エピ36 ジッターの対策をしたいのです。
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ジッターの対策をしたいのです。
しきい値をピットとランドで別々に設定することでエラーを緩和できましたが、もっと低減できるのではないかと思われて、取り組んで見ます。
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3Tと4Tのピットのジッターを見ましょう。
横軸は角度で -180〜180 度、縦軸は時間でナノ秒(ns)です。536 ns から 807 ns なら3Tと判定して、808 ns から 1071 ns なら4Tと判定します。
ここでジッターとは 600mV を通過する間隔を表示したものです。
この図は、対数表示をオフにしたので3Tと4Tの間に余裕があるように見えますが、実はそこには頻度が数個程のポイントが多数あります。
ポイントの有無だけで表示すると、
...。このように 808 ns をオーバーする、本来は3Tであろうポイントが幾つかあります。これらはエラーとなります。
これが現状。ですがこれらは見えているエラーで、見えていないエラーがあるかもです。
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エラーの中でも最も迷惑なのは同期信号(11T+11T)の誤判定です。同期信号を見失うとフレームが1つ消えてしまいます。
1フレームの消失ならCIRCの訂正符号C2でエラー訂正できるのですが、フレーム自体が認識できないとC2でも機能しません。
ジッターの表示も、サブコードの経過時間を利用してフレーム毎に表示する都合で、フレームと判定されていないと把握できないです。
本物のCDプレーヤーでは同期信号のための特別な処理があって、11Tが誤判定された時の為の対策(同期検出と同期保護)をしているそうです。...、という解説があったはず。後で読み直そう。
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同期信号は、しきい値による簡易な判定で正しく判定されているか心配ですね。
なので、同期信号から次の同期信号までの時間、つまり1フレームの時間(の長さ)を調べます。
1フレームの時間は 1/98/75 * 10^6 = 136.054 μs ですから、この時間が連続すれば同期信号が正しく判定されていることになります。倍の時間だったりしたらフレームが落ちているのでしょう。
横軸は角度で -180〜180 度、縦軸は1フレームの時間で単位はマイクロ秒(μs)です。
あれ? 円盤の1回転(と推測される時間)毎に1フレームの時間が変動している?
最大で 136.3 μs、最小で 135.8 μs とすると、0.5 μs 程の差があることになります。2Tの時間を超えます。588T中の2Tですけど。
以前に調べたLSIでは、基準クロックに同期するように1フレーム毎にスピンドルモータの加減速の制御するそうですが。...。
このCDプレーヤーは何をしているのでしょうか。円盤の偏芯なら単純なサイン波になりそうだけど、波々とうねっているのは加減速の結果なのかな?
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なお、図には入っていませんが、同期信号を落としているデータがありました。幾つかある。どうしよう。
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フレームの時間が変動していることから、フレーム毎に3Tのピットの時間(長さ)を平均して見ました。
横軸は経過時間で、0.00〜2.00 秒です。縦軸も時間で、3Tのピットの時間をフレーム毎に平均した値です。単位はマイクロ秒(μs)です。
経過時間 1.25 秒以降で測定データによる違いが見えますね。それとジッターの変化にパターンがありそうなのが気になります。
測定データ毎の平均を求めると、...、横軸と縦軸は同じです。
となり、1.25〜2.00 の範囲でピットの平均が 0.74 us より長くなるデータがあります。それらは
F129, F130, F131, F132, F134, F135, F137, F138
の8個です。これらは異常データとして弾いてよいのでしょうか?
異常データとして外した場合の3Tと4Tのジッターは、
このように改善されます。808 ns のギリギリまであった3Tが少し落ち着いています。
でも、異常なデータとして扱ってよいのか。経験不足で分かりません。保留です。
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経過時間 0.00〜1.00 秒を角度に変換したフレーム毎の3Tのピットの時間の平均の図です。横軸は角度で-180〜180度、縦軸は時間で単位はマイクロ秒(μs)です。
角度0の偏りが顕著です。あと、-175 度付近でも偏りが出ているのが見えます。それから、-120 度、-30 度、60〜90 度付近を山とする変動がありますね。
平均していないときの図でも山と谷はありましたが、これが見やすくなった感じ。
...、ですが。フレームの時間の変動とは関係がなさそうです。ピットが長くなる分、ランドが短くなるのでフレームの時間とは相関しないのでしょう。
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フレームの時間の変動は何に影響するのか、と考えていたらトレンドという言葉がおぼろげながら浮かんで、...。
ここでトレンドとは、600mV を通過した時間とチャネルビットレート 4.3218 Mbit/s との差とします。ジッターを累積した値に相当すると思います。
フレームの時間は概ねですが、-175〜0 度は 136.054us より長くて、0〜180 度と -180〜-175 度は短くなっています。
なのでトレンドは、-175 度付近からプラス方向になり、0 度を過ぎるとマイナス方向に転じます。
角度0で異変があるのは、トレンドが逆転する際に、電源電圧に負荷が発生するような処理が動いたからかも、という推測をしました。
それに、175 度で偏りがあるのもトレンドの逆転によるものかもです。
例えば、ですね。CLVサーボがモーターを加速させ続けていたら、トレンドが変わって減速を掛けるために、何かの回路が動作する。
ありそうな感じ、するよね? しない?
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トレンドは角度0で 38 μs くらいが最大。1フレームは 136.054 μs なので1フレーム未満だ。
ならば、円盤が1回転する毎にSRAM上のフレームは1つ程度の増減はするのだろうけど、オーバーフローは発生しなさそう。
このCLVサーボって実は有能?
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とすると。やはり。光ピックアップの信号のパワーでしきい値を補正するのがよいのか。
3Tのピットの過去 120 μs 間の光ピックアップ信号の平均を求めました。
横軸は角度で、縦軸は電圧の平均です。
ジッターの図を、上下反対にしたような感じですね。ジッターが発生する要因の1つは光ピックアップの信号(反射光)の電圧変動なのでしょう。
では、パワーとジッターの相関を見ましょう。
横軸は電圧の平均です。縦軸は3T〜5Tのピットの時間です。
うん。
今までのしきい値は 808 ns などの定数だったので、図では水平な線でした。
ここでパワーをパラメータとして採用すれば、斜めな線に出来ます。なんなら曲線にしても良いよ。
これで角度0の偏りを躱すことができましょう!
そうね。肩幅より狭い隙間をくぐるときには斜めになるのと同じかニャー
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2025.6.30 推敲。エピタイ修正。
2025.7.1 微推敲。




