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公爵庶子リリアの進捗

 孤児院の子供達に勉強を教え始めてから数ヶ月が過ぎた。

 ソフィアお姉様は特に何も言ってはこないのが少し不気味だと思う。

 子供達に教えているのは基本的な文字と算術、あと簡単なマナーだ。

 私が教わっている様な勉強をそのまま教えても意味がない。孤児が将来役立てる物と言えば文字と算術とマナーだと思ったんだ。

 孤児達はこの勉強が自分の将来を左右する事を理解している。

 ボケっとしていても将来安泰な貴族のボンボンとはモチベーションが違うのだ。

 最近ではみんなで勉強をした後、希望した子に私とサラが裁縫を、ロデリックが剣術を教え始めた。

 ロデリックの剣術は将来冒険者になりたい男の子にとても人気だったりする。


 私が支援してミリアを商会長に据えて設立したミリア商会も順調で、ミリアはいつの間にか他の商会や下級貴族から依頼を取って来て、役者や芸人と契約して商品や家名の宣伝をする事業を始めていた。

 これが結構当ったらしく、役者に商品を使って貰い宣伝したい商会や私の様に名声の為に慈善事業をしたいが、細かい事は面倒だと言う貴族から依頼が殺到しているそうだ。

 私が貸し付けた初期投資に資金も予定よりかなり早く返済され、今後はオーナーとしての利益が入ってくる事になっている。ソフィアお姉様からの予算以外の資金が手に入るのは良い。

 私だって少しは美味しい物を食べたいし、多少リスクの有る投資で大きく動いたりする時が有るかも知れない。お金はいくら有っても良いのだ。


「リリア」

「お姉様?」


 私室で孤児院での授業の用意をしていると突然ソフィアお姉様がやって来た。

 サラやロデリックはソフィアお姉様の配下なのだから、予算を寄付の他に孤児達の勉強道具やお土産の食べ物に使っている事や、子飼いの商会を作った事は知っている筈だ。今までスルーしていたのだからその件では無いと思うのだけれど、何の用事だろうか?


「今日は孤児院に勉強を教えに行くのでしょう?」

「はい」

「そう。屋敷の料理人に焼き菓子を用意させたから、持っていってあげると良いわ」

「あ、ありがとうございます」


 それからソフィアお姉様は孤児院に寄付する様にと絵本を何冊が私に手渡して去っていった。

 これは私の行動は今の所認められていると考えて良いのだろう。

 この調子で私の有用性を証明して安泰な将来を手に入れて見せる!


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