ちょっと、よろしいか?
「児童虐待反たーーーい」
理一はガキこら男にハンマー落としをくらわす。ガキこら男は「ふぐっ!」と声を上げて体制を崩し左に倒れた。
「虐待はぁいけません!」
ビシッと人差し指たてて理一は言う。
何か理一の中で訳の分からないスイッチが入ったのだろう、正義を気取る。
ガキこら男は左によろけた勢いで不運なことに木の壁に衝突した。しかしボロだったため壁を突き破る。
男は何が起こったか分からなかったのかピクリとも動かない。尻だけがこちらに向いているのでとてもシュールだ。
……数秒待ってみたが動かない。
「…あんれ?動かんのやけど、」
ーーーーーーーーーー。
一分ぐらい待った、が、起きる気配がない。
まだ状態はさっきのままだが息はしていた。人殺しにならなくてひと安心である。
(そんなに強く殴ったっけ?手加減はしたんだけどなぁ)
「ーーんっ、、、ふ」
その時声が後ろから聞こえた。子供の声のような感じだ。
「、あ、れ…ぼく…なんでねて」
振り返って見てみるとどうやら黒毛少年ではない、来たときにすでに倒れていた二人の中の一人だった。倒れていた子供が声を発する。
髪の毛が薄水色で猫っ毛、目が大きくて色も髪の毛と同じ薄水色だった。とても整った顔立ちをしている。
「よぉ起きたか」
声をかけてみた。すると(僕って言ってたから)少年?が「ひっ!」と言って体を震わせ怯えるような目で見てきた。
(いや傷つく。)
心の中では突っ込みをいれた。慣れているから案外そうでもないけど。
取り敢えず子供だが情報は多少持ってるだろう。
「あ~、お前、私が喋る言葉理解できるか?」
理一はそうと奥にいない水髪の子に問いながら近づく。今までの経験上あの城の人間は信用できない。ここに来る途中に考えたのだが、もしも城の中で食べた紫粒が城外では効果がないとか、そんなんだったらマジでしゃれにならん。
「ひっ!こっちにくるな!!あぁあ!!!」
水髪少年が発狂した。
隣にあった木の破片を投げてくる。破片なので飛距離は出ず私には届かなかったが。
再度私が声をかけようとしても
「さわるな!くるな!!」等と言って聞く耳を全然持ってくれない。
まずはこの水髪少年を慰める必要がありそうだ。
取り敢えずどうすればいいのか分からなかったので理一は水髪少年の前に座って放置することにした。
最初はわめき散らし、あるものあるものを利一に向かってぶん投げていた少年も(痛かった)、だんだん落ち着きを取り戻した。水髪少年がそうやっているうちに他の子供も目を覚ますかな、とは思ったが全然起きない。
目の前の少年は今はすっかり落ち着いているが、目だけはしっかりこちらを見ていて警戒の色を出していた。
「あ、あの」
声が聞こえた。
ん~?とそちらを見てみると先ほど見た腹がデカイ女の人だ。そういえば居たな、忘れてた。水髪少年よりこちらに聞けばよかったと今さら思った。
「あ、貴方は誰のですか?」
意を決したような顔をして聞いてきた。
(前々から思ってたけどあんたら気ぃ張りすぎやろ)
…まぁいいか。
「その前にお姉さん、私の言葉。言っている意味理解できるかい?」
「、?はい?で、出来ますが、」
(おぉ!伝わるのか、やったね!)
どうやら心配はご無用だったらしい。
その時
「かぁさんをばかにするな!!」と前で声が聞こえた。水髪の少年だ。
「こら止めなさい」ときれいな女の人が言うと水髪少年は不服そうにしかめっ面をした。
……よく吠えるなぁ、この子。そんなに一々噛みつかれたら話進まんのやけど。
「あの、さっきの、答えてくださいますか?」
「あぁ、私が誰か、だったっけ?」
「は、はい」
話を戻そう。
「ただのぉしがない~jkですっ」
私は某有名ユーチャウバーの生○さんの真似をしてそう答えた。