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更新頻度落ちますm(_ _)m
週に3話程度更新出来たらと思っています^^;
カイルに指定された時間に、生徒会室の扉をノックする。
あの日、シリウスには乙女ゲームのことは隠して、物語の大方のあらすじを話した。私の行動に納得したシリウスは、騎士団の訓練の仕方を少し変えるなどして、協力をしてくれると言った。
そして、災厄に備えてレオンと接点を持ちたいのだと言うと、少し拗ねた表情で渋々「分かった」と頷いてくれた。
(シリウスも協力してくれるのだから、大丈夫。きっと上手くいくわ。)
気合いを入れ直して、レオンの声が聞こえた生徒会室へ踏み入る。
本棚の隣に魔道具が乗った棚、部屋の中央にはテーブルセットが並ぶ。二人がけのソファが二つに、一人がけが一つ。その奥には執務机があり、机の上には書類が並んでいた。個性の感じない部屋は、王子の趣味かはよく分からない。
冷静に観察をしながら、一人がけのソファに座る人物に目をやる。ゲームのスチル通り。綺麗な金髪に明るい青の瞳。穏やかに笑みを浮かべる王太子は、常に人を疑っているとは思えない。
「お初にお目にかかります。エルヴァン公爵家第二子、アメリア・エルヴァンと申しますわ。王太子殿下にご挨拶申し上げます。」
貴族の礼をとり、丁寧にカーテシーを行うと、レオンは「学生だから、そこまで畏まらなくていいよ」と言う。口上だろうが、そう言って貰えた方が助かるため、とりあえずはニコッと笑いお礼を言っておく。
ソファに座るように促され、ゆっくりと腰掛けると紅茶が机に置かれた。見上げるとカイルが準備したようで、眉を下げて困ったように笑っていた。
「この間はごめんね?本当にそんなつもりじゃなかったんだ。」
「いえ、気にしておりませんので。」
そう言って笑うと、安心したようにカイルは息をついた。その様子を眉間に皺を寄せ見ていたレオンは、カイルを見て呆れたように注意する。
「カイル。また君、何かやらかしたの?何度も言っていたでしょ。君は一度、頭で話すことを考えてから発言して。」
「……あはは、そうだよね。シリウス様に注意されて反省したよ。」
ため息をついて紅茶を口にしたレオンは、カイルからシリウスの名前を聞いて、大きな音を立てカップを置いた。
「君はっ……!彼に喧嘩を売るのはやめてくれ……。」
頭が痛いというように俯いてしまったレオンに、どういうことだと声を掛けてしまった。
「……あの、……シリウスがどうかされたのですか?」
私の言葉に顔を上げたレオンは、意外だという顔をして、カイルにも席に着くように指示をした。カイルが自分のカップを置き、ソファに腰かけるとレオンが話し出した。
「彼はね、一度隣国の姫からの求婚を、自分の実力を示して断っているんだよ。本来、伯爵家の身分では許されないんだけどね、彼は自分の価値を示すことで解決させたんだ。」
そんなことを聞いたことない私は、目をぱちぱちとさせてしまった。それと同時に、モヤモヤとした気持ちが湧いてきて、首を振って思考を払った。
「シリウスは何をしたのですか?」
「……彼は自分で、この国で一番の戦力であると言い放ったよ。そして、実際に王国騎士団の団長に勝ってみせた。……びっくりしたよ。彼は文官家系の子息で、学園での成績も首席だと聞いていたからね。」
シリウスは、ゲームでも群を抜いてスペックが高かった。しかし、そこまでと思っていなかった私は、唖然として何も言えなくなってしまう。苦笑するように笑うレオンに共感してしまった。
「大勢の貴族が見てる中で彼は堂々と、求婚話を持ってくるなと釘をさしていたよ。そして、強制するようなら国を出ると。……自分は愛する者のために強くなったのだから、その者と以外は婚姻を結ぶ予定は無いと。」
そこまで言ったレオンは、私へ真っ直ぐ視線を向けて眉を下げて微笑んだ。
「君はとても愛されてるね。」
レオンの言葉に顔が熱くなるのがわかる。流石にシリウスの気持ちが、責任からでは無いことを分かっていた。それでも踏ん切りがつかないのは、自分に自信がないからだろう。
ほんの少し落ち込んでしまった私へ、カイルが思い出したかのように言った。
「確かにそんな感じだったね。凄く大切に守られてる感じ。二人の雰囲気を見て、お似合いだと思ったよ。」
ニコニコと笑うカイルは、本心から言っているのだろう。それでも、シリウスの周りの評価は、私が思っていたよりも高い。
「……そうでしょうか。」
そう呟く私の思いを分かっているようなレオンは、とても微妙な顔をしている。
「……気持ちは分かるけど、彼が君を手放すことは無いと思うな。……既に囲い込まれている訳だし。」
後半はブツブツと呟くレオンに首を傾げるが、笑って誤魔化されてしまった。
レオンはもう一度、カイルに向かって発言に気をつけてと言い、気を取り直して仕事の説明をしてくれる。レオンの発言に悩んでいた私は、微笑ましげな視線に気づけなかった。




