エピ35 ジッターについて調べて見ます。
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ジッターについて調べて見ます。
良く分からないものを見たときには、一旦、落ち着いて、上下左右を見て異常がないか確認します。それからもう一度見てみるのです。
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対象は、F108 と F641, F657, F716 の4つです。
いずれも同じ場所(同じ経過時間)で7Tのピットを8Tと誤判定しています。ピットの時間は確かに7Tのしきい値を越えているのですが何故にこの場所でピットの時間が長くなるのでしょうか?
それが気になって眠れない。
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光ピックアップの信号から 600mV を通過する間隔を求めて、8T(1851ns)以下のピットとランドの時間を表示します。
横軸は角度で -15〜+15 の範囲です。縦軸はピットとランドの時間で、単位はナノ秒(ns)です。縦軸には3Tと4Tの間の 800ns などのしきい値を表示してます。
角度0の近辺でピットは長くなり、ランドは短くなっています。
不思議なことです。
これで7Tのピットは 1728ns を越えてエラーになり、7Tのランドはエラーにならないのです。1520ns と言うしきい値の微妙さ。
3T〜6Tはギリギリセーフだったかな? でも、あと数ナノ秒長いとエラーですから、繰り返し測定すればエラーが出そう。
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エラーの原因はチャネルビットのジッタの偏り。これが角度0付近で発生する。
角度0でジッターが偏る理由は何だろう?
角度0でスピンドルモータに異常が発生してブレーキが掛かったとすると、ピットもランドも共に長くなるはず。
ピットが長くなり、ランドが短くなるには、...。
問題の7Tのピットについて、光ピックアップの信号を見てみましょう。
波形からは、反射光のパワーが落ちためにピットが長くなった感じがします。
ピットの末尾は(図の横軸の)1.65〜1.75 μs ほどの範囲で変化していて、それは 2.0 μs あたりの反射光の電圧と相関しているのでしょう。多分ですが。
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捕捉ですけど。光ピックアップのレーザーはランドに焦点を合せていて、反射光はランドで最強となります。ピットでは焦点より手前で反射するので、光の干渉などの作用があって、弱くなるのです。
光の干渉はレーザーの波長とピットの高さと関係があるそうですが(...、という解説があったけど)、まぁ、600mV より下側がピットで、上側がランドだと理解していれば十分ですよね;;汗
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角度0で反射光のパワーが落ちるのは、...、
・電源電圧のドロップアウトなどで、レーザーの出力が低下した可能性
・円盤が上下にブレて、反射光が落ちた可能性
・フォーカスサーボが誤動作して、焦点がズレた可能性
・電源電圧のドロップアウトなどで、RFアンプの出力が低下した可能性
...、などが考えられます。
どれも定期的に角度0の近辺で微少なショックがあって、何かが一瞬だけ跳ねていることになりますが、...、±3フレームの時間で。
そんなことがあるかな? ...、調査しないで否定することはできない可能性ですかね。
でも...。まあ...。ねえ...。円盤の製造上のエラーの可能性もね。暗黒時代のCDという予断からですけど(個人の偏見です)。
光ピックアップの信号と同時に電源電圧を調べるとか。できなくはないけど。更に追求しようか思案中です。
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エラーはピットとランドで、別々のしきい値を設定すれば緩和できそうです。7Tのピットのしきい値は 1728ns から 1740ns にすれば良さげですね。
はい。調整しました。クリックして大きな図で見てみて下さい。見てね!
3Tのピットなど、どうしても調整できないところがあって苦心しました。角度0の偏りがとても邪魔。簡易な判定処理では限界かな。
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エラーレートを確認します。調整前と調整後です。
エラーは減っている。エラーレート 1.0 は8ヶになったし(...、ヶ?)
個々にエラーの内容を確認して行くと、しきい値を越えて、...、調整できなくてやむなくエラーになった場合があって、このエラーを救いたいけど、できなくて心苦しいです。
3Tのピットがしきい値を僅かに越えて4Tとなるのですが、しきい値を+1すると本当の4Tのピットが3Tになってしまうから上げられない。
オーバーサンプリングして、しきい値の設定を細かくしても、...ですね。角度0の特別処理が必要か。
そう言えば、CDの解説で反射光の平均をとって何かしているという説明があったような。そのためにはピットとランドがバランスしていることが望ましいとか。...、でも角度0の問題のためじゃないよね。
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そんなエラーとは一線を画する、本物(?)のエラーがあります。エピ32で見たようなエラーです。
順番にご紹介します。
ようこそ、...、えっと、何かキメ台詞を...、思いつかない *_*
最初はこれです。経過時間 433 ミリ秒で発生します。青色は他の経過時間の正常な波形です。
信号の電圧が落ちて、ランドが1つ消えてしまっていますね。こんなんは、しきい値をどうしようが救いようがありません。6回測定して6個とも同じくエラーです。
次は、1つ目と似ていて、これもランドが消えています。2個ありました。
次は、エピ32で登場したエラーです。
ランドの途中で電圧が落ちているパターンです。9個あります。
それと、ピットの最後が削れているかのように電圧が上がっていくパターンです。600 mV を通過する時間が早くなって6Tを5Tと誤判断。これが 15 個あります。
電圧が落ちている点は角度0と同じですが、前後の波形は落ちていないのです。これは2個です。
最後は、3つ目と似ていますが、途中で電圧が回復して1つのランドが分裂して、ランド・ピット・ランドになりました。
ランドの途中にゴミがあるのでしょう。
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これらは円盤上のピットあるいはランドが歪んでいるのでしょう。きっとね。
曲の開始1秒間で探してこれだけなので、...えーと。CDの標準的なエラーレートは 10^(-4) らしくて、これを換算すると1秒で 23.52 個のエラー。意外なことに標準よりエラーは少ないのか。
このCDは高音質なのか。まぁ、無音状態なんですけどね。
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ところで。
角度0以外でのジッターは Peak-Peak で 80 ns ほどです。目分量ですけど。
CD規格では 50ns ですから、ジッターの原因が円盤上のピット等の乱れなら、このCDは規格外だよね。
でも、光ピックアップが微振動している等でジッターが増えている可能性も...、無くはないでしょう。
CDの問題か? それともCDプレーヤーの問題か? どちらにも少しずつ問題があってその共同作用か?
気になるけれど。うーん。CDを読みたい。それを優先しよう。
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2025.6.23 微推敲。
2025.6.25 推敲。
2025.6.28 推敲。
2025.7.1 微推敲。




