エピn+1 CDのピットは穴ではないので、ご注意を!
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CDのピットは穴ではないので、ご注意を!
英単語のピット(pit)は穴とか窪みという程の意味ですけど。CDのピットは穴とは言わないそうです。
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CDの表面はラベルが印刷されている側で、裏面は銀色のキラキラしている側です。傾きによってレインボーな色が見えたりして面白いですね。
CDは表面から順に、ラベル印刷・保護層・アルミ反射膜・ポリカボネート樹脂の4層で構成されています。
全部で 1.2 mm(CD規格では 1.1〜1.5 mm)の厚さで、その大部分がポリカボネート樹脂(1.2±0.1 mm)です。
アルミ反射膜は 0.1μm 位です。とても薄いです。
保護層は 20 μm 位(10〜30 μm)で、ラベル印刷も 20 μm 位...、だいたいの値よ。
コピー用紙の厚さは一般的には約 90 μm です。それよりも薄いです。髪の毛の細い人で 50 μm らしいです。それより薄いのです。
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CDの断面のイメージです。
表面側
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┃ ラベル印刷(20μm)
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┃ 保護層(10〜30μm)
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┃ ┗━┛ ┗━┛ ↑アルミ反射膜(0.1μm)
┃ ↑トラック(幅0.5μm, 高さ0.1μm)
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┃ ↑ ↑
┃ +ーーーーーーーーー+ トラックの間隔(1.6±0.1μm)
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┃ ポリカボネート樹脂(1.2±0.1mm)
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裏面側
CDはポリカボネート樹脂が本体です。ポリカボネート樹脂は透明(光透過率87%以上とか)で、CDを裏面側から見たときにキラキラしているのは、アルミ反射膜です。
CDを製造する際には、溶かしたポリカボネート樹脂を高圧でスタンパーに流し当て、スタンパーの凸凹を転写しつつ、円盤状に成形します。このスタンパーはレコードの製造工程で出てきたスタンパー盤と同様なものです。
それから、アルミ反射膜を蒸着して、さらにラッカー樹脂を塗布して紫外線で硬化させて保護層を作り、ラベルを印刷します。
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アルミではなく純金の反射膜で、ポリカボネートではなくてガラスで出来たCDも開発されているとか。1枚18万円ですって。音質が良いそうです。あははは。
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それで、ですね...。表面側からポリカボネート樹脂を見たらピットは穴(凹)なのですが。
CDを再生する際には裏面側からレーザーを当てて、アルミ反射膜で反射した光でピットかランドかを検出します。レーザーはランドの高さに焦点を合わせてあって、ランドだと反射光が強く、ビットだと 0.1μm だけ手前で反射するため、干渉等により反射光が弱くなります。この反射光の強弱で検出するわけです。
なのでピットと言いながらも、CDのピットは突起(凸)と言うのです。
高校の教科書ではCDの原理を解説していますよね。正しく説明しているか読み直して見ましょう! 昔は(?)間違った説明が結構あったそうです。
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CDの表面からアルミ反射膜までは薄いと 30μm(つまり、0.03 ミリ)しかありません。CDのラベルにボールペン等で力強くメモ書きをしたら、アルミ反射膜が傷ついてしまいます。最悪、音楽が聴けなくなるかも。
逆にCDの裏面はポリカボネート樹脂が1ミリ以上あるため、浅いキズなら丁寧に研磨すれば回復できるらしいです。
取扱注意が必要なのは表面側って、意外なことですね。
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「気になるモノにズームインTOP>CDには何が書き込まれているの?」(東海電子顕微鏡解析、2017年7月)というページを見つけました。
CD(と言いながらCD-ROMですが笑)とCD-Rの記録面を電子顕微鏡で観察した画像が沢山あって楽しいです。文字列で説明されるより画像を見たらすぐ解るよ!
電子顕微鏡って、うちにも欲しいなー
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2025.9.30 微推敲。




