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どうやったらあいつに勝てるんだ

あれから毎日のように腕立て伏せとスクワットを行っている

 おかげで筋肉がついて自信も持つようになったがまだまだ本来の目的に達していない


(どうすればあいつに勝てるのか……いや、そもそも間違っていたのか)


 よくよく考えると俺はあいつのことを全く知らない

 テレビなどで見かけたことがる程度で名前すらも知らないじゃないか

 そんなやつにどうやって勝とうとしていたんだ……? 筋肉だけで勝てるわけないじゃないか


 そうと決まればまずは相手のことをリサーチ

 幸いにも有名人なのですぐに情報を得ることができた。あと、ついでに好きなことのこともリサーチしておいた


 俺の目標は明智あけちミヤビ 俺と同じ学校に通い、同学年だがクラスが違い公務で休みがちなため現れることは少ない

 得意魔法はなし。いわゆるオールマジックユーザー。なんでもできるってわけだ

 武道経験者で剣道の大会には準優勝を飾っており、柔道ではベスト8まで入っている

 成績は優秀不明……まあ、ここまでくると賢い。少なくとも俺よりは上と考えておこう

 この中で俺が明智 ミヤビに勝つことができそうなのは……


 俺 武道 経験なし vs 明智 ミヤビ 剣道準優勝。柔道ベスト8


   学業 平均並み vs 明智 ミヤビ 未知数の秀才


   魔法 使えない vs 明智 ミヤビ オールマジック


 …………あれ? 詰んでないかこれ

 どれをとっても俺が勝てる要素が見当たらないぞ

 そもそも王族だから生まれからして負け……って認めるかよ!!

 俺は男に生まれたんだ。だったらこの程度の壁を乗り越えてやろうじゃないか!!

 考えろ。それこそが俺の武器だ

 弱点は本当にないのか? あいつだって人間だ。どこかしら補強できない部分があるはずだ

 俺だったらどうする。俺が明智 ミヤビならどこを突かれると痛い

 

「……待てよ。もしかして」


 俺は一つの結論に至った

 そもそも、武術で強くなったとしてどうやって証明するんだ。いきなり相手の前に現れて「勝負しろ!」とでも言うつもりか? そんな度胸はないぞ

 同じく学業だと相手は学校に来ていない……それで勝ったとして俺は相手に、男のプライドで勝ったと誇れるのか? 根本が違うだろ。俺はあいつに強さで勝ちたいんだ

 だったら答えは一つだけじゃないか。ちょうどこの学校は王族の学校

 魔法にプライドを持つ連中がたくさんいる。それは明智だって同じはずだ

 問題なのは俺が魔法を使えないこと

 だけど、そんなことは克服するばいいだけのことだ。神に感謝するぜ。タイミングが良かった

 一昔前なら魔法なんて絵空事だった。でも、今なら―――


「本を読んで理解すれば身につくことができるんだからよ!!」


 俺はなけなしの小遣いを握りしめて書店に向かった。


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