聖域の剣は地獄の門に突き刺さる
「あの〜・・・」
ラトルが控えめにスコーフに話しかけた
「ん?なんだ?」
作業の手をとめてスコーフはラトルの方へ向いた
「ついさっき簡単に計算したんですけど・・・パトリオットのスペックの計算があわないんですが・・・?」
「ほぉ・・・いつの間にそんな計算ができるようになったんだよ?」
笑いながらスコーフはバンバンとラトルの背中を叩いた
「いえ・・・ですから簡単に、ですよ
でもかなりの誤差があるんですけど?」
「いやぁ、参ったね
そう・・・こいつにはな・・・パーツが足りねぇんだよ・・・」
「パーツ・・ですか?」
「そぅ・・・時期が、な・・・」
「ネジ?」
「まぁその時期が見つかるまでは死なないように頼むぜ!!」
再び笑いながらスコーフは作業に戻った
2機のサイバーポッドが森林を抜ける
『いきなり撤退命令・・・か』
『しかたないでしょ?大将の命令なんだから』
エクスはブツブツ文句を言っている
怪我をしているため、満足に操縦できない
『目標補足』
『さぁ・・・復活祭だ・・・!』
静かな森林が騒がしくなった
電子弾が2機目掛けて飛んできた
『エクス!!さがって!!』
シルバーダストの前にタクティクスが出る
タクティクスは粒子を噴出した
ビームはそれにあたると軌道を変えてソラへ消えていった
ビームが飛び出してきた場所からさらにサバーポッドが飛び出してきた
『くっそ!』
タクティクスは両手にもったハンドガンを乱射した
『おっと!!』
すかさずスパイラルソードは右へそれた
そして間髪をいれずに前進した
猛スピードでタクティクスに迫る
『なんだコイツ!!?
こんなに早かったか!!?』
『コイツ・・・武装が・・・!』
よくみればスパイラルソードの装備は若干変わっていた
目にあまる巨大なソードは細くなっており
2つ付いていたサブマシンガンの代わりに刃の間にひとつだけ銃口がついている
それはおそらくアサルトライフルだ
『さぁ!!スパラルソード2サンクチュアリの初陣だ!!』
腕を突き出してアサルトライフルでビームを放つ
セミオートなので連射はできない
しかし、今は満足に動けないシルバーダストには十分脅威だ
スパイラルソードに気をとられているスキにまたビームが飛んできた
『クソ!アクエリアスか!?』
アクエリアスが遠距離から狙撃してくる
アクエリアスのスナイパーライフルは一発は強力だが、次を撃つのに時間がかかる
『おいぃぃ!!ちゃんと当てろよ!』
『うるさい!木が邪魔でうまく撃てないんだよ!!』
叫びながらアクエリアスが次の狙撃のためにチャージを開始する
『まぁいいか!
俺の独り舞台にしてやるぜ!!』
『(なんでアイツは本社の時と戦闘の時で性格が変わるんだ?)』
スパイラルソードがタクティクに接近する
接近しながらもビームを撃つ
命中精度はかなり悪い(命中率30%)
なので威嚇程度でしかない
しかし、シルバーダストの子守も同時に行っているので脅威であることには間違いがない
命中率が悪いということは、ヘタに動けないということなのだ
『くっ!ACはこんなにも早くB装備を搭載してきているのか・・・!』
B装備とはビーム兵機のことで、ビーム兵機はダイオードの縮小化を図らなければ実践向きではない
今、各国で所有しているB装備の機体は一機ずつぐらいだ
そぅ、各国は一機はB装備の機体が存在する
『これが私の力だ!!』
タクティクスは背中に向いている2つの肩の砲台を前に向けた
空を切るように210度銃口が縦に振り下ろされる
迫り来るスパイラルソードに向けて桃色のビームが放たれた
足元は発射の衝撃で崩れる
轟音と共にビームがスパイラルソードに向かって飛ぶ
『は!!そんあもの・・・当るかよ!!』
スパイラルソードは回転しながら地面を滑ってソレを回避した
『バカな!!』
『くらえぇぇ!!』
流れるように腕の剣がタクティクスを斬る
『きゃああ!!』
そのスピードについていける機体はおそらく今は存在しないだろう
タクティクスは銃装甲だ
まともにその一撃を受けたが、引き裂かれることはなかった
しかし、その一撃は強力で
後ろに飛ばされた
『く・・・ソ』
タクティクスは満足に動けない
銃装甲の機体をスパイラルソードは一撃で打ち倒した
『すげぇ・・・スピードだけじゃない・・・パワーも上がってる・・・
これならあのレジスタンスの新型にも勝てる・・・!』
アクエリアスの狙撃がシルバーダストに放たれた
『く!』
間一髪で直撃は避けた
しかし、腕がはじけとんだ
『おっと!まだいたんだっけな!』
『おい!』
スパイラルソードはシルバーダストに向きを合わせた
『く・・・』
『ん?・・・・なぁ!』
狙撃の体制にあるアクエリアスを黒い機体が襲い掛かる
『またせたな!!』
『リオン!』
アクエリアスを蹴り飛ばし
デスサイズ2ヘルズゲートは地に足をつけた
漆黒の機体に巨大な銀の刃のついた鎌がある
背中には可変式ブースタがある
肩には小さな銃口が3つずつ、計6つある
鎌の刃に黄色い光が宿った
『く、こいつもB兵機か』
アクエリアスがさがる
『にがさねぇよ!!』
デスサイズがフラッシュバーストで追う
その距離は一瞬で縮まった
『くらえぇぇぇ!!』
そしかし、鎌はアクエリアスには振り下ろされなかった
黄色い刃にビームが直撃した
反発で機体が左によろけた
『ぬお!』
『お、当った・・・ラッキー』
『今回は撤退だな
2機にダメージを追わせたなら十分だろ』
『りょうかーい』
スパイラルソードとアクエリアスは来た道を全力で走り去った
『ロン・・・助かった、ありがとう』
『いや・・・まぁミラクルされちゃぁ勝てないか・・・』
デスサイズはゆっくりと立ち上がった
今回はかーなーり長くなってしまいましたm(__)m
やっぱり戦闘は一話では抑えにくいですね^^;
今回はリア友に指摘を受けた各国の漢字の読みを紹介します
黄国=オウコク
紅国=コウコク
蒼国=ソウコク
みなさまもご不明な点は感想・評価で気軽に聞いてください^^ノシ