心の中の『もやもや』
ちょっとショックだったというか……。
思考や価値観の違いなのかな? なんて思ったお話をしようと思います。
それは表題の通りの事。
最近なのですけど、ちょっと留守にする事が有って、集中して何かを書くということが出来ない日々の中なのですが(私はPCにて執筆しているので、出先でスマホなどからは執筆作業などはしていません)、その出先でのワンシーンでの事。
とある施設にて、時間を潰す為にその施設内の休憩スペースにて休んでいる時、とある親子が私のいる場所の近くに腰を下ろした。
耳を大きくして聞いていたわけでは無いけど、どうしてもその親子の会話が聞こえてきてしまう距離にいる。
ソノ親子の会話なのだけど、初めは世間話をしていた様だが、会話は学校の様子や授業内容などの事に至るまで、親から子へという感じで質問応答の様に進んでいた。
どうやらその子の方は高校生になったばかりのようで、いきたい学校へと進んで毎日楽しそうに過ごしているようなのだが、親の方(母親だと思われるが)はそんな子供が心配のようでしきりに『ついていけるのか?』と心配していた。
私も初めはその会話を聞きながら微笑ましく感じていたのだ。だけど――。
「やめなさい!!」
「どうしてさ!?」
という親子の少し怒りの含んだ言葉にビクッとして、身体が椅子から浮き上がる感覚にとらわれる。
――親子喧嘩か……。
なんて思いながら、こんな場所で? とも考えはしたけど、私の他にいた人もあまり気にしていないようなので、私も特に気にはしないようにした。したのだけど、その聞こえてくる内容を聞いて『う~ん?』と頭をひねることになる。
簡単にケンカの内容を書くが、これを読む方は共感するところと、出来ないところがあると思うので注意して欲しい。
子供はどうやら文章を書く事を活動の主としている部活に入ったらしい。
親としては子の体を丈夫にしたいために運動部に入って欲しかったようだ。
子は体を動かすよりも文章を書くのが好き。
だったら成績も上がるし良いかと親は言う。
子はできるならそれを生業にしたいという夢がある。
親は普通の会社員になって幸せになって欲しいから、『趣味』程度になら許すという。
まぁ、私が聞いていた限りではこのような話が飛び交っていた。
側で聞いていたわたしは、素人ながら文章書きをしているという事もあって、心の中で「頑張れ!!」と応援をする。
しかし……この後に親から衝撃な発言が飛び出す。
「恥ずかしいからやめなさい!!」
――え!? 恥ずかしい? 何が? いや、ちょっと待ってよ!!
驚いてその親子の方を向くと、子の方は涙を流して親に抗議していた。
何が恥ずかしいのかと。
既に物語を考えているんだと。
子供の、自分の子供の夢を応援する事はできないのかと。
それに対して親は言う。
安定した生活が大事。
夢は夢。将来は分からないのだから今は趣味のままでいいでしょ。
自分の子供の書いたモノを読むことや、読まれる事が恥ずかしい。
周りになんて説明すればいいの。
と。
皆さんはどう思いますか?
私はですね、この子供の言う事も分かりますし、たぶん同世代だと思うんですけどこの親のいう事も理解はできます。ただ一点だけ理解できないのが、『恥ずかしい』と言っている点だけは文章書きとしての立場的に理解できませんでした。
ここでちょっとですけど脱線しますが、私は20代後半の頃に一度ですが、文章を物語としてその当時のSNSで公表していたことが有ります。
当時はそんな事をしている方も少なかったので、多くの方が読んで頂けましたけど、やっぱりどうしても高評価だけでは無かったです。中には辛辣な事を感想で書かれる事もありました。それから時代が進んで、私も結婚などを経て既にその当時から数十年が経ってしまった頃に、また『文章を書く』という事を再開したわけなのですけど、その時に感じたことが経験値の差――です。
若い頃から、それこそこの子供の頃から文章を書く事に慣れていれば、今のように苦労をする事は無かったのではないかと密かに思っています。
確かに文章は書けるとは思いますし、その若い発想力を生かして物語も面白いものが浮かんでくるかもしれない。ただしそれをしっかりと表現できるかと言われれば、成長しきっていない時なのですからもちろん語彙力も少ないですし、自分や、そのお話の登場人物達の心の機微などを細部まで書ききるという事は難しいかもしれません。
でも、だからと言ってですね、やっぱり早い時期から『慣れる』事はとても大事で大切だと思うんですよね。
まぁそういう時に書かれた物語を、その後になって読み返した時に、拙さで恥ずかしくなってしまうのは仕方ないと思いますけど(笑)
話を戻します。
この親の言う『恥ずかしい』とは?
私が住んでいる場所は、都会ではなく地方の一都市にすぎません。そこでは就職先というのはとても大事ですけど、どうしても業界自体で高低評価がかなり差が出てしまう土地柄でもあります。
理解度の低さはいかんともしがたいところですね。
確かに書籍化される作家さん達は少ないですし、成功される方もその中で一握り。でもそれはどの職業でもそうだと思うんですよね。どの職業、どの業界でも誰もが『始まりは皆初心者』なわけで……。
そして何より、今のメディアでの流行の一端はこういう業界が担っていると言ってもいいような気がするんですよ。アニメにしてもドラマにしても映画にしても、小説などの物語を原作にしたものが多いですし。
とまぁ、このような感じで結局はその親子は喧嘩したままその場を後にしてしまったため、その後にどうなったかは分からないのですけど、私の脳内や心の中に『もやもや』っとしたものだけが残ったわけです。
趣味として書くのも、目指すところを『夢』として書くのも、周りから否定される事じゃないと思うんですよね。
とはいえ、それをどうしても肯定できない人達も居るのも事実。
私の周りには、私と同じように『何か物語を書いている』という方が見当たらないので、そういう方がおられれば是非応援したいですし、お互いに切磋琢磨したいとは思うのですけど、なかなか難しいですね。
と、今回のお話しはこの辺にしておきます。
お読み頂いた皆様に感謝を!!
親としての立場から、子供としての立場から、いろいろと意見はありますよね。
そんな親子喧嘩のワンシーンから感じたことが、今回のお話になりますけど、私の場合は割と自由な感じで育ててもらったので、感じるところは多々あります。