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第二十一羽 かえすということ〜里香の心

ぽてえなが家に来て、数日が経った。


朝、目を覚ますと

小さなカゴの中で、白いかたまりが動く。


小さな声。


里香は、それだけで笑ってしまう。




ミルクを温める。

布を替える。

窓を少し開けて、空気を入れる。


どれも、楽しい。


ぽてえなが、そこにいるだけで。



「山に……返さなきゃ、だよね」


声に出すと、胸がきゅっとなる。


ぽてえなは、返事をしない。

ただ、里香を見ている。




夜。


里香は、スマホを見ながら考える。


野生。

保護。

人の手。


正しいこと。


わかっている。


でも。


「……もう少し」


心が、言う。




ぽてえなは、

布の中で丸くなっている。


安心しきった背中。


里香は、そっと目をそらした。




翌朝。


カゴを持つ手が、少し震える。


「……ごめんね」

誰に向けた言葉か、わからない。




里香は、決めた。

このままじゃ、だめだ。


「ちゃんと……返そう」


声は、やさしかった。


でも、決意だった。




ぽてえなは、何も知らない。


それでも。


里香の心が、揺れていることだけは、

なぜか、伝わっていた。


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