こさないようにぶっちゃけようとしたのにふくだんちょーさんの中で勝手にそっちの方向に進んじゃってるよ。てかスパイがわざわざこんな格好でいるわけがないだろう?もうちょっと周りに溶け込むわ!!それと国に疎いのもスパイ失格じゃんよ!

あと悪かったな、変な格好で、セーラ服で。この世界では変な格好かもしれないが日本では立派な服装なのだぞ!??おおん!!???


「あぁ分かったぞ!!だから今この場所にいるのだろう!?ここの土地は人はおろか、見回る兵士もいない。隠れるのには最適だったからここにいたのか…!?」


まじか、ここに見回りの兵士来んのか。てかもし私が敵のスパイだったらそんな情報教えたらいかんじゃろ。


「そうだ…そうに決まっている…!!っ!ごぼっ!」


ふくだんちょーさんがむせた。呼吸をろくにせず間違った仮説をズケズケと言っていたもんだから息が続かなかったか。


「まぁ、落ち着け深呼吸だ。はい、スーハースーハー」











ーーーーーーーーーーー。



ようやくふくだんちょーさんの息が整った。しかし目は警戒の色をしており睨むに近い顔面をこちらに向けている。


だから私はぶっちゃける事にした



「あー、話していいか?」



ふくだんちょーさんは返事はないがこくこくと首を縦にふった。



「落ち着いて聞け、そして驚け」



私はすぅっと息を吸い込んで言った。

よし。


「私がこの国の王様に勇者召喚されて来た人でーす!!」


私は高々といい放つ。


「あ?バカにしているのか、そんなことないだろう」





はい、案の定信じてくれませんでした。

即答だ。僕ちゃん泣きそう。



作者「上から目線だなぁ」

理一「だってしょうがないじゃんっ!ぷんぷん」

作者「おい可愛くねぇぞ」

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