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幻想のグリモアール  作者: ふたばみつき
第8話 学園編~school Life~
98/100

第九十七頁 波乱

 グレイス先生と王子様がにらみ合い、今にも何かが弾けて起こりそうな気配が立ち込める、

 そして、何故かラスカさんは私を睨み付けてくる。


 こっちはこっち何かが起きてしまいそうだ。

 

 あぁ、ユヅキさん、ザックさん、ロランさん。皆に会いたいよぉ。そして、スミスさんとシーナさんの所に帰りたい。


 もしかしたら、私は平和に暮らしたいだけなのかもしれない……

 

 あぁ、オークレイ先生……

 オーク先生とか言ってごめんなさい。

 貴方の大人の包容力はステキでした。でも、私は何となくわかります、女になってからそこら辺の勘が鋭くなりました。オークレイ先生、貴方の所帯持ちでしょ、あの大人の余裕、絶対に所帯持ちです。

 なんなら、娘が居ます。間違いない。


 マジでこの展開メンドクサイ。オーク先生が居れば絶対に止めてくれた。断言できる。


「シャーー!! 全員掛かってこいやーーー!!」

 

 私は目一杯に叫んだ。

 もうどうなってもいい。これが最後でいい。もう飛べなくなってもいい。テーピングでガチガチに固めてくれ!!


「ア、アイラさん、ど、どうしたんですか!?」

「ア、アイラちゃん!?」

「な、なんですか貴女。突然叫んで!!」


 三者三様に驚愕の表情を浮かべた。

 でも、そんなの関係無い!!


 もう、無茶苦茶にしてやる!!


「グレイス先生!! 思う存分、戦っていい場所って有りますか!? ありますやね!?」

「は、はい!! 都の外れに演習場が!!」


「よし!! そこで決着を着けましょう!! 皆、まとめて掛かってこいや!!」


 私はこれ見よがしに片腕を挙げてみせる。そして、そのまはま学園の外に向けて歩き出す!!

 そして、私はこのまま姿を消し、学園には二度と姿を見せない!! 学園編、完!!


 どうせ、皆ドン引きして付いて来ねぇだろ!!

 この勢いのまま、私は姿を消す!!

 そして、ユヅキに慰めてもらう!!


 くたばれ!! 学園編!!

 大体のなろう小説の学園編面白くないんじゃ!!


 折角、異世界に来たんだから冒険しろい!! 一つの町に止まってんじゃねぇぞ!! 異世界に来てまで引き籠ってんじゃねぇぞ!!


「うがーー!! うがーー!!」


「ア、アイラさん!! 大丈夫ですか!?」

「アイラちゃん、どうしたんだい!?」


 げっ!! ついてきてるーー!? ついてきてるーー!?

 な、なんで、なんで!?


 しかも、よく見るとアイラさんも着いて来てる!!

 なんで!? なんでなんで!?


 やっべぇ、どうしよう。幽体離脱しそう!!


 いや、もういい!!

 やってまえ!! いてまえ!!


 私はそのままの勢いで「ウガウガ」言いながら、演習場までやって来た。やって来てしまった。


「貴女、こんな所に私達を連れてきて何をさせるつもり。下らない事だった、容赦しないわよ!」

 

 ラスカさんはかなり御立腹な様子でコチラに突っかかった来た、


「ア、アイラ、大丈夫ですか?」

「ア、アイラちゃん、どうしたの?」


 王子とグレイス先生の二人はむしろ冷静になって、私の心配をしてくれてる。

 その冷静さがもう少し速く欲しかった。


 もう遅い。全員、ギッタンギッタンにしてくれる!!


「さあ!! 全員まとめて掛かって来なさい!! 私が勝ったら!! 皆、仲良くすること!! 心の中で、どう思ってるかは自由だけど!! 私の目の前では皆、仲良くすること!! 良いですね!!」


「いや、アイラさん。それはちょっと!!」

「アイラちゃん、それは無茶苦茶だよ!!」

「貴女、あたまがおかしいんじゃないですか!!」


「わーー!! わーーーー!! わーーーー!! 私が仲良くするったら!! 皆、仲良くするんですーーーーー!!」


 もう、皆の所為で目茶苦茶なんだ!! 

 私だって目茶苦茶にしてやるんだから!!


 私はえらく久しぶりに本を開いた。

 そして、魔力を注ぎ込み。私の仲間達を呼ぶ。


「来て!! マシマロ!! ボアちゃん!!」


 もう召喚術を隠すとかそう言うのもいい、面倒!! 


 目映い光が二つ現れると、目の前に二匹の魔物が姿を現した。


「こ、これは!! まさか!!」

「な、なんだい、それは!!」

「い、一体なんですか、その化物は!!」


「化物とは失礼な!! 私の大切な仲間ですよ!!」

「もあ~♪」

「ブルワァァ!!」


 久し振りの呼び出しに興奮しているのか、二匹とも元気モリモリだ!!

 ぶっちゃけ、勢いで二匹呼んだけど、以外と行けるみたい。それに……


 その時、黒い陰が私の前に現れた。

 

 疾風の様に速く、影の様に私の元に現れてくれる。

 そう、ユヅキさんだ!!


「おい、アイラ。これは一体どういう状況だ?」


 どういう状況? それは私もわからない!!


「こ、これは正しく召喚術!! しかも、現代の召喚術ではなく。真の召喚術!!」


 グレイスさんが目を丸くしてコチラを見ている。

 

「す、凄い、アイラちゃん!! こんなに間近で魔物を見れるなんて!!」


 王子様は呑気にも、こちらの方を目を輝かせて眺めている。

 特にユヅキさんに霧中らしく、彼の巨体を眺めている。


「な、なんですかこれは!? あ、あり得ない、あり得なませんわ!!」


 そう言うとラスカさんは一歩後ずさった。

 さあ、もう無茶苦茶にしてやる!!


「さあ!! 皆さん!! 全力でじゃれろ!!」


 私のその号令で、マシマロとボアちゃんが走り出した。

 

 それを見て、グレイス先生とラスカさんが逃げ出す。しかし、それを見た二匹は野生の本能が刺激されたのか、一目散に二人を追いかけ、あっという間に追い付くと思う存分じゃれついて見せた。


 どうだ、参ったか!!


「おい、アイラ。もう一度聞くが、これはどういう状況なんだ?」 

「……す、すいません。私もわかりません」

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