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基本12時更新にします。2回更新いけそうな日は、18時にもう1話投稿すると思います。今日はもう1話投稿予定です。

「ーーこの学園ではたくさんのことを学び、これからに活かしていけたらと考えています。これから皆さん、どうぞよろしくお願い致します。」


色んな感情がのった視線が刺さる。予め覚えていた挨拶を言い終え、爽やかな風を受けながら壇上をおりる。務めて冷静に見せながら、手汗をかく程には内心焦っていた。入学前に受けるテストで、首席を取ってしまった私は、今激しく後悔をしていた。


本来ならこの場に立っていたのは、攻略対象の一人だった。

しかし、言い訳をさせて欲しい。私は家に来てくれた教師に、魔法学士を目指しているのだと話した。すると、だったらペースを上げて教えると言われ、どんどんと新しいことを教えてくれた。私は勉強が楽しかったこともあり、既に学園で習う授業まで、ある程度終えている。

そして、学園入学前のテストで、いい結果を出さなければと張り切ってしまった。忘れていたのが悪いのだが、それに気づいたのは昨日で、もう手遅れだった。


(……やってしまったのは仕方ないわ。それに私が生きてる時点で、既に物語は壊れてるわ。)


仕方ないのだと自分に言い聞かせて、お淑やかに見えるように、気をつけながら着席する。周りに目を向けて、不自然にならない程度に見渡す。


(……王太子、騎士。……シリウス。……首席くん、では無いわね。……あ、いた。ヒロイン。)


珍しいピンク髪を見つけ、目線だけで観察をする。


(ゲームの通り……。今のところ不自然なことは無いわね。)


とにかく、ゲームの人物には、出来るだけ関わらないようにと、ぎゅっと手を握る。いつの間にか、終わっていた入学式の会場を後にして、各々の教室へ移動を開始する。


「リア。」


ふいに、聞き覚えのある声に呼ばれ振り返る。


「シリウス……様。お久しぶりですわ。」


人前だからときちんと呼び直すが、シリウスはそれが気に入らないらしく、拗ねた表情をした。


「リア。いつものように呼んでよ。……距離をあけられると悲しいよ。」


「……分かったわ。シリウス。」


しゅんと眉を下げられると弱いのだ。

私が苦笑して頷くと、ほわっと微笑んで「首席おめでとう」と言われる。それに「ありがとう」と返すと、手を差し出して、教室までエスコートをしてくれる。

ラベンダーの香りにクスッと笑うと、そっと手を乗せた。きゅっと掴まれて、手を引いてくれる紳士らしい姿に、キュンとしてしまうのは仕方ない。


「それにしても、やっぱりシリウスって目立つのね。」


さっきから目線が集まっている気がして、辺りを見回す。令嬢達からの、熱い視線を軽く受け流すシリウスは、慣れているらしい。


「……。」


何かを言おうとして、やめたシリウスに首を傾げる。教室へ着き、お礼を言って手を離そうとすると、シリウスは真っ直ぐ私を見て告げた。


「終わったら、僕が校舎を案内するよ。」


シリウスの言葉に驚き迷うが、聖地巡礼という言葉がよぎり、お言葉に甘えることにした。


「ありがとう。」


シリウスへ、ニコッと笑って教室へはいると、窓際の一番後ろの席についた。

本来、爵位順に前から座るのが暗黙の了解なのだが、私は『傷物令嬢』として知られている。少しざわざわとしているのが分かるが、私に声をかける人なんていないだろうと、読みかけの本を開いた。


案の定何も言われることはなく、全員が席に着いたところで、担任が教室へ入ってくる。


「私はSクラスの担任である、クロード・マクレイル。学園では魔法関係の授業を担当する。一年よろしく。では、ーー」


長い茶髪に、いかにも魔法オタクという感想は飲み込んで、担任であるクロードの話を聞き流す。

大事なところだけ、耳で拾いながら窓の外を見る。この世界の桜はピンクではなく、赤みがかっているらしい。ふわふわと漂う花びらを追いかけながら、やりたいことをリストアップしていた。

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