人物紹介 ―第三章 少年剣士修行編―
登場人物紹介 少年剣士修行編。
ご覧いただき、ありがとうございます。
今回は第3章の人物紹介編です。
子供であった主人公が恵まれた家の子供らしく、綺羅星の様な家柄の幼馴染たちとすくすくと育っていく様を見てもらいました。
ところがこんな輝かしい日々が一瞬で暗転してしまい、より過激に過酷な剣士の道を進むことになります。
では3章のご案内です。
パパの浮気に切れたママに連れられ、ガーブウルズにやってきてしまったラリー。
そこはこれまで華やかだった王都とは180度異なる、険しい自然と野蛮な気風に満ちた過酷な大地だった。
輝く様な都市文化も無く、タフである事が何よりも美徳のこの世界で、ラリーの剣士としての才能も又新しい覚醒を遂げる事になる。
そんな中で起きたバルザック男爵のゴタゴタに見舞われ、家族は予定された収入が得られない事に。
その為ママは仕事を始め、ラリーは野放し状態になる。
そんなラリーだが習慣であった朝練をしていると、幽霊に出会い、彼に剣を教わる事に。
そして昼間は自分もお金を稼ごうと考えた。
そんなとき、自分と同じ歳の子供がゴブリン狩りで稼いでいるという噂を耳にする。
これに飛びついたラリーはハンターギルドで、このゴブリン狩りで稼ぐ少年、ジリと仲良くなる。
こうしてラリーの剣は練習の為ではなく、ゴブリンとの殺し合いに勝つ為の、工夫へと変貌。
こうして二人は順調に金を稼ぐことに……
その中でゴブリンとは思えない程の強者“母無し子”の噂を耳にする。
それに魅了されるラリー。
そしてゴブリン狩りで名前を挙げた二人は、ハンターギルドの顔役であるバームスとその父親で、男爵に仕える元騎士のゴッシュマと知り合う。
このゴッシュマに改めて剣を習うラリーは、剣だけではなく、レスリングやダガーと言った近接格闘技も学ぶことになった。
だが叔父の病状はいよいよ深刻となり、彼を直すにはエリクサーが必要となった。
ラリーは“母無し子”討伐の失敗後、このエリクサーを取りに王都に戻る事に。
ところが王都でラリーを待っていたのは、妻の貞操に対して不信に駆られた父親。
そしてラリーを剣士として超える事を願い、一方的に敵視したフィラン王子たち、かつての仲間たちの姿なのだった。
こうしてわが身を襲う孤立と、孤独の中でラリーの剣だけは気迫と輝きを増していく。
これまでのコメディ路線を捨てて、シリアスなシーンが多くなったのがこの作品です。
また一話当たり原稿用紙20枚ぐらいだった作品が、現在の40枚から60枚の分量になります。
その為3章だけで1章と2章を合わせた位の分量です。
あれだけ仲が良かった幼馴染たちが、殺意をぶつけて削りあい、ラリーに立ち向かう展開は賛否両論巻き起こしました。
見るのが辛いと言われたこともあります。
その為痛みの有るライトノベルと呼ばれるようになりました。
良くも悪くもこの作品が個性を確立したのは、この3章からだろうと思います。
少年剣士達が、強くあろうとしてがむしゃらに生きていく様を楽しんでください。
―主人公
《ゲラルド・ヴィープゲスケ》
愛称はラリー。
貴族だと思われるのを恐れて、ラリー・チリと名乗って活動した。
冒頭あったように母親に連れられて、紺の過酷な大地雪原が広がるガーブ地方にやってきた。
いよいよ霊媒体質が目覚めてしまい、幽霊とたびたび出会うようになる。
ただその中で叔父の幽霊が自分に剣を教えてくれていたことに、後に気が付く。
ラリーが叔父のガルボルムの為に王都に向かったのは、その恩返しの為でもある。
ラリーは叔父の代わりに男爵を引き継ぐ可能性もあったが『男爵になるなら叔父の不幸ではなく、自分の剣で成る!』と宣言した。
これが理由でガルボルムは、復活して以後ラリーを何くれと可愛がってくれるようになる。
ラリーはゴブリン狩りの最中、今最も有名なゴブリンの強者“母無し子”の事を知る。
それは多くの剣士やハンターの命を奪ったゴブリンであり、それを追いかけて多くの男が追っている獲物でもある。
その初遭遇は悲劇で終わったソードマスター、ワースモン・コルファレン隊との行動の時である。
ここで命を懸けて戦ったラリーは、ジリのボーガンによって危機を脱する。
だがしかし、いつかこの“母無し子”を斬る事を目指すラリーは、エリクサー回収の為一時的に王都に帰った際、師のボグマスより奥義を浴びせられ、それを一年がかりで自分のものとする。
そしてそんな自分の姿が、フィラン王子の嫉妬や敵対心を煽り立て、両者の対立は決定的なものに……
ラリーの剣は“母無し子”そして“フィラン王子”と言う二人の宿敵を倒すためにますます鋭さを増していく。
―メインキャラクター
《イリアシド・ネリアース》
ラリーの幼馴染で愛称はシド。
ラリーと対立する王子に納得がいかず、仲間の中では、いちばん最後まで仲直りの機会をうかがってくれた。
だがその願いは叶わなかった。
クラリアーナと交際したらしい。
《イリアン・ホーマチェット》
4馬鹿の一人で主人公の親友で幼馴染。
王子の気持ちを察し、彼に従うも内心ではラリーと揉めることに不満がある。
剣術に尾腕がメキメキと上達し、女の子にもてるように変わった。
《イフリアネ・ダマト(カルオーン)》
愛称はリア。
ひたむきに強くあろうとするラリーの姿に感銘を覚える。
だがその姿こそフィラン王子の嫉妬を刺激したものだった。
フィラン王子のラリーに対する姿に不満であり、ラリーに声をかけた。
《ガストン・カルバン》
元々カルバン家と言うのはバルザック家の一族の家であり、カルバン地方を収める領主でもあった。
ところが父のハギタルがバルザック家当主の、ガルボルム暗殺を狙った事でガルボルムに処分された。
結果、家は没落する事になった。
その為成長したガストンは、没落したカルバン家を再興しようと奮起して、ライオ・フレル・ダブリャンに接近した。
そこで凶暴なゴブリン“母無し子”討伐に参加するのだがそこで不覚を取り失神。
ラリーやジリに助けてもらう。
以後彼等と縁が出来、また次の職場で上手くいかなかった関係で、その仕事を辞めラリーの修業を手伝う事になった。
コルファレン一家残党のボスである、サチモス・コルファレンの姪で、前のボスであるワースモン・コルファレンの娘と恋仲になり、章の最後で結婚した。
《ゴッシュマ(ゴーシュ)・グラガンゾ》
バルザック男爵家に仕える騎士グラガンゾ家の前当主、今は息子のバーダムに家督を譲っている。
剣術をこよなく愛する、小遣い稼ぎの為門番の仕事もする。
次男のバームスが連れてきたラリーを可愛がり、剣術だけではなくレスリングにダガーと言った近接格闘技術、そして敢闘精神を叩きこんだ。
主家であるバルザック家を守ろうとしたラリーの為に、ただの剣士免状者ではなく、ソードマスターになろうとした。
ラリーにとっては身内ともいえる存在。
《グラーナ・ジスプラスト(ラーナちゃん))
愛称はラーナちゃん。
兄のネザラスと一種に暮らしている。
結核を患っており体が弱い、だけど明るくて活発的な性格である。
兄貴に似てなくて可愛いと、ラリーは言っていた。
病気の方はラリーが持ち帰ったエリクサーにて完治した。
《グラニール・ヴィープゲスケ》
浮気が発覚し、妻に逃げられてしまったパパさん。
夫としては如何なモノかと思うが、これにより人々の好機の目にさらされ、加えて御者と妻の浮気を疑うようになった。
こういう不名誉な目に合うのに耐えられない彼は、ひどくエウレリアに対し怒りを覚えた。
単身王都に帰って来たラリーに、妻の貞節と今度生まれてくる子供の存在を教えて貰い、心を改め、妻を迎えに行くことに。
その為復活したばかりで、まだ本調子では無かったガルボルムの代わりにバルザック家の綱紀粛正に乗り出す。
《シリウス・ヴィープゲスケ》
いよいよ当主としての貫禄が身についてきた、ラリーのお兄様。
だが再会したラリーに告げたのは、フィラン王子に勝てば、この国には居場所がないと告げる悲しい知らせだった。
その代わりに聖地での修行の機会がある事を提示。
ラリーは後者の道を選ぶことになる。
《ネザラス・ジスプラスト(ジリ)》
愛称はジリ
彼は元々ガルベル王国の騎士家の子供だった。
だがガルベル王国滅亡と同時におじいさんに連れられて、妹と共にガーブまで逃げてきた。
おじいさんは死に、結核にかかった妹の為にゴブリン狩りに精を出す。
これはハンターの資格がないため仕方なくなのだが、それを耳にしたラリーが強引に自分を売り込む理由となった。
その後はラリーと行動を共にし、彼と修行も仕事も一緒にコンビを組んでやるようになる。
この章の最後でバルザック家に弓兵として雇用されることが決まった。
《バックス・ペッカー》
何故かラリーと一緒に極寒の地に連れてこられてしまった。
頻繁に主人公と行動を共にするようになり、エリクサーを持って帰る場面においては超重要な働きをする。
主人公ラリーの秘密兵器として活躍した。
《バーダム・グラガンゾ》
現在のグラガンゾ家の当主。
見た目ソフトに見えるがそこはグラガンゾ家で、明らかにバームスよりも危険。
ただしバームスよりも真面目である。
《バームス・グラガンゾ》
ガーブウルズの顔役の一人であり、ハンターギルドを仕切っている。
何かと騒ぎを起こすラリーやジリに興味を持ち、ギルドでその様子を見ていた。
ラリーの10にも満たない子供とは思えない、振る舞いを気に入り以後可愛がる。
収入を必要としたラリーに現金収入の仕事を紹介したのは彼である。
こんなことがあるので、ラリーとの仲がすこぶる良い。
ラリーのガーブ時代を語るうえで、欠かすことができない人物である。
《母無し子》
この名前はあくまでも人間達が、彼と他のゴブリンと区別する為に便宜上付けた名前である。
彼が親から与えられた名前は“女々しい奴”である。これは外伝に記載がある。
彼女の母は人間であり、イライナと呼ばれていたが、父であるゴブリンに攫われ、苗床にされた。
ゴブリンは苗床を尊重する事は無い。
しかし彼だけは別でまた苗床である母親を大事にした。
身体的な特徴としては、他のゴブリンよりも、規格違いに大柄の体格、高い知性を持ち合わせている。
敵味方区別なく残酷にふるまう事が出来る。
かと思えば、優しさを示したりと、その性格は行き当たりばったりなところも多い。
母が人間の子供を食べて以降気が触れたこともあって、彼は子供と女は襲わなかった。
そのため捕食対象は人間の大人の男である。
その為多くの剣士やハンターを襲い、そして捕食した。
彼がハンターギルド及び、狼の家から狙われたのはその為である。
ゴブリンは群れる動物だが“母無し子”は、常に一人なのも彼の特殊性を示す。
彼の戦いは常に彼一人が、あらゆる局面に対処する事を念頭に置かれた戦い方であり、その戦い方に定型は無い。
その場所の特性を生かした奇襲を得意とするが、正面から戦う事も多くゴブリンとは思えない強靭な体を活用した戦い方をする。
ガーブウルズにおけるラリーの剣は、この母無し子を倒すための剣であり、その為の修業であった。
ラリーがレスリング、ダガー、そして剣術の奥義などの習得に必死だったのは、この最初の宿敵“母無し子”のせいだ。
ラリーに敗れ死ぬ彼だが、ラリーに墓と墓碑銘を贈られ、母の傍で眠っている。
《フィラン王子》
4馬鹿の大ボスにして、ホリアン王の次男。
これまでの極端な内向性からは、だいぶ変わり積極性を発揮している。
ラリーが居なくなった後、魔導大学付属剣術学校をけん引した剣士。
センスの塊のようなポテンシャルと、見た目では想像もできない程の熱く激しい、剣への情熱が特徴として備わった。
久しぶりに現れたラリーに対し、周囲が大きく剣士として期待をかける姿に激怒。
これは自分こそが学校を引っ張ってきたし、実力だって劣っていないという思いの表れである。
フィランの剣は、このラリーと言う影を自分で切り払う為の剣であった。
そして自分を変えてくれた、剣への愛情が込められている。
ラリーよりも体格に劣るが、決して力負けしない強い芯を持った強靭な体と、難しい場所にやすやすと突き入れる、剣の抜群の制御力があり、その特性を見込まれて師のボグマスから、奥義“流し目斬り”を伝授された。
このように過去を忘れて一方的にラリーを敵視視したが、これは彼がラリーを嫌っての事ではなく、ライバルだと思っていたからである。
人間関係のヒントを現実からではなく、騎士道物語などの本から拾ったがための過ちかもしれない。
最後にラリーと仲直りをしたが、そこまで相当こじれたのは彼に原因がある。
……ラリーの少年時代、最後にして最強の敵になったのもこのフィラン王子。
《ボグマス・イフリタス》
ラリーたち4馬鹿の師として活躍したが、今章よりフィラン王子の教師としての性格を、より強く表現するようになる。
奥義を教えて欲しいと言ったラリーを傲慢だと思いながらも、その苛烈で向上心に満ち溢れた姿に愛情を覚えついに“撓め斬り”を教える。
この技はラリーの得意技となる。
そしてラリーは今や他所の道場の剣士であること(ゴッシュマは狼の家所属の為、その弟子となったラリーは狼の家の剣士になる)から敵だと言う、王子に気圧され。
フィラン王子をラリー超える剣士に育てる事を決意。
フィランには高めに剣を構える事が多いラリーに対抗するべく(屋根・貴婦人の構えは剣の切っ先が頭上の高さを越える)、別の奥義“流し目斬り”をフィランに授けた。
《フィリア・バルザック》
ガルボルム・バルザックの一人娘。
登場時はまだ3歳である。
今にも消えてしまいそうな家族におびえて暮らしていたが、父をラリーが救った事で危機を脱した。
新たに生まれたラリーの弟、ローゼスを可愛がっている。
《マルキアナ・バルザック》
ガルボルム・バルザックの妻。
つまりラリーにとっては母方の叔母に当たる。
ガルボルムが倒れ精神的にもおかしくなりかけていたが、ラリーがエリクサーで夫の病気を治してからは言動が安定する。
ママさんことエウレリアとは、昔から仲が良い、そして他の親戚とはうまくいっていない。
その為ガルボルム・バルザックとその家族にとって、最も信頼に足る有力な親戚とはヴィープゲスケ家でもある。
他の一族は緊張関係にあるか、それとも一歩離れている印象である。
彼女は夫の復活後、娘や夫と一緒に、王都に移り住んだ。
―サブキャラクター
《アリワレール・ダブリャン》
ライオ・フレル・ダブリャンの息子。
《アルローザン・バルザック》
ドイド及びガルボルムやエウレリアの父に当たる人物。
剣鬼と呼ばれ、知る人からは多くの思い出を残した人物。
どうやらラリーによく似ているらしく、ラリーをアルローザンと比べる人も多い。
名前だけの登場。
《イライナ》
元はこの地に派遣された女魔導士だったらしいが、ゴブリンの襲撃を受けて攫われ苗床になる。
その結果生まれたのが“母無し子”であり、心をおかしくした彼女は、別のゴブリンに殺された。
彼女の墓は“母無し子”が彼女の為に、人を攫って作らせたもので、彼はその墓に毎年ヤゴリアス草の花を捧げていた。
《エミナ・グラガンゾ》
バーダム・グラガンゾの妻、針仕事が得意で、せっせと自分の服を作るラリーを救済して、成長期の彼の服を用立ててくれた。
《エリクシールの爺さん》
そもそもエリクシールとはエリクサー調合が可能な、薬師の事である。
今から6年前に死亡、ポンテスの元飼い主。
薬神ジスパニオより知恵を賜り、エリクサーを調合できる特殊な薬師エリクシールとなった。
ところが本人は万物の法則を歪めるこの薬をよくは思っていなかったらしく、静かに息を引き取った。
その時ポンテスに3粒のエリクサーを残したのだが、これがガルボルム、そしてジリの妹を救う事になる。
《オーモンとハルダン》
グラガンゾ家に仕える兵士だったのだが、ラリーが帰る時に口八丁で、ラリーをだましそのまま王都について来てしまった。
調子が良く、卓越したコミュニケーション能力で次々と奇跡を成功させると評される。
オーモンの方が兄貴分である。
彼等はそのまま王都にて、ワナウが作った商会に就職した。
《サチモス・コルファレン》
ソードマスターワースモン・コルファレンが作った傭兵団、コルファレン一家のサブリーダー。
しかし兄であるワースモンが死んで以降は、活動が息づまり、停滞する事に。
剣士免状を持っている。
《シワルネ・コルファレン》
ワースモン・コルファレンの娘で、傭兵団を引き継いだが、彼女自身が傭兵として優れているわけではない。
そこで父の敵討ちを優先して“母無し子”討伐をした者に傭兵団を譲ると宣言。
その為ガーブ全体でゴブリン根絶が行われ、ゴブリンが大量にガーブ地方から逃げ出した。
その事でゴブリンによる獣害が他の地方に拡大し他の領主からにらまれる事に。
結果ガーブ周辺での仕事を失った。
その後ラリーそしてバームスの口利きで、仕事をガーブ周辺では無く、南方のシルトに求めてそちらに向かった。
彼女の夫はラリーの友人であるガストン・カルバン。
《ハギタル・カルバン》
ガストン・カルバンの父。
ガルボルム・バルザックを暗殺しようとしたことで粛清された。
その結果カルバン家は領地召し上げとなり、家は事実上滅亡した。
カストンが苦労するのはこのせいである。
《べダン・ラスク》
ワナウの弟、お金が大好きで兄よりも商売の才能がある。
その為ワナウが作った商会は、出資比率的にラリーがオーナー、ワナウが共同出資者、そしてこのベダンが社長となって始まった。
《ネルネ》
騎士の子を身ごもってしまい、それが為に子供と離れるのが嫌でアルバルヴェの王都を目指すことになった。
ガーブ地方を脱出し、エリクサー回収に向かうラリーを助けた。
そしてそのための資金を稼ぐために宝石の密輸に加担したが、ホーツリッツの街の顔役は成功報酬の支払い拒否。
それに憤慨したラリーとペッカーが、ホーツリッツで大暴れする原因を作ってしまった。
ラリーが自分の為に取った、王都セルティナ行きのチケットを彼女に譲ったので、彼女は何とかセルティナに辿り着いた模様。
《騎士ヨーフス》
ネルネと恋仲だった騎士。
彼には子供が無く騎士家は断絶するところだった。
ところがネルネのお腹に彼の子がいる事が分かり、騎士家に仕える人、そして彼の妻はこの子を強奪し、嫡出子として育て騎士家を継がせることを希望した。
こうする事で家の断絶を防いで失職を免れ、将来の不安がなくなるからである。
ところがネルネは脱出した。
《ヨルダン・ベルヴィーン》
ソードマスターストリアムの弟子で、ストリアムが最もその才能に期待を抱いている騎士。
聖地の聖騎士である。
ストリアムの仕事を手伝い、新しく聖地に連れて行く、小姓を発掘するために剣術大会を見に来た。
《バルザックの分家、3家の祖》
リフ・ワーマロウ(ワーマロウ家の祖、初代ワルダ・マロルの弟)
バジル・バルザック(カルバン家の祖、クリオン・バルザックの息子)
コーレン・バルザック(ダブリャン家の祖、クリオン・バルザクの息子)
《ライオ・フレル・ダブリャン》
ダブリャン家は、バルザック家の飛び地である、王都セルティナ近くのダブリャンを治めていた。
その為王都に伝手が多く、彼は剣術の腕にこだわる宗家の弱体化を見て、宗家乗っ取りを王都の他の貴族の力を借りて成し遂げようと企む。
その為ラリーにも目を付けたがラリーは、これをきっぱりと拒否。
そしてガルボルムを復活させてしまう。
その事で立場を失った彼は王都近郊では無く、領地を旧カルバン家の土地と入れ替える事になってしまった。
《ワタレル・ワーマロウ》
ガルボルムは、親戚から見れば強引なやり方が反感を持たれる人物で、ワタレルもそれを嫌っているが、どうしたらよいのか分からず、ライオ・フレル・ダブリャンに従っている。
ガストン・カルバンの親戚にあたる。
《ルシェル・キンボワス》
愛称はルーシー、ラリーの初恋の相手。
しかし離れていた2年もの月日は長く、彼女は婚約をしてしまった。
ショックを受けたラリーは、捨て鉢になり接待試合をするよりも、フィラン王子と雌雄を決する道を選ぶ。
《ローゼス・ヴィープゲスケ》
崩壊しかけたヴィープゲスケ家に生まれた末っ子である。
仲直りに躊躇していたグラニールは、ラリーとこの子の為に妻と仲直りする事を決断した。
クソ猫ことポンテスに頬や額を猛プッシュされると泣き止むらしい。
フィリアちゃんに可愛がられている。
《ワースモン・コルファレン》
ソードマスターにして傭兵団ワースモン一家の創業者。
生前はラリーとはあまり仲が良くなかった。
ところが死んでからは霊媒体質のラリーの体を使って、自分の剣を教えたりと、気に入っている模様。
傲慢で才能にあふれた老年の男。
若い頃はまったく我慢が出来ず、方々を渡り歩いた事でかつて見下していた連中に頭を下げないと仕事がもらえない状況に辟易している。
その為仕える主を探していた。
そんな折ライオ・フレル・ダブリャンに子を掛けてもらい、彼に仕える為にゴブリンの“母無し子”討伐に参加する事になった。
ところが“母無し子”をたかが体大きいだけのゴブリンと侮っていた彼は、火山性ガスにまかれ窒息死してしまう。
《ワナウ・ラスク》
ママの家出に巻き込まれ、辺境のガーブにまで付いて来る事になってしまった可哀想な御者。
しかもグラニールから、エウレリアの浮気相手ではないのか?と疑われていた。
ただし彼も転んでもただでは起きず、代わりに給料を2倍にしてもらった。
このお金を貯金して作った70000サルトものお金で彼は自分の商会を作る事になる。
ガーブで修業するラリーと最後まで行動を共にし、深くラリーに信頼された。




