理想郷を目指して機動兵機は動き出す
「クリス!大丈夫!?」
朝早くにクリスの耳にそんな声が聞こえた
エスナがマユを8の字にして心配そうに言っている
「あぁ・・・昨日は悪かったな」
落ち着いた声でクリスは答えた
すると少女の表情は明るくなった
「ううん、いいよ
私、クリスが頑張ってること・・・知ってるから」
少し恥ずかしそうに言った
むろん、クリスも少し恥ずかしかった
少女の頭をかるく撫でて倉庫へ向かった
「やっぱアクエリアスだなぁ・・・ガンボーイは無理!」
クロムはコーヒーを飲みながらアッシュに言った
「ふふ・・結構動かないといけないからな・・・コイツは・・・」
アッシュは強化整備中のガンボーイを見上げながら言った
「アッシュ!おまえ、中の装備でなにがほしい?」
そう唐突に質問してきたのは整備員長のロイだった
「ん?いや、別に今のままでいいが?
そうだな・・・極上のソファでも取り付けてくれ」
「ははは、残念だったな!社長が居眠るからソファは却下だそうだ」
笑いながら言った
「そうか、それは残念だ」
アッシュも笑いながら言った
「お、今日の主役の登場か!」
ロイは倉庫入り口のクリスは発見した
「ん?」
「喜べ!スパイラルソードの新型がまもなく完成だ!」
「え!?うぉ!まじ!!」
突然のことに戸惑いながらクリスははしゃいだ
「ふふ、まだまだ子供だな」
クロムはクスクス笑いながら小声で言った
「まだ17だ
遊び盛りだよ」
アッシュも小声でいった
「さぁ!こっちだ」
ロイはクリスを別の倉庫に案内した」
「昨日はよくやってくれたねラトル君」
ソルイドはラトルを会議室によびだしていた
「あ、どうもです」
昨日の疲れもすっかり消えて朝は目覚めがよかった
「さて、今日呼んだのは敵の勢力についてだ」
「え?アトミックコーポレーションじゃあないんですか?」
ソルイドはイスから立ち上がると地図を指差した
「もちろんだ、しかし、サイバーポッドはなにもこの・・・蒼国限定の兵機ではない
ここ・・・ここが我々の今居る場所だ」
ソルイドは地図でそれぞれの場所を指差した
本拠地・AC本社・紅国・黄国
「われわれはレジスタンスと呼ばれている」
「れじすたんす?」
「そうだ、そしてACのSP部隊・・・コレが<ソルジャー>だ」
「え?ACはSP以外に戦闘兵機を!?」
「あぁ・・・他の部隊とちがいACは無人兵機を所持している
そして、今当面の問題はここ
紅国のSP部隊<バスターズ>だ
黄国のSP部隊<ガード>は文字どうり防衛部隊だからしばらくは問題ない」
「バスターズ・・・がどうかしたんですか?」
ラトルは深刻な問題であることを場の空気で察した
「それについては僕が説明しますよ」
ずっとイスに座っていたミドルが立ち上がった
そして、ラトルに資料を見せた
「これは重要機密ですのでお渡しすることはできませんが、見てください
今まで紅国が所持していたSPは2機
RCS−039デスサイズ
RCS−103タクティクスです
しかし、奴らはもう一機のSPを所持したのだそうです」
「あの、このナンバーってなにか意味があるんですか?」
「えぇ・・・このナンバーの最初の2ケタは戦闘距離を表しています
もっとも最長なのは23のアクエリアスですね
最後の1ケタは国によって違います
話を戻しますね
この2機、デスサイズとタクティクスは何度もACと戦闘を繰り返しています
つまり、かなりの強敵です、お互いね
そしてこの新型機・・・初陣で投入するとすれば・・・」
「今、最も最弱の・・・ここ?」
「そうです
こちらもパトリオットを除いて2機所持していますが
残念ながら敗北数が上回っています」
「つまりだ」
ソルイドが注目を自分に戻した
「おそらくACはしばらくは攻めて来ないだろう
今、厳重に警戒しなくてはいけないのは紅国だ
ファイアストームはもぅ使える(コールに禁酒令を出したのはナイショ)
ブラックレイはまだ無理だがな・・・」
「ゲインさん・・・準備ととのいました」
ゲインが黒い戦闘スーツを着ている
その後ろにもう2人男女が立っている
男は戦闘スーツを着ている
「アトランティスの初陣・・・うまく援護してやるよ」
「あぁ・・・ま、問題はないだろう」
ゲインは振り返って拳をつくって男の胸にあてた
「頼むぞ」
「ふっ・・まかせろ」
「気をつけなよ?」
女が声をかけた
「あぁ!デスサイズとリオンがついている!大丈夫だ!!」
ゲインはヘルメットを持った手を上にあげた
前回の話でネタバレちっくな誤爆がありました
申し訳ないです
紅国新型兵器の名前は「アトランティス」です
アトランティスでよろしくお願いします