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吸血執事と懐中時計  作者: 王星遥
東方編
31/67

出港

「さあ! 行くわよ!」

「と、言うことですので。今日から三日間、館内の掃除と自分たちの食事だけは怠らないように」

「それと、物を壊したりしたら誰が何をどうしたのか報告書に書くこと。帰ってきたらチェックするから」

「はい」

「いってらっしゃいませ、お嬢様」

 三人は、使用人総出で送り出された。最初の目的地は、隣町【ゴーダン】だ。

「そう遠くないし、歩いて行きましょうか」

「そうですね」

 ギルバート王国の主流な交通手段は馬車である。しかし、自分で馬車を所持してる者は少なく、アニマも自ら所持してる訳ではない。基本的に馬車は、貸し馬車屋が管理していることが多いからだ。

「人前で飛べたら一瞬なのに」

「無理ですよ」

「分かってるわよ。行くわよ! パーティー!」

 アニマは上機嫌に二人に指示した。






「くそっ! おの老いぼれジジイ!」

「お前、仮にも先祖だろう」

「何なんだ、ジジイの出したあの条件は!」

 ここは地獄。マモーネを脇に従え、ルシファニーは憤慨していた。

「ルシファーに逆らえるとでも?」

「そんな命知らずじゃねえよ、俺は。だが、仕事するのは嫌いなんだよ」

「・・・全く、傲慢なんだか、怠惰なんだか。まあ、怠惰の称号は俺の麗しき・・・」

「惚気話は良い。お前、ちょっと人間界の様子見してこいよ」

「は? なんで俺が」

「これを見ろ」

「?」

「地上のパーティーの招待券だ。この間まで東方の国で潜入してただろ。その時手に入れた。開催場所見てみろ」

「・・・! ギルバートじゃないか!」

「そういう事だ。お前と、あと二人連れていっていいから行ってこい。命令だ」

「・・・分かったよ」

 マモーネは、招待状をひったくると歩き去って行った。

「さてと、俺はどうするかな」

 ルシファニーは、地獄の様子を見下ろしながら呟いた。






「到着!」

「ですね」

 ゴーダンの街は海に面しており、漁業が盛んな街である。港に出るまでも新鮮な魚介類が大量に売られていた。

「もう少し時間がありますね」

「船が出るのに? 船が来るのに?」

「船が来るまで時間があります」

「ん・・・どうしようかしらね」

「と言っても、そんなに見るものもありませんよ? お嬢様」

「じゃあ、ここで待つわ」

 アニマがその時、ふと気づいたように呟いた。

「そういえば、今回のパーティーには外国の富豪も来るらしいわね」

「そうなんですか?」

「ええ。私としては、此処で他の国の人間に知り合いを作っておくのもありかと思ってるのよね」

「ほう」

「お嬢様、東方の国の人も来るんでしょうか」

「来るはずよ、神菜子。むしろ私は東方の国の富豪を一人知ってるから、彼と会いたいのよね」

 しばらくして、船が到着した。

「船乗ってもしばらく暇よね。船に知り合いが乗ってたら面白いものだけど」

 そう呟くと、真っ先にアニマは船に乗り込んだ。

「ワクワクしてきたなぁ。私」

「僕も、パーティーなんて随分久しぶりですよ。久しぶりに燕尾服も出してきましたし」

「そうなの? まあ、私もお嬢様に言われてパーティドレス出してきたけど」

 アニマに続いて、二人も船へ乗り込んだ。

 そして、船が港を離れた。

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