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吸血執事と懐中時計  作者: 王星遥
東方編
39/67

アルカナと死神

「あんた、最初私に魔力を感じないっていたわね?」

「え、ええ」

「それはそうよ。私は吸血鬼でも、まして人間ですらないもの」

「!?」

「さて、あんたらの出番はお終い。こいつは私が片付けるんだから」

 アリスがポケットからタバコを取り出し、咥えた。

「【13】」

 アリスの手には、一枚のタロットカードがあった。

「死神に殺されたことはあるかい?」

 投げられたカードは空中で形を変え、大きな鎌を持った白骨になった。その姿は、お伽話、小説、絵画でお馴染みとなった死神の姿そのものだった。

「切り裂け、グリムリーパー」

 死神が、怪物の体を真っ二つに切り裂いた。その瞬間、怪物の体が消滅して二つに避けた紙がひらひらと落ちてきた。

「さて、怪物はこいつだけじゃない。来るまでの間に既に三体殺してきた」

「そんなに・・・!?」

「こいつはとんでもない事件になるかもしれない・・・。こんな怪物が町中を歩きまわって、しかも凶暴ときた。しかも、私のアルカナと同じで召喚者が居る」

「召喚者?」

「私は、タロットカードでアルカナと呼ばれるものを召喚する。それと同じように、先刻の怪獣も同じように、誰かが・・・」

「ちょっと待って。貴女、魔力を感じないのよ。それなのに、なんでそんな能力が・・・」

「そんなことか。あんたら、私の弟は会ったか?」

「弟?」

「アリオスっていう出来損ないのバカ弟なんだが・・・」

「あ、アリオス!?」

 三人は、ついさっきまでバーベキューの約束をしていた男の顔を思い出す。

「急に事件が起きたんで行けなかったが、私もパーティーに行くつもりだったんだ。で、その弟になにか感じなかったか? そこの、吸血鬼のお嬢さん?」

「・・・なんで私が吸血鬼って」

「私とアリオスは、魔力も聖力も・・・魂すら持たない」

「・・・?」

「死神さ」

「死神?」

「そう。死神には生けとし生ける者全ての魂が見えるのさ。生物によってその性質が違うから、簡単に分かる」

「な・・・」

「さて、事細かく説明していられるほど時間はなさそうだ。私はこれから、ゴーダンと北東にある街【サザンナ】を警官隊と捜索する。下手をすれば、軍隊も出撃しないといけないかもしれない」

「そんな・・・」

「では」

 アリスはそのまま走り去っていった。

「どうしましょうか」

「どうするも何も、とにかく吸血館へ向かうわよ」

 三人は、レトサムへ走っていった。






「そりゃ!」

 アリオスは、小舟にテレサとなゆたと共に乗り込んだ。

「行くぜ。しっかり掴まってろ!」

 アリオスは大剣を取り出して、構えた。

「テレサ、その娘しっかり押さえてろよ」

「了解!」

「『!?』」

「【デスサイズ】!」

 大剣が形を変え、大鎌へと姿を変えた。

「どぉ・・・りゃ!」

 アリオスが鎌を一振りすると、船が勢い良く進み始めた。

「『さっきの話、本当だな?』」

「『ほ、本当です! ですから、約束は・・・』」

「『約束は守る。ただし、報酬はちゃんと払ってもらうぜ!』」

 船は、ギシギシと音を立てながら猛スピードで進んでいった。






「良いの? 追いかけなくて」

「ああ、良いさ」

「サーちゃんも初日で帰っちゃったし」

「・・・だな」

「マーちゃん、そろそろ飽きたわ。帰りましょう」

「そうしようか」

 ベールは、きちんと正装をした茶髪の男と話していた。男の腰にはレイピアが携わっていた。

「・・・いえ、やっぱり気が変わったわ。行きましょう、ギルバートへ」

「? なぜだ」

「面白い人達にあったわ。会いに行くのもめんどくさいけど、このまま帰るのもめんどくさい。なら、会いに行くのよ」

「・・・分かったよ。行こうか」

 ベールと茶髪の男は、ゆっくりとした歩調で船へ向かった。

「珍しいな、怠惰なお前が自分から何か動くなんて」

「たまには、私もマーちゃんみたいに強欲になってみるのよ」

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