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許すまぢ

ブンカエタョ。

バトルとかそこら辺の表現が苦手でごわす。

私の大絶叫に答えてくれる人は愚か、反応してくれる人すらいない。


後ろを振り返って先程私が追い出された方を見てみた。

…城だ。

…おっきーなー。とか言う感想しか出てこない。いや、マジでデカいんです。


城から少し離れて遠くを見てみる。

…城の端と端の終わりが見えない。


(どんだけでかいねんこの城)



すると「おいっ」と呼ばれた気がしたので下に視線を下ろす。約二名ほどの兵士がこちらを見て、しっしっと手払いをしていた。


早くどっか行けやと言わんばかりに手払いしている。


ちょっと意地悪でずっとここに居てやろうか、とか思ったがどのみち良い方には転がらないと思うのでやめる。


ここは言う通りにさっさとどっか行ってしまおう。



それにしても異世界にいきなりボッチとか辛い。



これからどうしようかと思い、辺りを見渡してみる。

前に階段らしきものを発見。


そこまで歩いて階段の下を覗いて見たら結構長く続いていた。階段の両側には、たくさんの木が生えている。


「道なりに行くか、まぁ~そんで人見つけて取り敢えず話す」


異世界に放り投げ出されて知識の欠片もないのでまずはこの世界を知るしかない。

私が得た学はここでは通用しないかもしれないからだ。


あの兵士たちは使えそうにないので諦めるしかない。


「よっしゃ、しゅっぱーつ!」



取り敢えずテンションだけでも上げてみた。





















「おかしい。人っこ一人見つからん」


城から歩いて十分ぐらいはたっただろうか。

しかし周りには人が一人も居ない。


強い風が吹いて風と共に砂が襲いかかってくる。


道中、途中から道が舗装されておらずぼこぼこして歩きにくかった。現在も進行中で歩きにくい。

ここの砂は乾いていて水気がなかった。なのでマスクとだて眼鏡は外せない。


周りを見渡す。

人の姿は確認できないが家はある。

だがその家は木でできていて随分年期が入っているのかボロボロのバラバラだ。まだ辛うじて立っている家のなかには肝心の人が見つからんし。


何故だ。


疑問が増えるばかりである。


取り敢えず今後どうするか考えなくては。



「どうやってこうかなぁ」


先ほどのことを思い返してみる。

数十分前に兵士から渡されたきったねぇ袋のことだ。

取り敢えず制服のポケットを両方漁る。


中には家の鍵と弟から貰った熊のキーホルダー、そして先程のきたねぇ袋だ。


あまりにもきたねぇ袋なもんだから少し嫌になってしまったがキーホルダーを見て心を落ち着かせた。いわゆるひとつの安定剤。


袋の中を確認してみる。

するとそこには銅のコインっぽいのが6枚。


…うん。これはある程度わかる。




くっっっっっっっそ安い金額のコインだと。


「マジ舐めんなよ…。」


せっかくキーホルダーで心を癒したというのに台無しだ。


取り敢えずこれだけは思う。



「詰まないように頑張ろう」



そう力強く思った。










詰まないように頑張ろうとは宣言したものの、


さてどうしようか。


私はまだ見ぬ第一村人(?)を探しながら思考を巡らせる。



生きていくにはまずこの世界の金、学、そして常識が必要だ。まだ必要な知識はあるかもしれないがまずはこれらを集めることに専念する。


それらを身に付けるにはまず人に話しかけて情報を得た方が断然早い。

これは後々の事だろうがある程度、金が貯まったら家を買って、拠点を作っても良いかもしれない。

まぁ、それは追々だな。


「とにかくここには人が居ねぇから引き返すか?」


ずいぶんと歩いたが人が見つからない。


居ないのか…?


そう不安になるがあの城のきらびやかさを見る限り税金はとっていることだろう。


辺りを見渡してみるがやっぱり人一人いない。

視界に入ってくるのはもう舗装などされていない凸凹とした土の道でそれが長く続いているばかり。


異世界の城の前でも人必ずは居るはずだ。城下町とか。


もしここが田舎だとしても。



「何でだ」



数秒考える。


すると何個かの案が浮かんだ。




(………うんあのくそったれ共め)


それらがどれも最悪の案なので私は悪態をつく。



1つ目は、私は城の正門からではなく裏門から投げ出された案。


2つ目は、どこ○もドアが存在している、私は何処か遠くへ飛ばされた。


3つ目は私はいつの間にか死んでここは死後の世界。






一番有力なのは1つ目の案だな。

そうだと願いたい。


じゃあ何故私は裏門からなのだろうと疑問に思った。


そして考える。


…正門なのだからきっと賑わっているだろう、が、欠点はそこ。


正門から人を放り出したら興味を持つ人間が出てくるはず。そして集まりそこで私が一言二言話すだけでその噂はたちまち広まる。


それは例え噂だろうと人は口を揃えて言う。

王家の名に傷がつく、そう思ったんだろう。


何故かって?


それは私が『異世界』から『勇者召喚』された『勇者ご一行様』だからだ。


自分で言うのもなんだがどうやら私は貴重な人材らしい。

くそ太り不潔王と目付き悪しジジイが言っていた言葉を辿っていって大体は意味を理解した。


小説などで目にした事がある単語があったから分かったんだけどな。


ナイス、昔の私。


話が脱線してしまったが、私は何かしらを倒すために召喚された勇者(かサポート役)なのだ。

そんな人達にアカン態度で接してたら人々達から非難が殺到するだろう。


そして私は案の定と言うかなんと言うか、誰の注目も浴びず放り出された。


放り出された場面を見ていない限り、人は『ただ城の近くに立ってる人』という判断を下す。

そして私が「王に捨てられた」と言っても、ふざけた事をほざくただのJKという評価だ。


「さいっっっっあく」


あぁくそ…。


先程見た光景を思い出す。

あそこが裏口もするならば正門までの距離は遠い。なにせ城は、バカデカかった。

私の今日一番の絶叫は、澄み渡っている空によく馴染んだだろう。

これじゃ私の存在には気づかない。

仮に私の存在に気づいている人が居たならばここに来る途中で声を掛けてくる輩が居るだろうに。


ぜんっぜん無かった。


2つ目の案と3番目の案は、もうどうしようもない。お手上げ、うん。





とりあえず方針を決めなければ。

この場所を見回していきたいけど無駄な体力の消耗は命取りになる。

まぁ今は我慢するとしよう、うん、うん。


取り敢えず戻って人探しの再開~。



「よーし頑張るぞ~!れっつごー」



……声を出して気合いだけでもいれてみた。
















「ーー!!っ!」




「………おん?」


三分ぐらい歩いただろうか。


結果を言うと、結局異世界の土地探索という素敵なワードに我慢できずにそれに時間を割いちゃった☆


まぁ、いざとなったら銅のコイン6枚である程度安くて人が食える飯買えばかいいか、と軽すぎる考えの元、途中左か右の道分かれ道がありクラピ○理論で右に曲がってここまで来たのだ。


清々しく先程の誓いをぶっ壊してやったぜ。

と、まぁそれは置いといて。


空耳か、今なんか遠くの方で声が聞こえた気がするんだすけど。



「ーー!!!かーーだーーーっ!!」



「やっぱり、声がする」



なんか叫んでる感じ?

子供?っぽいんだよな、声。

まぁまだ確定した訳じゃないしそうだとしても情報は私よりかは持っているだろう。

それにやっと待ちわびていた人だ。取り敢えず行ってみるだけ行ってみよう。













「すいませーん、失礼s」



「おいクソガキ!!!ぶっ殺すぞ!!!」


「かぁさんに手ぇ出すな!!」


ドアというドアが無かったもんだからそのまま入っちゃったんだけど、なんか、いきなり修羅場?



するとその瞬間、光景に違和感を感じた。

すぐさま視界の隅に妙なものを捕らえる。

見ると子供が二人ほど倒れていて、そしてこの部屋の隅っこにクリーム色をした髪の女性が居た。

そして真ん中で「クソガキこらぁ!」っと、叫んでいる大人の男。ガキこら男に対立するように「かぁさん!」と叫んでいたのは黒毛の小さな男の子だった。


次の瞬間、黒毛少年はガキこら男に飛びかかる。


「かふぁさんにてほぉだふな」


黒毛の少年がガキこら男の腕に噛みついた。

多分『かぁさんに手を出すな』っつってんだと思う。


ガキこら男の顔が盛大に歪んだ。


(ありゃ全力で噛んでるな、、痛そう…)




「っ!!!こんのクソガキャァ!!」



そう考えているのと同時にガキこら男が全力で腕を振り払う。黒毛少年は地面に叩きつけられそれと同時にガキこら男が少年を踏みつけた。



「っう!に、逃げて、かぁさ、かはっ」



黒毛少年は踏みつけられながらもかぁさん逃げろと言う。おそらく『かぁさん』というのは先程のクリーム女性だろう。

そちらを見ると女性は利一に気がついたのか怯えた表情でこちらを見ていた。


顔が綺麗だな、と思った。

美人だ。この感情は全世界共通だと思う。


しかし、何やら腹がデカイ。








そこで我に返る。




倒れている子供、二人。


踏みつけられてボロボロになっている少年、一人。


何やら妊娠?してそうな女の人、一人。


そして子供に暴力を振るっている男、一人。






えーと、



(つまりこれは)




「逃げてかぁさん!!」と黒毛少年はガキこら男の足を捕まえる。


が、「クソガキが!!」とガキこら男が少年の腹部に蹴りを入れた。



その蹴りは完全に入る。

そして少年は気を失ってしまった。




(つまりこれは)




「これ、アカンやつやん…!」








ーー瞬間、それを理解して理一の体はガキこら男に向かって走る。


そして、



「児童虐待反たーーーい」



と覇気の無い台詞を言ってガキこら男の頭部にハンマー落としをくらわせたのであった。





作者「なんか、肩凝ったぁー」

理一「私が揉んで差し上げようか?」

作者「いや、いい。遠慮しとく」

理一「何でぇ?」

作者「なんか逆に肩がぶっ壊れそう…。」

理一「ふふふ、そんなことないってぇ」( ^ω^ )

作者「ブルッ」

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