呪われた白猫①
私の名前は雄々しき白描ワシントン。古き盟約によりてトンプソン家の領地を守護するものなり。幾数百年前からの約束にして祝福の呪いが解けようとしている。
1000年ほど前にトンプソン家から優秀な魔法使いが排出された。だが彼は次男であり、魔法使いの血を欲しがった貴族へと婿入りした。そのころから農家であるトンプソン家には『ネズミによる畑の被害』に悩まされていた。
そこで母親たっての願いで次男はある魔法を行使するに至る。
この白猫はトンプソン家のネズミを駆除するかぎり永劫に朽ちず若いまま、という呪いをかけられた。ただ延命するだけというのは難しかったらしく、それは呪いという形で成就された。
だが飼い猫だったワシントンは喜んだ。
永久に若く強くどこまでも地平線の彼方までネズミを追いかけまわせる日々が約束されたのだから。数百年の間に当主はうつりかわり、いくつもの戦乱や災害を潜り抜けてもなおトンプソン家は不滅だった。それと共にワシントンの血脈も増え素晴らしい時代を過ごした。
だがそれも100年ほど前に唐突に終わりを迎えた。領主の鞍替えであったがそれ自体は珍しい事ではない。ただ領土争いで平民を天役のもとに無償で戦にひきずりだし、あまつさえ重税を課した。
10年前に若が兵役で散った。それからというもの老いた両親と残された嫁とで畑を守った。3年前のとてもとても寒い日の朝、家長は天に旅立った。
それから老婆と母と娘でなんとか貧しいながらも食いつないで生き延びてきた。だがそれも限界に来ていた。疲労の蓄積された老婆は寝込み、まともに動ける母も日を追いごとに痩せてきていた。娘はなんとかしようと畑に朝早くから耕しにでかけた。
そろそろ夏もさしかかり野菜も青々としてくる季節…のはずだった。
地面がひび割れるほどの干ばつに見舞われた。
白猫ワシントンは家が断絶し呪いがとけることを恐れた。永遠の春のような日々に急に暗雲が立ち込めてきたのだ。
まだ12歳の娘ではできることに限界があり、畑の知識なども不足していた。それを補う母もとうとう病の床に臥せてしまう。なにか自分にできることはないのかと焦燥感に駆られてしまう。
「もういいのよ、町に行って奴隷にでもなればまだ生きられる」
「婆はもう十分に生きたから、爺様たちと天国で待ってるからお行きなさい」
深く乾いた咳をする母と枯れ老いた祖母が娘にこの家を捨てて生きなさいと語る。母のベッドに腰掛けている祖母はにっこりと笑いながら、母の胸につっぷして泣いている娘のきれいな髪を優しく撫でた。
「神よ…いや悪魔でもいい!私にこの家族を幸せにする力をお授けください」
雨漏りのひどいボロボロの傾いた小屋で一匹の雄猫がにゃーと鳴いた。
ちゃらららららーん、ちゃららららー♪
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ギルドメンバーのショクキングこと三星葵が雑貨屋に住み込みで雇われて数日。
店主である「ひまじん」は呼びにくいとのことで「暇人さん」と呼ばれるようになっていた。カフェの台所から始まり埃がたまった商品棚とつづき、こびりついた汚れのある床を掃除していた。コンクリ―トなのでデッキブラシに腰をいれて掃除する日々がつづき日曜日になりやっと解放された。
「暇人さん全部おわりましたー」
エプロンと三角巾にハタキと掃除の定番の格好で額に汗する葵が報告した。店主はネットゲームばかりしているかと思いきや、商品の仕入れから製造までなかなか意欲的に活動していた。
しかも決まって布団で寝ずに、葵がどこかで行き倒れている店主を発見する毎日が続いていた。
「おーじゃあ今日は開店日だからエクスプローラーズやろう!」
そして営業日になった瞬間に朝からネットゲーム三昧ということになった。葵は色々なところからゲームしていたので自分のパソコンがない。
すると店主がエイ○アンとよばれるハイスペックノートPCを数台ひっぱりだしてきて「もう使わないから好きなのあげる」ということで「借りる」ことにした。
【フラワー:^^】
【x俺最強x:全員揃った?】
【六花:噂をしてればなんとやらですね】
【ひまじん:こん】
【ショクキング:放浪のショクキングただいま帰還】
【白猫LOVE:活動組み集合奇跡wwww】
【BLACK微糖:お久しぶりですショクキングさん】
現状活動しているギルドメンバー全員がひと月ぶりくらいに揃ったことに賑やかになるチャット欄。
その中でもトップニュースは、ショクキングが『雑貨屋』で働き始めたことである。なにせ秘密主義のマスターと揶揄される店主を陥落したのである。
ショクキングは一度だけ観光に都内にきた六花と会った経緯があるので矢面に立たされたのは必然的に「ひまじん」である。
【BLACK微糖:たしか自分より干支分年上でしたよね、ひまじんさん】
【ひまじん:いーえ、永遠の二十歳ですがナニカ?】
【フラワー:^^;】
【六花:今度そちらに遊びに行きたいです】
【x俺最強x:夏休みの宿題教えて下さい】
【ひまじん:店は異世界にあるので来れません】
【ショクキング:台所は間違いなく異世界だった】
【白猫LOVE:1人暮らしのオッサン乙wwww】
葵は心の中で「本当に異世界なんだよー(笑)」と叫んでいた。店内には大型シャッターひとつと扉2枚あるのだが溶接されているのかと思うほどビクともしない強固さ。しかも鍵があるわけではない。外に出たいときは『自動ドア』でしか行けない。使用許可を初日にもらってから試したがほとんど魔法か○こでもドアとしか形容できなかった。
これについては仕事に必要だから後で説明するとは言われているが驚くばかりだ。
ちゃらららららーん、ちゃららららー♪
「ログインしてまだ10分してないのに… いらっしゃいませ『雑貨屋ひまじん』へようこそ」
店主はすぐそこに自動ドアが現出したので瞬時にスマイルモードに突入する。カフェにいた葵も見習っておじぎをした。
「いらっしゃいま…暇人さん、それ猫ですよね」
そこには白く毛並みの美しい猫がたたずんでいた。店主と葵を値踏みするように一度だけ眺めると首を傾げてから声をあげた。
「神か悪魔か、存じ上げぬが私の願いを叶えてくれるのはどちらの方だ」
葵は白猫が日本語を話しているのに驚いて目を真ん丸に見開いていた。しかも口はニャーという形なのだが言葉はちゃんと伝わっていたことが不思議でたまらない様子。
「いらっしゃいませ『雑貨屋ひまじん』へようこそ」
店主は営業スマイル崩さずに同じセリフをその猫に向かってはいた。葵は驚いていたがこの慣れた対応は一度や二度ではなさそうなので静観することにした。
カフェのテーブルに乗せられた白猫ワシントンは事情を店主に打ち明けてから、葵が用意したドッグフードにかぶりついていた。はじめての味に興奮ぎみのワシントンはぺろりと平らげた。
「おかわりしますか?」
「…この美味なる穀物をトンプソン家の者たちにも分けてはくれないか」
「食事は人間用で準備するから心配しないでください。それよりも打開策と私たちへの報酬を決めていただくほうが先決です」
山盛りのドッグフードを追加されると食欲の衝動が抑えきれずにまた食べ始めた。それを葵が頬杖をついて楽しそうに眺めている。
「残念ながら人間の欲しがるような金貨や宝石はない。代わりにといってはなんだが、話にでてきた『祝福の呪い』を譲渡することはできる」
「報酬は決まりということで、解決方法に希望などがあればお聞きします」
店主は片目をつぶり、たばこの葉を詰めるようにとんとんとテーブルに重力まかせに叩いていた。代価としてはあまりに魅力的な報酬。そこから転売するとしたら永遠の命はいったいいくらになるのだろう。今回はいくら投資をしても儲かりそうなので元気100倍ひまじんまんである。
「願わくばトンプソン家に健康と繁栄を頼む」
「承りましたワシントン様、少々準備に時間がかかりますため今しばらくお待ちください」
店主は客の前だろうとお構いなしに煙草に火を灯すとカッと目を見開いた。そこからは気怠そうな雰囲気はとりはらわれ、背筋に一本の芯がとおった姿勢になり別人のようになった。
「パソコンの電源落としてくれ。今から数週間出張に行くよ」
「わ、私もですか!?」
「もちろん、働くために来たんだろっ!?」
それは仲間であるショクキングに語りかけるような爽やかなニュアンスで投げかけられた。それとなく酌んだ葵はログインしっぱなしのパソコンの電源を落としはじめる。
【ショクキング:初仕事が出張のため落ちます】
■■■ショクキングさんがログアウトしました■■■
■■■ひまじんさんがログアウトしました■■■
葵は店主が用意した服装と荷物に首をひねった。
どうみてもパーカーと皮手袋に金属の軽装鎧、そして中世で使われるような剣と槍である。サイズ的にも葵に準備されたのだろう。店主はスウェット姿にリュックを背負い豪奢な鞘の日本刀をたずさえている。
「それ着たらこっちの食糧と薬品つめたバッグもっていってくれる?」
「あ、あのこれってパーカーは先に着るんですかそれとも後に羽織るんですか」
「んとパーカーの上から着てほしいんだけど、その前にそのシャツ着てほしいんだ。ケブラー繊維っていって刃物通しにくいから。剣はベルトにかませて、槍は手でもっていく」
まったくもって中世の旅人の様相である。これで町中を歩くのは勘弁していただきたいと葵は想像してぞっとしないなと青ざめた。だが猫が話すようなところだ、都内ではないだろうと勝手に安堵する。
「ワシントンさん、準備ができたのでトンプソンさんのご自宅に案内していただけますか?」
「その前に、この『どっぐふーど』のあまりを…」
店主が葵に目線で合図してきたので槍をもってない手でむんずと掴んだ。既に自動ドアが現出しており、向こう側には広大な原野が広がっていた。
ちゃらららららーん、ちゃららららー♪
「それではいきますか」
「よろしく頼む…ニャー」
先導するワシントンが自動ドアを越えた瞬間に猫の鳴き声になってしまった。語尾がにゃーなんて可愛いなと思いつつ、もう猫さんと話せないのだろうかと考えた。だが周囲が切り替わり乾いた風が葵の髪をたなびかせると目の前の田園風景に意識をとられた。
だが、どことなく寂れた感じを受けた。葵はなんだろうこの感じと思ったが辺りを見回してすぐさまに理解できた。風景に「茶色」の割合がおおいのである。足元の雑草も水分不足でしおれていた。
「思ってたより深刻かも…」
曇天のもとで店主はしかめっ面をした。しだいに風が湿度の重さを帯びてきていることから雨が近づいてきているのだろう。雨が降る前の特有のにおいが草木から立ちのぼり始めていた。
ワシントンがにゃーにゃーと鳴いている。それと会話するように店主は頷き返答する。
「あの小屋…失礼、家屋がトンプソン家になるわけですね。私たちは偶然を装って接触してみますのであとはお任せください」
「暇人さん、ワシントンさんの言葉がわかるんですか?」
その白猫は一足さきに遠くに確認できた木造家屋へとむかって走り始めた。会話から察するにあそこにトンプソン一家が住んでいるのだろうと葵は推察した。
「あ、言葉…どうしよう。んーまあ、なんとかなるか」
「もしかして英語とかですか。だったら話せますよ」
「残念ながら英語ですらないんだ。なにせここ…次元も空間もちがうし」
「何者なんですか暇人さん…」
「くわしくは雑貨屋ひまじんドットコム。ホームページないけど。とりあえず着いたら話するから、いかにも旅人って感じでよろしく」
「旅人とか未体験です…」
そんな馬鹿話をしていると傾いたトンプソン家の前まで来ていた。電線がないことから日本の可能性がかなり低くなってきたと推察する葵。
店主はかしいでる扉を二度ノックした。中でワシントンだろう猫の鳴き声がする。
「はい、どちら様でしょうか」
そこには店主よりやや若い麻服を着たやつれた女性の姿があった。皮膚がかさついて髪もばさばさであり、纏っている麻服も年季がはいっており生活水準が一目でくみとれた。この人がワシントンの言うところの母になるのだろう。
「お忙しいところすみません、旅の途中なのですが一晩泊めていただけないでしょうか。ああ、もちろんわずかですが宿代も出させていただきますので…」
宿代という単語に反応はしたが店主が期待した答えとは異なる返答がされた。
「申し訳ないのですが飢饉がつづいておりまして、まともな食事を用意できないのです。ここから4トーイほど道なりに行けば小さい村もありますので、すみませんが…」
閉じられようとしている扉に切り出し方を間違ったと悟った店主は足を噛ませようとした時、タイミングよく白猫が母の足元にまとわりつき文字通り猫なで声で時間を稼いでくれた。
葵には店主が日本語を使っているのに、女性は聞きなれぬ外国語で当たり前のように会話しているのが不思議に映っていた。だんだんとこの非日常に慣れ始めてきた葵。
「実は連れの者が足を痛めておりまして、もし泊めていただければ先払いでこちらをお渡ししたいと思っております」
半開きの扉に隠れていた葵はすこし身体をのぞかせて足を痛そうにしながら苦笑いをして下手な芝居をうった。そのときちょうど店主が女性に金色のメダルを手渡していたのがちらりと見えた。
女性はなにかに感動したかのように泣きそうになるのを堪えながらメダルを両手で握りしめて感謝の意を表していた。
「あああありがとうございます。まったく恥ずかしいほどに何もありませんが雨風くらいはしのげます。どうぞお入りください」
「お心遣い感謝いたします。私は錬金術師のヒマジン、こちらは助手のアネモネと申します、それでは失礼します」
ふたりが家に入るころにしとしとと雨がふりはじめていた。店主は小声で家人に聞こえないように「へたくそ」と葵につぶやいたので、軽くふくらはぎを蹴ってやった。
内部は薄暗いものの思った以上に広い間取りで30畳くらいはあった。奥の方にベッドに寝ている老婆がいた。
ふたりは入ってすぐのカマド付近のテーブルに案内された。女性は湯を沸かしはじめながら自己紹介をはじめた。
「私はシャーリンと申します、奥で寝ているのは義理の母です。あとは娘のマリエッタの3人暮らしになります。それと本当によろしいのですか?」
「錬金術師として宿代だけでなく土地の情報代も含めて、ということですので無料でなく対価としてお受け取りください」
旦那の件はワシントンから聞いているので追及することもない。あくまで旅の宿を借りて、錬金術師として有用な情報を入手できれば御の字という体裁なのだ。
この世界では錬金術師のおおくは冒険者か貴族であり、助手である葵(偽名でアネモネとした)を連れているのは後者である。それゆえに金を払うから、国や珍しい資源になる情報を売ってくださいという暗喩にもなっている。まあスパイも紛れ込んでいるが危険を冒さず金で解決できるし、村人には幸運でしかない。
しかも農村に金貨1枚をかるく払えるのは名のある存在である、それを無碍にするのも損しか生まない危険性もあった。もっともシャーリンからすると切羽詰っている生活でそこまで考えは至っていなかった。
「ありがとうございます。けれども最近の干ばつであまりこれといった食事をおだしできません。申し訳ないですが白湯しかないのでご容赦ください」
無言で白湯に口をつける店主はこの土地に久しぶりにもたらされた雨を待つように間をおいてから話しはじめた。葵には相変わらず日本語と外国語の会話にしか聞こえないので黙って見守るしかできなかった。
「久しぶりの雨なんですね」
3人は屋根にあたる雨音に天井に視線をなげた。なかなかに古く寂れた感じがあるが雨漏りが一切ないところをみると大事に補修されていることがわかる。
「はい、すでに土地を捨てていくつかの家族が町へ移り住んでます。現に両隣の農家も土地を放棄してどこかへ越していきました。私たちもこの金貨で新しい生活を…」
「ただいまー!!おかあさーん雨降ってきたよー!!!」
ずぶ濡れの中学生くらいの赤髪の女の子が勢いよく飛び込んできた。シャーリンの娘だろう、肩には不釣り合いの大きい農具をかついでいた。
「マリエッタおかえりなさい。こちらは錬金術師のヒマジンさんと助手のアネモネさんよ挨拶をして」
「いらっしゃい錬金術師のおにーさんとおねーさん」
店主は「こんにちは」と発したが葵は言葉がわからないのでにっこりとほほ笑んで誤魔化した。すると葵の足元でワシントンがちょこんとお座りして待機していた。どうやらドッグフードを催促しているらしい目線。
「ワシントンただいまー」
「にゃーおぅ」
それに呼応するように雨はその激しさを増してきて急に薄暗くなっていく屋内。店主はもう一度白湯に手をのばして葵にリュックの中身を出すように指示した。
中にはソーラー発電式のLEDランタンが2つと缶詰、それから新聞紙に包まれた何かと医薬品がいくつか詰め込まれていた。
店主はLEDランタンの電源を入れると適当にそこいらに吊り下げた。白い発光ダイオードがまばゆいくらいに室内を照らしている。その隣には尽きたろうそくが埃をかぶっていた。いつから使用していないのかは定かでないが相当に貧窮しているのがわかった葵。
「シャーリンなんだいこの光は…じいさんがお迎えに来たのかい」
目を覚ました祖母がすっとんきょうなことを抜かしている傍らで、シャーリンとマリエッタは初めて見る魔法の品に感嘆の声をあげていた。実際にはLEDライトなのだが、彼女らにしてみれば錬金術師の魔法具そのものである。
「じゃあアネモネ、紙包みを開いて夕飯の準備してくれないか。私はおばあさんから病の気を感じたのですこし診てくるよ」
私アネモネだった、と気づいた葵は新聞紙の包みを開けてみた。そこには5枚の分厚い生肉と塩と胡椒のはいった小瓶があった。ご丁寧にニンニクもひとつ添えられていた。
(雑貨屋ひまじんの料理長にお任せあれ!てか先にワシントンにエサあげようっと)
葵は装備をそこいらに脱ぎ捨てるとパーカーのチャックをおろして腕まくりをした。ワシントンの餌皿らしきものが見当たらないので身振り手振りでマリエッタに気の皿を用意してもらう。
「ああっそれ食べちゃ駄目だよ、犬用なのそれ」
空腹に耐えられないマリエッタが食べられるか試すためにドッグフードをむんずと掴んでいた。葵はそれを日本語で静止するが、如何せん言葉が通じないので肉を見せると理解して食べるのを我慢した。
シャーリンにお肉を見せると自分らの分はないと思ったのか羨ましそうに眺めていたが、5枚あることを知りこれまた身振りで伝えると喜んで準備を手伝いはじめた。
今夜はトンプソン家の10年ぶりのパーティーがはじまると予感したワシントンは「なーーーご!」と雄叫びに似た遠吠えをあげるとまたドッグフードを食べ始めた。