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武勇伝

めちゃ時間かかった。

誤字脱字ある…と思うわ。

なんじゃこりゃ、と声を張り上げてみたが反応はもちろんのこと返ってこない。

まぁ、周りには一っ子一人いないしな。


何故私は今こんな状況なのだろうかと自分の思考を遡る。




その始まりはおそらく理一の通っている高校からだった。





「おらおらどーした?比嘉さんよぉw」


そこは放課後の学校。残っている者は少なく、日はもう、オレンジ色を帯びてきた頃。

そこはあまり人が来ない廊下。少しだけ光が差し込むそこに、理一は居た。


そこにいるのは理一と五人の男。そしてその中の一人は理一をサンドバッグにしていた。


「おいおい、なにくたばっちゃってんの?ww」


理一を見下しその体に傷をつけているそいつは、強いリーダーの側そばに控えている、言うなれば、おこぼれちょうだいマンであった。

実力こそはないが強者の横に立って、いかに自分が強いか、と示すような、そんな可愛い奴。周りに男が居る、そいつらがリーダーと残りの取り巻きなのだ。いや、取り巻きではないな。まぁ、今説明する必要はないので割愛する。

理一の周りに居るそのリーダーと取り巻きは四人、しかし不思議なことに理一に手を出そうとはしなかった。






理一はこの学校では虐められている立場にあった。


だがしかし待たれよ、これは仮の姿。


……まぁ今、この状況なのだから仮もクソもないのだが。


今から何故そうなったかの理由を雑談を含めながら説明していきたい。


「もぉ終わりかよ??」


なんかうるせぇー奴が吠えているが、無視だ無視。









理一は中学の時、『(ブラック)強風(ゲイル)』という族の総長をしていた。

…もう一度言おう、『(ブラック)強風(ゲイル)』という族の総長をしていた。


つまり、信じられないだろうがレディースの頂点に君臨していたのである。


中二病臭いとか胡散臭いとか磯臭いとか言うのは少し待ってくれ、これにはふかぁい訳があるのだ。








比嘉理一は借金こそはなくネットで少し贅沢な買い物ができるぐらいの裕福な家庭に長女として生まれた。


理一は両親から大切に可愛がられすくすくと育っていた。


しかし、生まれてすぐの理一はそこで思った。《退屈だ。》と。生まれて約半年で理一は『退屈』、『暇』という言葉を知った。

そんな理一は生まれてまもない脳ミソを駆使して子供ながらも《どうしたら面白いか》を探した。


1年でハイハイ、歩きを習得するとそこからが早かった。


2歳になると言葉の習得と文字の読み書き。3歳になると二歳のときに文字を覚えたこともあり小学校の勉強に力を入れた。そこで理一は《知らない事を覚えるのは面白い》と思ったのである。そこから勉強沼にハマっていった。

月日が流れ4歳になった頃、小学校の授業である副教科の習字に手をつけてみた。理一はこの時、せっかく文字を覚えたのだし本格的に使ってみたい、と思ったのだろう。

理一の書いた作品は多くの賞を取った。最初は基礎から入った習字だったのだがいつからか我流に発展。それが外部の人間に受け、一部の人間からは大変指示される人気の作品となった。


だが理一は書道をやめてしまう。


理由は『することがなくなった』から。


理一は書道を自分なりに極めた。

他にすること、書道で極める所がないか調べてみたが、そんなことはなかった。

無かったのである。

まぁ、一日もサボらずというか毎日毎日半紙と墨に食いついていたらそうなるだろう。


そんなこんなで理一は書道の道をやめた。


出なくなった理一の作品。一部のファンでは伝説として扱われるようになったのであった。









色々な『楽しいこと』をしていると、気がつけば理一は6歳。


理一は小学校に入学。

今まで家に籠りきっていた理一は小学校という城に胸を高鳴らせた。幼稚園は行けないこともなかったが趣味に没頭していた事もあり両親が遠慮したのである。優しい親だ。

そして初めての友達ができた、それはそれは喜んだのである。

しかし理一の初めての友達は肉体に比例しての精神年齢だった。友達は色々と幼く、少しでも気に入らないことがあれば怒り、平気で人を裏切る行為をした。それは理一にも。


そんな子にはK(カス)子というお似合いな呼び名を与えよう。


そんなことを繰り返していれば友達などいなくなるだろうと思っていた理一の考えとは反対にその友達の周りからは友達はいなくならなかったのだ。何故か、それは子供社会は弱肉強食の世界だからだ、まだ守ってもらえる存在があり、法律など頭に微塵もない。弱い者は自分より強い存在に身を隠すように懐に飛び込むのが人間なのだ、それはまだ何も纏っていない本能のままに動く子供だから出来たことだろう。


K(カス)子の周りに集団が出来る。


理一は大勢の人間から裏切られ、泣いた。

もぉーそれはボロくそに泣いた。

理一はヒッキー(引きこもり)だったものだから人間の切る切らないの判断はまだそこまで本格的に出来なかったのである。



そこで理一は唐突に思う。


「嘘泣きの研究しよう!!」…と。



でもここでこう問いたい。


「「「何故に!!!!」」」






小学校は「虐められるので嫌です!!」という建前から休み、その研究を三ヶ月した。

まぁ、それはそれは大変専門的に研究した。

シワ扱いやら、顔のパーツの角度までも。

理一と二つ離れて生まれた弟もその真似をし始めた。母親はその二人の姿を微笑ましく、父親からは、なにやってんだお前等的な目で見られたが、何だかんだありながらも二人ともそのアホなことをやっている二人を見守ってくれた。


そんなこんなで泣き顔のレパートリーも増え、綺麗な泣き方と、マジ泣きモードが誕生した。


このマジ泣きモードの方は強く印象に残っている。

ある日理一はテレビを見た。それには《目を何時間も開けてられる名人》というものを取り上げていた。

何時間も開けている目からは涙が流れ出ていて充血しており血走っていた。ある意味ひとつのホラーである。


(これだっ!!)っと小さい理一は何でか分からんけどピコーンと来ちゃったわけです。はい。


それを実行しようと、両親二人で買い物という名のデートに行くときがあった。

午前中には帰ってくるとのことだったので理一はこの前見たテレビの真似をして「二人が帰ってるまで目を開けておこう!」と思った。

両親を驚かせたいという幼心も混じっていたのだと思う。



正直に言ってアホだと思う。うん。

何故に実行しようと思ったんですか?うん?



それから理一は両親が出掛けて三時間ほどでギブアップした。

その時はなんで早く帰って来ないのやら、イライラやら、悔しいやらで色々な感情の涙とよだれなど色々出てきたのを覚えている。弟からはすげぇー心配された。ある意味成功だと思う。





そこから理一はまた思った。


『人間の体はどうなっているのか』


理一は成長して脳みその収容能力も成長していた。

そういうこともあり、まずは中学と高校の勉強をすべて頭に叩き込んだ。そこから人間の体の細かい作りを勉強した。覚え終わり暇だったので他の大まかな生き物の生体までも頭に入れたのだった。





そして時は流れ、こんな調子で意味の分からん研究を色々として、理一は中学一年生になった。



入学して1ヶ月ほど経った頃。

その頃の理一は何を思ったのか武術にハマっていた。


ある日理一と同じクラスにケバ(くそ)がいた。

そいつはレディースの総長であった。


はい、ここで登場、レディースの総長。


そのケバ(くそ)は誰彼構わずメンチを切り授業中に暴力、奇声を発したり、などと授業妨害を繰り返していた。


そしてある時そのケバ(くそ)が理一に絡んだのだった。

よく分からない戯言をわめき散らし、ちょっかいを通り越した事をされたが理一は相手にするのが面倒だったので無視した、のだがケバ女はそれが気にいらなかったらしい。


いきなり理一の右頬にパンチをしてきた。


何の反応も見せなかった理一だがこの時はマジでビビッた。



そして可愛がりという名の暴力が始まった。この時はまだ屁でもなかったのである。

しかしある時理一の堪忍袋が切れた。


ケバ(くそ)のグループが理一の鞄についている弟からもらった熊のキーホルダーを取った。それを周りの人たちに見せつけるように踏みつけ水入りバケツに突っ込んだ。


その時間帯はちょうど掃除時間であった。

バケツの中の水は、普段の生活を掃除した証を見せつけるように、ひどく濁っていた。理一の中学校の評判はよく、多くの偉い子ちゃんが沢山居たのだ。だからきちんと掃除がされていた。

そんな中でケバ(くそ)の存在は異様であり、異常であった。




理一はついに切れた。


武術を学んでいた理一。バケツに突っ込んだ奴をぶっ殺す勢いでなぶった。ケバ(くそ)の肩を持っていた奴も同様に。男女問わず。


そしてケバ(くそ)にもそれらをやった。集団のリーダーなのだから当然だ。


しかしそれだけでは理一の気は収まらなかった。


追加でケバ(くそ)の髪の毛を持ち上げ水入りバケツに顔面から突っ込ませた。

気絶しそうになったら顔を上げて呼吸をさせ、整ったらまた入れる、その行為を繰り返す。


許して、と言ってきたから、バケツの中の水を全部飲んだら許してあげる、と言ったら泣いて嫌だと言ってきたので仕返しと言わんばかりに右頬をグーパンしてやった。

すると騒ぎを聞き付けた教師などが理一のクラスになだれ込むように入ってきた。


理一の暴走はそこで幕を下ろす。


何かしらの罰があるとは思っていたのだが何故かおとがめなし。


それは、ケバ(くそ)が虐めていた奴のなかに金持ちの良いとこ坊っちゃんがいたから。



まじで自業自得だ。

多分金持ちの坊っちゃんは『乗るしかない、このビックウェーブに』とか思ったんだろう。いや、知らんけど。



そのあとケバ(くそ)がどうなったかは分からんし、言わなくても大体分かるだろう。







あとで知ったことだがケバ(くそ)は小学校の頃に理一を裏切ったK(カス)子だったと分かった。




そんなこんなでレディースの総長を勢いで倒しちまった理一。


レディース、『(ブラック)強風(ゲイル)』にはこんなルールがあった。


『総長を倒したやつが次の総長になる!』





単純なルールではあるが、これは理一が次の総長にならなければいけない、ということを示していた。

レディースはすぐさまそのルールに従い理一を総長にしようとした。もちろんそんな面倒なことはしない、と断った理一だが、倒した前総長、ケバ(くそ)はレディースのメンバーの中で一番強かったらしい。そして嫌われていたとのこと。


そのケバ(くそ)を倒した理一が総長に適していると。

そんなこんなで勝手に盛り上がられて無理やり話をつけられてしまったのであった。


後で聞いた話だが、ケバ(くそ)の肩を持っていた奴等は怖くて逆らえなかったそうだ。

…そんなんならレディース辞めれば良いのに、とか思ったが口には出さなかった理一である。




そこから理一はレディース道へと突入。喧嘩の勝ち方をぐんぐんと吸収していった理一はいつしか他のグループをも制覇し、取り込み、というか勝手に入ってき、強豪集団となった。


理一はめんどくさがりではあったが人柄は良かったので、下っぱは理一の存在を尊敬し、理一は良き友として接した。(そんな状況でも理一は変な研究、もとい勉強に手は抜かなかったのだが。)





またまた月日は流れ、理一、15才になる。

そして中学卒業の日、理一は思った。


【まだ見ぬ景色】は?



それは【逆の世界】







そう、それは、高校生活では下の存在になること。

つまりは『いじめられっこ』。理一は成績は良かったが下の存在になるために普通より下の高校に通った。中学の近くだと総長ということがバレるのでなるべく遠くの高校を受験した。


そして理一は下の存在まで成り下がった。サンドバッグ生活になってから約6ヶ月。ちなみに殴られたり蹴られちゃいけない所は気づかれないようにきちんとガードしてるょ。



その時理一はこの状況に飽きていた。理一の心は枯渇していた。面白いことがなかったのである。

そんな心境だったもんだから、理一をサンドバッグにしようとした奴らを逆に返り討ちにしてやったことがあった。



気づいたら理一は怪物を見るような目で見られている。


まるで自分よりも大きな存在に恐れるように。



ここで思った。




(ああ、、この反応は面白い……!!)






そして理一はいじめっこに呼び出されては返り討ちにしていった。








さて。



ここで最初らへんの場面に戻ろう。

理一は人があまり来ない所でサンドバッグにされて一人の男にその身を傷つけられている、と言ったのを覚えているだろうか?



理一をサンドバックにしている奴は理一がそんな存在とも知らない奴だった。



ご愁傷さまだ。









しかし理一の記憶はそこで途切れている。

何故異世界転移した瞬間を覚えていないのだ。何故覚えていないのだろうか。




理一はそんな可愛い存在にサンドバッグにされている間



寝た。

理一だけに言えることだがあの男の暴力は理一にとって攻撃力5だったのである。



そして夢を見た。

夢の中で美味しい金平糖を食べた気がする。




そして目を開けた瞬間、異世界のあの王室に勇者召喚されていた、ということであった。





作者「こんな子供おったら人類滅亡やんけ」

理一「ふっ、それほどでもない」(゜∀゜)フハハハハ

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