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公爵庶子リリアの課題

「では、もう遅いから今日は下がりなさい。また明日、改めてお話ししましょう」

「はい、お休みなさいませ。お姉様」


 挨拶をして下がろうとした私だったが、扉を潜った所でソフィアお姉様に呼び止められた。


「リリア。貴女用に予算を組みます。自由に使いなさい」

「…………ありがとうございます。大切に使わせて頂きます」


 頭を下げて御礼を言い、ソフィアお姉様が頷いたのを確認して扉を閉めた。

 フラフラしそうな足取りの私を、サラはさりげなく自室に誘導してくれた。部屋に戻った私はサラを退室させた後、倒れ込む様にベッドに飛び込む。


「怖かったよ〜、何あの空気! あのピリピリするヤツ! 何か息苦しかったし。

 それに予算って! 好きに使いなさいってそれ絶対お小遣いじゃないよね」


 つまりこれも私の価値を測るテストの一環。

 与えられたお金をどう使うのかを試されているのだろう。

 宝石やドレスを買い漁るなど言語道断、エルドラン公爵家に何かしらの利益をもたらす様に動かなければならない。

 パッと思いつくのは投資と慈善活動かな。

 でも投資は確実に利益が出る訳ではない。

 失敗すれば私の将来に関わるのだから、あまり冒険はしたくない。

 となると慈善活動か。

 純粋な利益は出ないけれど、私やエルドラン公爵家の名声は得られる。貴族にとって名声はお金と並んで重要な物だ。しかし、与えられた予算をそのまま寄付するのはダメだ。

 私が予算を使って何かをしなければ意味がない……どうすれば良いのだろうか?




 翌日、お父様とお母様が遊びに出かけた後、ソフィアお姉様からお茶のお誘い(呼び出し)を受けた私は、緊張を滲ませながら机を挟んでお茶を頂いていた。


「これが昨日言ったリリア用の今月分の予算よ」


 ソフィアお姉様が差し出してきた袋の中には金貨が沢山入っていた。


「このお金はお父様も知らない資金から出ているわ。それから貴女に専属の護衛を付けるから、外に出る時はサラと護衛を連れて行きなさい」

「はい、わかりました」


 つまり外でこの予算を使って何かを為せと言う事か。

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