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ガーランド帝国第三王子の事情


「ユリウス!遅いわ!」

「悪かったよ。モニカ怒るなって…」


自分に向かって頬を膨らまして近づいて来るのは本日の主役、モニカ姫だ。出掛けに自分の所属する隊でトラブルがあり、一足先にオゼット王国に到着する予定が、途中参加になってしまった事を義理の妹であるモニカは怒っているのだ。

ただ、理由は俺に会いたいとかいう可愛らしいものではない。


「ねぇ、変じゃない?侍女達もお兄様やお姉様も可愛いとしか言ってくれないの…」

「んー。いいんじゃねぇ?でもちょっと胸元開き過ぎ」

「え、…。どうしよう?アルフォンス様に会う前にストールとか持ってきた方がいい?」

「いや、ストールとかはそのドレスには合わないんじゃね?似合ってない訳じゃないし自信もって会ってこいよ」


大好きなアルフォンス兄様に少しでも可愛い自分で会いたい。だから、自分にちゃんと意見をいってくれるユリウス早く来て、という理由があるからだ。


末の姫として家族から甘やかされ、侍女たちにも可愛がられている事を自覚しているモニカにとって、ここまでハッキリ物事を指摘してくれる俺は貴重らしい。だからって、何で俺がモニカの恋愛の、しかも両想いであろう許婚との恋の手助けをするのかと、はっきり言って面倒くさい。


でも、初めて出来た義理とはいえ妹の可愛い我儘につい甘やかしてしまう。


モニカとは兄の結婚から、つまりここ2年の間仲良くしているが、話す内容といえば"アルフォンス様"ばかりである。

俺は実際に会ったことはないし、モニカに聞くばかりであるが、彼女曰く、小さい頃から優しく、紳士で、強く、まるで王子様、だそうだ。そんな人間いるのか?って感じだけど、俺はロリコン優男を想像している。まぁモニカが好きなら良いんじゃない?向こうもお前のこと好きみたいだし。


という今までの考えが色々間違えていたと知ったのは、モニカと"アルフォンス様"の結婚式でのこと。モニカは誕生日の後から元気がなく心配していたが、それよりも今心配するのは自身のことだ。


結婚式、あれだけ楽しみにしていたのにやや浮かない顔の俯きがちのモニカと、そんなモニカをまるで視線で溶かそうとしてるんじゃないかってくらい目を離さない"アルフォンス様"。


モニカ、お前たぶん間違ってるよ。あれは、優しいふりして、紳士の皮を被って、お姫様のために王子様になろうとしてる猛獣だよ。


そんな猛獣の射殺すような視線から、どうやら俺は敵と認識されている様子。


その日から俺はモニカの旦那様を、優男風腹黒鬼畜ロリコンだと認識している。


アルフォンス酷い言われ様ですが…w

ユリウスは男兄弟の末っ子なので初めて出来た妹を純粋に可愛がっています。

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