表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

無題詩1~42(2011年)

無題詩19



農民は流行病で苦しみ、

武士は戦で殺され、

将軍は毒を盛られる。

たらちねの母は死に、

うつせみの命は枯れ、

八雲立つ出雲で世は終結する。


集結する餓鬼どもは、

地の獄で戦慄いて、

腐乱した肉を貪る。

血の匂いが鼻を刺し、

閻魔の怒号が耳を劈いた。

羽衣を使って天へ飛翔した。


卑小な僕を誰も救ってくれない、

天の国には天使はいない。

雲の間から日華が咲いた、

神々しい後光は差さず、

一輪の蓮が馥郁と香るだけ。


僕たちは。生きている。

僕たちは。生きている。


美しい落下を目指して。

美しい落下を目指して。


蝋の翼は燃え尽き、僕は堕ちていく――

蜘蛛の糸は千切れ、僕は墜ちていく――


嗚呼、これで――飛び立てる。


――僕は高層マンションから――そして、


ぶつっ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] なんともいえない若者の悲鳴が聞こえてきます。いいたいことはわかるんですが、若いから未来があるよ、としか思えません。いじめられっ子だったわたしの友だちは、かわいい年下の女の人と三十三歳で結婚し…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ