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疾風の吹く頃に  作者: グレイキャット
出会い
5/9

女主と疾風

 「それで?盗らなかったのかい?」

 女主おかみは、ため息まじりに言った。

 疾風がかまいたちの衣を盗みに入ってから2日・・・彼は、ある宿屋にいた。疾風の育ての親である女主が経営しているこの宿屋は、彼の家のようなものだった。

 疾風は、くつろぎながら、女主を見た。

「うん・・・使い物にならなかったしな・・・・・・」

 女主はふか~いため息をついた。

「あのねぇ・・・羽織るだけの衣なんて誰もいらないわよ・・・・・・。2つにちぎれていたほうが、使いみちはあるんじゃないの?」

「・・・・・・今更?」

「もう一度行ったら?」

 ガクッ!と疾風がイスからすべり落ちかける。女主が、無理難題を言うのは、とっくの昔に分かっていることだが・・・。本当に無茶苦茶な人だ・・・・・・。

「行けるわけないだろ・・・次行ったら、さすがに殺されるよ」

「同じようなもんでしょ」

 疾風は、憎悪のこもった瞳で女主をにらみつけた。

 女主は、捨て子であった疾風を拾い、ここまで育てた。いい方向に育ったのか、悪い方向に育ったのかなんて誰もわからない。ただわかるのは・・・女主は後悔していないということ。疾風とともに、生きてきたことに・・・・・・。だが、疾風を育てたのは女主だけではない。ある1人の男も、彼を育てた。疾風に生きるすべを教えたのだ。ちなみに、盗みの技を教えたのも、その男である。そのとき・・・・・・。

「よぅ・・・疾風・・・・・・元気だったか?」

 1人の男が、疾風に話しかけた。

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