アニマの驚愕
ルナドは葉巻を投げ捨てた。
「お前は、学園で見かけた時から気になってた。俺は鼻が良いんだ。お前からは悍ましい魔力と腐った肉の臭いがした」
「それは失礼ですね。しかし、今から貴方はその僕の血肉となるのですよ」
「ほざけ、そんな事ありえねえ」
「では、確かめましょうか」
「ああ、そうしようぜ。お前の持つお宝さえ奪えばおさらばだがな」
「宝? まさかこれのことでしょうか」
「おお、それだそれだ。それが匂う」
ベルゼは一枚の銀貨を懐から取り出し、仕舞った。
「残念ながら、これは渡せませんね。僕にとっても宝なので」
「そうか。なら奪い取るまでよ!」
ルナドは試験管を取り出し、液体を右腕にかけた。
「暴食の大罪魔ベルゼ・イーター、捕食を始めます」
「かかってきな。俺がお前を喰い尽くしてやるよ!」
「なんだ・・・体が・・・」
「効くだろう? 先祖から受け継いだ傲慢の大罪だ。お前たち下等生物には破ることはできない術だ」
「なんですって・・・?」
「く、苦しい・・・」
「俺の能力は、全てを操る能力【ルシファーオブエンペラー】。今お前たちの体のコントロールは俺が奪った」
「!? なんだって・・・?」
「処刑ショーはより残酷であるほうが・・・面白い!」
突然二人が立ち上がった。
「そらよ」
ルシファニーが投げた小刀を、二人が同時に受け取った。
「か、勝手に体が・・・」
「な、何をする気・・・?」
「言っただろう、残酷なほど処刑ショーは面白い。例えば、信用し合う仲間同士で殺し合いとかな」
「ま・・・さか!?」
「俺の気まぐれでどっちが先に死ぬかは変わるぜ。さて、最初は斬り合い程度から始めるか」
ルシファニーの言葉通り、二人は近づき小刀をぶつけ合い始めた。次第にスピードが上がり、少しずつ掠るようになっていった。
「ひっ・・・危なっ・・・!」
(僕が刺されたり斬られるならまだいい・・・だが、零草は魔力を手に入れたといっても人間だ。本当に死ぬかもしれない・・・)
「さて、どっちが先かはお楽しみだ。しばらく楽しみにしてな!」
ルシファニーは笑いながら二人を見ていた。
「あ、アニマさん!」
「なによ」
「く、首が・・・」
「あら、ごめんなさい」
アニマに首を締められ続けていたリナリアは、たまらず叫んだ。アニマはリナリアと共に廊下に降り立った。
「さてと、最上階っていうくらいだから上なんだろうけど・・・階段も何も無いじゃない」
「そうですね・・・」
「あら、この扉・・・変な空気ね。開けてみましょう」
「えぇ!? わ、罠とかあったりしないですよね?」
「さあ?」
「えぇ・・・」
アニマが扉に手をかけ、開いた。すると、そこには人形が吊り下げられていた。
「人形・・・ですか?」
「いや、この奥に何かあるわ」
「こ、怖いですよ」
「なによ、オカルトマニアじゃなかったの?」
「リアルに怖いのはちょっと・・・」
「いいから来なさい」
「ひぃ・・・」
人形を押しのけて部屋に入ると、そこには無数の檻があった。
「これは・・・!」
アニマは驚愕して檻の一つに走り寄った。檻の中には、尾が蛇、翼はコウモリ、体は犬の生物が入っていた。




