囚われている
創作に囚われている。
たまに心に平穏が訪れた時、家族の存在や友人との繋がりにささやかで芳しい幸せを感じるとともに、背中の方に不安が生まれたことを認識する。その不安は私に見えないところに立って囁く。これがお前の求めた幸せなのか? お前はこうして何もなさないことを幸せとして平凡に終わっていくのか?
私はそれを振り切れない。私はつい目の前に差し出された幸せに手を伸ばし、ただ困惑のままに手を引く。明確な決意も無いままに。
そして幸せが消えかかって、どれだけ早く動いたとしても間に合わない、その刹那に気づくのだ。
私は創作に囚われている。