始まりのはじまり
この話は何故理一が捨てられたかを書いた話です。
文を大幅に変えたぉ。
目が覚めたらどっか知らない、なんか貴族が出てきそうなキラキラしたひっろい部屋に私は居た。
いや、正確に言えば居た、というよりも寝て起きたらそこに居た、というのが合っているだろう。
ここはどこなのだろうか、そう思った私は体の上半身を起こし辺りを見渡す。
私はこんな所は知らない。記憶喪失とかいうものでもない。
少し長く伸びすぎた髪やらなんやらが邪魔だが、頑張って視線を凝らす。辺りを見渡すと二次元やファンタジーの世界でよくある、まさにTHE、王室という感じの雰囲気だ。私はこんなところに来たことはないし、ましてや私の住んでいた近くにこんな場所は存在しなかった。ハリボテでもなさそうだ。何かの撮影でこれをセットしたとしても一日でこれを建てるというのはさすがに無理がありすぎる。
感想を言うと、キラキラし過ぎて何から何までもが視界に入ってきて鬱陶しい。
「ξγΩναγξοδΥΩζδιЙЕРД??」
突如、この世のものとは思えない呪文のような声が聞こえた。
その声を聞いた私はとっさに自分の耳を塞ぐ。
なにやらまだ何か言っているようだったがその声は聞くと鳥肌が立つので構わず聞き流す。
その時、近くに立っていた兵士っぽい人が肩をトントンっと叩いてきた。そちらを見る。すると始めに目に入ったものは髪の色だった。その兵士っぽい人の髪の色は濃ゆいピンク色をした髪だった。
これにはさすがの私も動揺した。
明らかにビックリしている私を気にせず、その兵士っぽい人は紫色の(少し違う色も混じっている)粒を渡してきた。
『これを飲め』というジェスチャーをしている、が、どー見ても色がヤバイ。
紫色だし。ドスイ。
まぁ、いいか。と私は直感で思い、それを飲み込んだ。
「おぉ、お目覚めか勇者の兄弟よ」
声が聞こえた。先程の鳥肌がたつ呪文のような言葉とは違うしっかりとした言語だ。どうやらさっき飲んだ紫色の粒が原因らしい。
そちらの方向を見る。
先程私に話しかけていたのはいかにも王様という感じの人だった。
(あぁ、夢か。これは夢だ)
そう、私は悪い?夢を見ているのだ、さっきまで寝ていたのだそうに違いない。
(そもそも私に『ゆーしゃ』という兄弟はいない)
そう思い、もう一眠りしようとした、その時。
「兄弟よ、あなたは何故ここに呼び出された理由がお分かりですか?」
王様っぽい人のすぐ側に眼鏡をかけた目付きがちとあれな人がそんなことを言ってきた。
正直に言って全く分からなかったので首を横にふる。声を出して返事をしても良かったのだが、
私にはある『mission(発音よく)』があったので急な予定変更はしない。
「あなた様は我が国の優秀な魔導師により勇者召喚されたました。そちらの世界の言葉を借りるのならば『異世界転移』…でしょうか。ここはあなた様の居た世界とは違います。少々戸惑うかもしれませんがすぐに慣れてもらえるよう精進いたしますのでご安心ください」
…うん?
どーやらゆーしゃしょーかんされたよーですわ。
「そこでですね。早速あなたのお力をお見せ願いたい」
目付きがちとあれなおじさんは続けて言う。
「兄弟よ、このステータスボードに血を一滴垂らしていただきたい、さすればあなた様のお力は素晴らしいものとお分かりになるでしょう」
などと言ってきて、さっき粒をくれた兵士が小さなナイフと平べったい板のようなものを渡してきた。
どうやらこの平べったいものが『ステータスボード』とかいうものだろう。
「さぁ、早く」
なんか急かしてくる。
まぁ、とりあえず言う通りにしてやろう、と思い私はこくんと相づちを打った。
「いやぁあなた様もさぞ素晴らしいスキルをお持ちなのでしょうねぇ」
次は王様っぽい人が口を開く。
それにしてもさっきとは打って変わってにやにやした、嫌な、ベタベタした顔になった。雰囲気もそれを纏っていく。
嫌な気がする。
私の勘がこの人、いや、この連中はヤバイ奴らだと警戒音を鳴らした。
しかし今の私ではどうにもできないので従うしかないのだが。
というか、あなた様『も』ってことは他にもいんのか?
視線を遠くにしてやっと気がついた。
私と同じ学校の奴らだった。
学校一喧嘩の強い男(番長)である『戌白 色与』
その番長の取り巻きである男五人
『北条 真人』
『神峰 修一』
『森 明仁』
『斉藤 蘭』
そして最後はここに来る前、私をいたぶってくれていた『流 秋久』
そして次は…図書委員の子。
私は調べものがあるときよく図書館に通わせてもらっていたから覚えている。
名前は『佐鳥 桃子』
眼鏡取ったら美人系女子だぞ、ありゃ。
そして次。
彼もよく知っている。
私が図書館に行ったときいつも指定の席にいる眼鏡君。
名前は『佐々木 次郎』
ブスでもなくイケメンでもな…。うん。
まぁ、そこはいいとして一番目についたところがある。
彼は何故髪の毛がお坊っちゃまカットなんだろう。前まではきちんとした普通の髪型だったというのに
……まぁ、いいか。
ここの話の流れを聞く限り決して平和ではないことは分かる。佐鳥さんと佐々木くんは二人とも面識があるだろうし是非とも佐々木くんは佐鳥さんを守ってもらいたいところだ。
よし次、は。
そこで私は驚く。
……うわぁ~、僕ちゃん一番苦手なタイプの人だぁ☆
学園のマドンナ(自称)『芹那 美羽』
私と同じクラスで、いつも女王のごとく君臨している系女子。
どうやら彼女、番長が好きらしい。
ついこの間「色与は私にこそ相応しいのよ♪」とか言ってたしね。そんときはマジで無表情貫き通してた私でも女子便に走ったよ。
まぁ、マドンナとかは言える顔だけど…ドギツいのだ。
けどあの顔の作りは多分化粧を落としても美人なんだろーなぁ、と。
私を入れて合計10人。
…ゆーしゃしょーかんされたやつ多くね?
まぁ、いい。さっきから王様っぽい人がイライラしてきているので取り敢えずさっさとステータスボードっつーやつに血ぃ流そう、怒らせたらナニをされるか分からんしな。
私はさっき手渡された小型ナイフで自分の人差し指を切った。
そしてステータスボードに血を一滴垂らす。
「ありがとうございます兄弟よ。そして血を垂らしたボードをここの石の上に置いていただきたい」
言われたようにステータスボードを石の上に置いた。
ぶぉぉん、とかいう効果音つきでなにかが表示された。
何か近未来的な感じだ。感想、すぎょい。
そしてこの…文字?なのか、これ。
やっぱ異世界の文字は読めねぇわ。
そこで声が発せられた。
「…なんだぁ?この文字」
は?
「これでは何の能力があるのか分からないではないか」
は?
この文字読めんの?
辺りがざわざわと騒ぎだす。
王様と横の従者は二人でこそこそしている。
私は何が起こっているのか理解ができずどうしようもできないからそこに突っ立っていた。
「ふむ」
王様が口を開く。
すると辺りのざわつきが少し収まった気がした。
「どうやらこいつは使えんらしい、 捨ててこい」
瞬間、私は切れた。
は?
なに言ってんだこのくそ太り不潔王は。
そして私は外に身を投げ出されてしまったのであった。
意 味 が 分 か ら ん 。
「な、なな。」
「なんじゃぁぁあこりゃあぁあぁぁあ!!!!!!」
この日一番の大絶叫だった。