表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吸血執事と懐中時計  作者: 王星遥
東方編
54/67

なゆたの叫び

 アリスの喚び出した13が、子子丸にいとも容易く斬り捨てられた。

「くっ・・・」

「『つまらない』」

 子子丸が刀を振るたびに、刀に付いた鈴が鳴り響いた。

「『あんたは・・・私の父上を殺した! 偉大な陰陽師だった父上を、あんたに中立の立場で接した人間である父上を、あんたは殺した!」

 なゆたは泣きながら叫び、小刀を手に子子丸に飛びかかった。子子丸は軽くあしらい、なゆたを投げ飛ばしたが、なゆたは何度も子子丸に飛びついた。

「『一年前、父上は妖怪と人間の戦いを止めようと国中を走り回っていた! なのに、あんたは話を持ちだした父親を殺してその首を私の家に投げ入れた!』」

 なゆたの声は既に震えていた。

「『私はあんたを許さない! 絶対に!』」

「『お前が許さなくとも、俺が切り捨ててしまえばいいことだろう?』」

 子子丸は刀をなゆたに向けた。

「『ここで死ぬか?』」

 鈴の音が鳴った。






「『申し訳、ない』」

 紅子は地面に正座すると深々と頭を地面に付けた。突然の出来事に神菜子は驚いた。

「そ、そこまで・・・」

「『私は、誰かに、記憶を操られていた。だが、それでも、先刻、行った、行為は、許されることでは、ない』」

「『顔を上げてください。記憶を操られていたとは、どういうことですか?』」

「『私は、数週間前、数日間の、記憶が、無くなっている。ベール・ス・ローズ曰く、私は、誰かに、記憶を、弄られていた、らしい』」

「『ベールが・・・? そうか、なら俺は信じよう』」

 マモーネは静かに言った。

「『俺は強欲の悪魔。望んだものならすべて手に入る。俺はある事件で見えなくなった左目を、能力で補っているんだ。俺の目には嘘が視える。お前の発言には嘘が見えない、信じよう』」

「『僕も信じます。仮にも、手助けしてくださったのですから』」

 紅子は顔を上げた。

「『紫が、私たちの、リーダーの、現在所在地を、調べている。そこに、鬼を召喚する、術師が二人いる。その二人を、止めれば、鬼は、消える』」

「『そうですか・・・』」

 類は少し黙ると、口を開いた。

「『・・・名前は?』」

「『? 【園咲紅子そのざき こうこ】』」

「『園咲さん、ですか』」

 類は言うと、紅子の首に噛み付いた。






 峰打ちだった。なゆたはうずくまって声にならないうめき声を出していた。

「『行け!』」

 子子丸の背後から、アリスの召喚したアルカナが襲いかかったが、簡単に斬り倒された。

「『お前は、此処で斬り捨てる』」

 刀が振り上げられた。






「行くわよ」

「ええ、いつでもどうぞ」

 サタニットは装置を配置すると、全ての電源を入れた。

「始めるわよ」

 珂礼は何やら唱え始め、それと同時に空中に幾つもの文字が浮かび始めた。

「『手に手に紡げ。子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥、十二の獣を統べよ。さあ、天を翔けよ、千の言霊よ』」

 文字が全て、装置に囲まれた場所に留まった。

「転送!」

 サタニットがスイッチを押した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ