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第4話:問題だらけの異世界召喚

 俺が聞き直すとヒデは言いにくそうにしながらぽつぽつ話し始めた。

「なんかいろいろ問題があってな・・・。まず、浅野なんだが・・・」

 浅野はクラス、いや学校ナンバーワンの美少年であり、わが校のアイドル的な存在だ。本人は知らないが、ファンクラブというか親衛隊みたいなのが密かに存在する。

 俺はやったことはないが、生写真や私物がこっそり売買されているらしい。

「浅野がどうした?」

「女になっちまった」

 ヒデは吐き出すように答えた。


 一瞬、頭の中が真っ白になった。あわててホールの中を見渡すと男女数人が固まっている所がある。おそらくあそこにいるのだろう。

「楽丸が触って確認したら、あるべきものが無くて、あってはならないものがあったそうだ」


 俺は一年の時に文化祭のミスコンで見た浅野のセーラー服姿を思い出した。身長が約160センチと男としては小柄なこともあって、女の子よりも女の子らしいというか、まさしく学校一の美少女だった。本当に衝撃的だった。

 一年の時のクラスのお調子者が「浅野が女装したらウケるんじゃね?」的なノリで始めた悪ふざけが結果的にミスコンのグランプリ獲得という、本人にとっては悪夢の様な結果に終わったのだが、それがきっかけで学校のアイドルに認定されたのだった。


 浅野のミスコン参加は既定の未来(?)となり、二年の時はクラス全員の土下座という暴挙の前にやむなく出場を決意、生意気にも対抗馬を立てた一年の某クラスの代表を含め(そういえば、『世紀の男の娘対決!』とか煽ってたっけ)全員に圧勝して堂々の優勝、夏休み明けに開催される文化祭でも三連覇が確実視されていた。


「お前が出ていった後かなあ、個人面談の時に自分の体の異変に気がついたみたいで、泣くは喚くはパニック状態よ。楽丸と木田がひたすらなだめてようやく収まった所だ」

 ヒデは淡々と続けた。

「それとな、水野の『職業クラス』が『村人』だった」

 村人?ここはドラクエの世界なのか?

「なんだ、それ?村人が魔王と戦うのか?」

 俺の頭の中でドラクエのマップが開いた。魔王と対峙する村人・・・、シュールだ。

「そんなの俺は知らん。それ以外にもあるんだ」


 もう驚かないぞと思ったが、甘かったようだ。

「平野は『アイアンシェフ』で、三平みひらは『釣りキチ』だった。なんかもう、遊ばれているとしか思えん」

 異世界だろ、召喚だろ、チートだろ、魔王と戦うんだろ?アイアンシェフって普通のシェフよりは強そうだけど、料理人が右手に包丁、左手にお玉を持って魔王と戦うのか?釣り師が釣り竿を振り回して魔王を釣り上げるのか?

 

「ただ、意外な事に浅野以外は落ち着いているというか、冷静に受け止めているみたいだ。むしろ、水野は喜んでいるっぽい」

 村人のどこが良いのだろうか?水野を三時間ほど正座させてとことん問い詰めたいたいところだ。あーでも「無職」よりはましなのかな。脱力していると洋子が話し始めた。

「それ以外にもちょっと変わったスキルがあってさ、鷹町が『魔砲使い』で、江宮が『魔術師』だったの」


「鷹町はおかしくないだろ?、魔法使いだろ」

「ごめんごめん、読み方が一緒だからわからないよね。魔法の『法』が大砲の『砲』になっていたんだって」

「魔砲?なんだそれ?」

「私がわかる訳ないじゃん!」

俺は頬を膨らませた洋子に軽く手を上げて謝ると続けて聞いた。


「そうだよな。ところで魔法と魔術はどう違うんだ」

「江宮によると似ているけど別物なんだって」

「柔道と柔術の違いみたいなものか?」

「一応聞いたんだけど、あたしの頭では理解できなかったよ。魔術回路がどうとか言っていたけど・・。」

 なんか問題だらけで消化しきれないので、とりあえず浅野の所に行ってみよう。決して自分より不幸な奴を見て安心したかったからではない。


 洋子を連れて数人が固まっているところに行くと、そこには浅野と親友の楽丸、幼馴染(保育園からずっと一緒だそうだ)の木田、さらに江宮と鷹町と学級委員長の羽河、そして赤毛に青い目の修道服姿の女の子がいた。赤毛の子が浅野の担当なのかな?

「なにしにきたの?」と言いたげな木田の目線を跳ね返して浅野に声をかける。

「よう、大変だったな」


 羽河の胸には一瞥もくれず、浅野を見つめた俺をほめて欲しい。

「谷山君、ぼく女の子になっちゃった」

 浅野は涙で潤んだ眼と鈴の鳴るような声で訴えた。身長160センチ位で男としては小柄な体、ボーイッシュな(当然と言えば当然だが)ショートカット、二重瞼、ぱっちり開いた大きな目、長いまつげ、小ぶりで形の良い鼻、桜色の唇、ほっそりした首、小さくて細い肩、どこからどう見ても立派な女の子です。


 学生服が合わなくなった(後で聞いたらウエストがぶかぶかでお尻が苦しかったそうだ)ので、なぜかメイド服に着替えていたのだが、胸元に白いリボンが付いた紺のワンピース姿が「超」が付くほど可愛かった!しかもボクっ娘!重ね重ねありがとうございます。


 バーバリー風のセーラー服も良く似合っていたけど、メイド姿も清楚な雰囲気とジャストマッチ!いやあ、惚れるね、俺もファンクラブに入ろうかな。なんて馬鹿なことを考えていたら、後ろから足をけられた。これは多分洋子だな。なんで俺の考えていることがわかるのだろうか?テレパシー?


「バレバレよ!」

 怒った声で追撃をかけられた。おー怖い!このまま見とれている訳にもいかないので、俺なりのエールをかけた。

「俺さあ、職業クラスは『無し』で、スキルは『縁の下の力持ち』だった」

 その場の空気が凍ったような気がした。


「この神殿の神官長さんに聞いたんだけど、初めてのケースで何もわからないんだって。ただ、俺たちを召喚した責任があるから、帰還の日までしっかりサポートするってさ」

 浅野は大きく頷いて応えた。

「僕も男の人から同じことを言われた」


「当然と言えば当然だよな。帰れる時まで、お互い頑張ろう」

 浅野は俺の言葉を胸の中で反芻してから返した。

「僕たち、戻れるよね」

 思いつめたような浅野の言葉が胸に刺さった。もちろん、「戻れる」には二つの意味があることは痛いほど分かる。だから俺は自分にできる最大の笑顔でこたえた。


「もちろんさ。当たり前だろ」

「そうだよね。そうだよね」

 浅野はうなづきながら自分に言い聞かせるように何度も繰り返した。

「それでさ、実は浅野にお願いがあるんだ」

「え?僕にお願い?」

浅野は不思議そうな顔でこたえた。


「実は俺って気が弱くってさ。今もやせ我慢しているだけで、本当は泣きそうなんだ。何がどうしてこうなったのか全然わからないし、どうしていいかもわからない。だから・・・」

「だから?」

「本当に困ったときには相談に来てもいいかな?」

 浅野は一瞬呆けたような顔をすると、次の瞬間には花が開いたような満面の笑顔を見せた。

「うん、もちろん。僕にだって話を聞くくらいはできるからね」


 俺はみんなに「またな」と声をかけてから引き上げた。なぜか楽丸から敵意のこもった眼で睨まれたが、気にすまい。後ろから羽河が追いかけてきた。

 羽河鶫はねかわつぐみはわがクラスの頼れる学級委員長だ。身長は165センチくらい、ちょっと茶色がかかった緩めのウェーブヘアーのショートカット、縁なし眼鏡の下のたれ気味の大きな目、ふっくらした桜色の頬、広めの額の下にはIQ130と噂される灰色の脳細胞が入っているが、彼女の最大の魅力はその胸だ。


 母性を体現したそのサイズはなんと推定Fカップ!胸の大きさと知性は反比例すると言った馬鹿が昔いたらしいが、彼女の存在はその言葉が嘘偽りであることを明確に証明している。一見おっとりしているが、やることに万事抜かりはない。先生からも一目置かれている存在だ。


「谷山君、ありがとう。助かったわ。あの子全然泣き止まなくって」

「突然の性転換だからな。それに迷子の子猫ちゃんだから仕方ないのさ」

「何馬鹿なこと言ってるの?全然意味わかんないし」

 洋子から思いっきり背中を叩かれた。


「いってーな。この馬鹿力!」

「何よ、聖女様がほめているのよ。少しはありがたく思いなさい」

「へーへー、おありがとうございますだー」

 羽河があきれたような声で割り込んだ。

「夫婦漫才はそれ位にして・・」

「「夫婦じゃねーよ/夫婦じゃないわ」」

 俺の声と洋子の声がぴたりとハモった。


「あなた達、息ピッタリじゃない。あのね、谷山君に見せたいものがあるの」

 そういうと羽河は例の黒板タブレットを差し出した。

「クラス全員の『職業クラス』と『スキル』をリストにしてみたの」

次はクラス全員のリストを公開します。名前や職業クラスを考えるのが大変だったので、あちこちからお借りしました。各キャラのファンの皆様、どうか笑って許してください。ご不快に思われた方はすぐに閲覧を中止してください。よろしくお願いします。ちなみにオリジナルも十人位います。

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