006 ステータス
GM「あなたはスライムを仲間にしました。たかがスライムと侮ってはいけません。いまはまだ弱くても育て上げればきっと心強い仲間になるでしょう。ゆくゆくはメインストーリー攻略の要となるかもしれま」
ミオ「ねんがんの ぺっとを てにいれたぞ」
ジェード「(仲間って認識ではないんですね……)」
さて、思わぬところでハーモニカの練習が役に立ったわけだけど、これからどうしよう。
とりあえず足元でふるふるしてるジェード君を撫でてみる。ん、触るとステータスが見れるのか。どれどれ。
個体名:ジェード (レベル1)
状態:正常、隷属・契約 (主人:プレイヤー“ミオ”)
種族:粘性生物
HP:10 MP:10 STR:1 POW:1 VIT:1 DEX:1 AGI:1 LUC:1(+18)
スキル:吸収 (レベル1)
変形 (レベル1)
「うわー、弱いねぇジェード君」
わたしは思わずそうつぶやいてしまい、それを聞いたジェード君が悲しそうにふるふると揺れた。
「ああ、ごめんごめん。まぁレベル1だから仕方ないよね」
ちなみに同じレベル1のわたしのステータスはこんな感じ。
楽器演奏と幸運が光ってる……というかそれ以外が残念な感じというか。なんもしてないからなぁ。
キャラネーム:ミオ (レベル1)
種族:人間
職業:狩人×魔物使い
HP:15 MP:0 STR:10 POW:10 VIT:10 DEX:10 AGI:10 LUC:10(+18)
スキル:狩人の心得 (レベル1) 探索術 (レベル1) 弓術 (レベル1)
魔物使いの心得 (レベル1) 隷属の調べ (レベル1) 戦慄の調べ(レベル1)
楽器演奏 (レベル9)
ステータスのところのプラスの表示はボーナスポイントだからLUC+18になっているジェード君のステータスを見る限り、ボーナスポイントは契約した魔物にも効果があるみたいだ。ジェード君は幸運が他のステータスの19倍というひどい格差になっちゃってる……。
と、ここでわたしの頭の中に鈴の音が鳴った。ハーモニカの練習をしているときに聞こえてきたなじみの音。レベルアップのシステムメッセージの音だ。
《システムメッセージ:魔物との契約に成功。スキル“魔物使いの心得”がレベルアップしました。ボーナスポイントを獲得しました。スキル“隷属の調べ”の発動に成功。“隷属の調べ”がレベルアップしました。ボーナスポイントを獲得しました》
おー、《魔物使いの心得》がレベル2になった。《隷属の調べ》もレベル2だ。とりあえず2ポイントは幸運に振っておこう。これで+20でキリがいいね。
それにしても、ジェード君を動かしているのはAIなんだろうけど、よくできてる。ちゃんと感情らしきものを持ってるみたいだし、こちらの言葉も理解してる様に感じる。もしかしてこれ、現実で犬とか飼うより楽しいんじゃないかな?
わたしはペット飼ったことないからよくわからないけども。……ああいや、鼠なら飼ったことあったかな。
「そういえばジェード君、何食べるの?」
深緑色の粘性生物が何を食べるのかまったくわからない。色的に草とか食べるのかな?
するとジェード君はわたしの言葉に答えるように、うにょーんと体の一部を伸ばしてとある1か所を指し示した。腕のつもりなのかな。そして、その腕(?)の先には先ほど逃げたはずのラピッドラビットが一匹。
おう……君は肉食系スライムなのね……。
次回予告:初戦闘