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吸血執事と懐中時計  作者: 王星遥
東方編
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五行の鬼神

 丑寅鬼神は両腕を振り回して三人を追い詰めた。鬼神は今までの鬼とは桁違いの怪力を持っていた。

「まずいな・・・、東方の国の呪術はこっちの国の魔術や能力とは原理が少し違うからな」

「どういうことですか?」

 鬼神の攻撃を躱しながら、マモーネは説明した。

「神にも、派閥があると知っていたか?」

「いいえ、初耳です」

「神には派閥があり、その使いの天使、それから変異した悪魔にも派閥がある。こっちのくに・・・主に西方の国はほとんどが神の領地だ。だが、東方の国には別の神が居る。それも、何人もの神が細かく領地を持ってるんだ」

「それが、東方の国の呪術と関係が?」

「東方の神の加護を受けた人妖共は、その身に五つの属性を宿す。これを、五行というのだが、個人でその五つの属性に得手不得手がある。こいつは、五つの属性の内【金】の気が強い。金の属性には【火】の属性がよく効くんだが・・・こっちの国の魔術、能力では属性を付加することができない。魔力はどの属性にも属していないからだ」

「どうすればいいんですか? もう逃げられませんよ」

 既に背後は壁だけとなっていた。鬼神は唸り声を上げながら突進してきていた。

「まずいっ・・・!」

 鬼神の巨体が当たるかと思われた時、神菜子が氷の壁を作り出した。

「少し位・・・時間稼ぎを!」

 しかし、即席の氷の壁では鬼神の巨体を防ぐにはあまりにも弱かった。

『ガァアアアアアアアア!!!』

 氷の壁は粉々に砕け散った。それと同時に、鬼神の巨体が漆黒の翼をもつ少女にはじき飛ばされていた。






 数分前、アニマは空をかけていた。日傘を差すことも忘れ、ミレディアへ向かっていた。

「あとしばらくは傘なしでも・・・ッ!」

 空には何の障害物もない。だからこそ、アニマは宙に浮く酉居・・・紅子の姿を確認できた。

「あいつはさっきの・・・」

 紅子は黒い羽を辺りに撒くと、何かを唱え始めた。

「ちょっと貴女! 何をしてるの!」

「『・・・?』」

 突然話しかけてきた相手に、紅子は少し戸惑うと両手を広げ、敵意がないことを示した。

「『敵意は、ない。私は、今は、この国の、味方だ』」

「・・・? ま、まあ、良いわ」

 アニマは、ミレディアに再び飛んだ。

 紅子は不思議そうにアニマを見送ると、何かに気付き地上を見下ろした。

「『鬼神・・・!? こんなところに何故・・・』」

 紅子は言うが早いか、丑寅鬼神の気配を辿って降り立った。そして、そのスピードに任せて鬼神をはじき飛ばした。

 次の瞬間、紅子は新たに四つの鬼神の気配を感じ取った。






「『ここでいいのかい?』」

「『はい』」

 なゆたは、アリスを連れて広い道路に居た。

「『? 鬼なんか見当たらないぞ』」

 その時、鈴の音が響いた。

「『あ、あいつだ・・・』」

 なゆたの顔色が変わるのがはっきり見えた。

「『あいつ?』」

「『父上の・・・仇!』」

「『合縁奇縁、やはり狙う者と狙われる者は引きつけられるというのかね。妖猫寺の娘、お前は俺が殺したいのだろう?』」

「『誰だ・・・!?』」

 そこには、先ほどまでベルゼと戦っていながら無傷の子子丸が居た。

「『【灰ヶ崎子子丸はいがさき ねねまる】だ。冥土の土産にしておけ』」

「『面白いじゃないか・・・私をあんまり舐めないほうがいい』」

 アリスが、子子丸を厳しく睨んだ。

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