第149話:ちっぱい族の滅亡3
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さらに同じく7月18日の深夜、宿舎の一室でも秘密の会合が開かれていた。参加者は僅か三名。
A:まずは木田と寺島だな。
B:そうだ。
C:一昨日と昨日の三点測量だな。
A:そうだ。俺は両方ともCと判断した。
B:俺もCだ。
C:俺はBだ。
A:三人同時に目視したという事であれば、C-で確定だな。
B:・・・・・・。
C:・・・・・・。
A:どうした?なぜ二人とも黙ってしまうんだ。
C:お前だって気がついているだろう?
B:浅野・平井・木田・寺島だけじゃない。
A:言うな、それ以上言うな!
泣き崩れたAの肩をBが優しく抱きしめた。CはPPMの「花はどこへ行った」を歌いだした。ただし、「花」を「ちっぱい」に置き替えていたが。
A:分かっているんだ。この世にはもうちっぱいはいないってことを。
B:嘆いているのは俺たちだけではない。おそらく巨乳党も全滅だ。
C:そうだ。俺の見る限り十五人全てBからDの範囲に収まっている。ちっぱいも巨乳も絶滅してしまったのだ。
A:天は我らを見捨てた。これからは世が終わるまで、花一つ、草一つもない荒野をさすらう事しかできないのか!
B:泣くなA!涙を拭くんだ。嘆いているだけでは何も始まらんぞ。
C:そうだ、Bの言う通りだ。だけど俺たちは何をしたら良いのだ。
A:分かった。取り乱してすまない。新天下三分の計が失敗に終わった今、俺たちにできることは限られている。
C:美乳派の原理主義者と組んでBを取り込むのではなかったのか?
A:Aが一人もいない状況でBだけあっても意味はない。
B:確かにその通りだ。
A:俺たちが取れる唯一の戦略は「石の上にも三年」だ。
B:「臥薪嘗胆」ではないのか?
A:いや、「臥薪嘗胆」は復讐のために機会を待ち続ける、という意味なので少し違う。
C:石の上にも残念、になったりしないよな?
A:やめろ!縁起でもないことを言うのはやめてくれ!
B:分かった。待とう。風向きが変わるのをじっと待とう。
A:そうだ。希望を持って救い主が現れるのを待つのだ。
C:俺は感動している。この危機的状況でも、自暴自棄になることなく希望を持って待ち続けることができるお前たちに。
B:お前もそうだろう。
C:当たり前だ。ちっぱいに対する愛は誰にも負けない。ちっぱいは永久に不滅だ。
A:俺たちのちっぱいに対する愛がある限り、必ず状況は変わる。
B:そうだ、それまでこの三人の団結をより強固にしよう。
C:おう、これからも一致団結して運命に抗らおうではないか。
A&B:異議なし!
C:ちっぱいのために!
A&B:ちっぱいのために!!
C:ちっぱいのために!
A&B:ちっぱいのために!!
・・・・・・・・・・・・
A&B&C:ちっぱいのために!!!
短くてすみません。ちっぱい族は運命と戦うそうです。ちなみにPPMはピーター・ポール&マリーの略で、ベトナム戦争(1955-1975)の頃活躍したアメリカの反戦フォークの代表的なグループです。動画も白黒があって時代を感じさせます。