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幻想のグリモアール  作者: ふたばみつき
第6話 魔術学園~witchcraft academy~
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第六十七頁 アイラVS魔力防壁

「ふむ、魔力量は中々だな。悪くない……」


 なるほど、これが“魔力防壁”か……

 その熱風の中、涼しげな顔でオーク先生が呟いた。


 なんとなく、わかったぞ。


 俺は感覚で魔力を水に例えた。まるで水が高い所から低い所へと流れる様に、魔力は濃い所から薄い所へと流れて行くと……


 それに添って考えるなら、あの“魔力防壁”なる物は氷だ。この考えでニュアンス的には間違っていないだろう。

 

 流れる水の中に氷を入れれば、水は氷を避けて流れていくことになる。あの“魔力防壁”も同じ感じだった。

 非常に密度の濃い魔力の塊を、薄い密度の魔力の流れは避けて、流れて行ってしまうと言う所だろう。


「どうした、もう終わりか?」


 オーク先生はそう言うと、グレイス先生の方に視線を向けた。その視線を受けて、グレイス先生がこちらに視線へと投げ掛けてくる。


「どうですか、アイラさん……」


 俺は直ぐに首を横に振ってみせた。

 まだだ、まだ終わりじゃない。


「“アレ”を使ってもいいですか?」


 俺はそう言うと一体の甲冑象を指差した。“アレ”で少しやってみたい事がある。そんな視線をグレイス先生に向ける。

 すると、その様子を眺めていたオーク先生が眉をしかめてみせた。


「なんだ、剣を使って切りかかって来るつもりか? 野蛮な奴め……」

「違います……」


 俺はそう言うとおもむろに甲冑象に近づく。そして、その手に掲げられた剣を手に取った。


 そして、その剣に魔力を込める。


 すると、蒼い光が剣から溢れ出てきた。

 よし、よし、出来る出来る。


 出来たら次だ……


 俺は込めた魔力をあるものに変化させてみる。


 すると、蒼い光がバチバチと弾け初め。その光はやがて稲光を発し初めた。


 よし、これも出来る……


 俺は咄嗟にグレイス先生に視線を向けた。

 すると、彼は俺が何をするつもりか、何となく察しているらしく小さく頷くと口を開いた。


「試験は続行します」

「ふん、何をするつもりか知らんが、さっさと済ませてくれ」


 そう言うと、オーク先生が呆れた顔でこちらを眺めてくる。恐らく、グレイス先生とは反対に、彼は俺が何をするかわかっていない様だ、そんな雰囲気がする。


 今に見ておれ、目に物見せてくれる。

 俺は剣と腕にありったけの魔力を込める。


 それと同時に剣から発せられる稲光が増していく。

 俺はそれを確認すると、込める魔力に新たな細工を施す。


 俺の予想ではこれで上手く行くはず。魔力は俺が思ってるより遥かに万能で自由だ。これくらいの事、きっと出来るはずだ……


 その瞬間、俺の握ってる剣が独りでに動き出そうとしている感覚がした。


 よし、来たぞ……


 俺はその瞬間、手に持った剣に全力で魔力を注ぎ込んだ。

 その瞬間、俺の手から剣が凄まじい勢いで飛んで行った。


 それも、オーク先生に向けて……

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